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重詰料理の豚三枚肉 [ 沖縄と食]

ンブシ豚(煮しめ豚)
「沖縄では清明祭などの重箱料理には、豚の醤油煮込みが使われます。」の続きです。

ラフテーに似た沖縄料理に豚三枚肉があります。
沖縄では清明祭などの法事には重詰料理が出されますが、そこに豚三枚肉という料理があります。

そのレシピを新島正子『琉球料理』(1971年、新島料理学院発行)から紹介しましょう。

 

その前に、まず重箱料理のことから。

■重詰料理

重箱っていうのは、4つの箱を縦に重ねたものです。これはご存じですよね。ヤマトでは、重箱料理というと正月のおせちをまずは想像しますが、沖縄では違っていて、法事などのために作る料理です。
以下は、その説明です。

1.重詰料理には、法事に際して仏前に供えるものと、清明祭に墓前に供えるものがありますが、詰める料理は同じものが用いられます。

2.重箱は4箱1組で、2箱には重詰料理を、2箱には餅を詰めます。
餅は普通、一箱に15個づつ入れます。
重詰料理は、重箱を1箱を3×3=9に仕切って、9つの料理をすき間のないようきっちり詰めます。

法事用と清明祭用の違いは、次の料理の並べ方です。

3.法事用に詰める料理は大体次のようなものが、よく用いられます。
九つに仕切った、仏前に向かって左から右に、仏前側にカステラカマボコ、豚三枚肉、揚げ豆腐、中央に揚げ田芋、カマボコ、ゴボウ、手前側に大根又は冬瓜、昆布、魚の天ぷらです。他に、花麩(ふ)、コンニャク、豚肝など。

4.清明祭用は、墓前側中央に三枚肉に替えて、昆布を詰めて区別します。三枚肉は、昆布の位置になり、他の七品は同じ位置です。

5.カマボコは、七年忌までは白を用い、十三年忌以降と清明祭用には赤を用います。

ところで、清明祭っていうのは中国発祥で沖縄独特の行事です。「せいめいさい」じゃなくて、「シーミー」と言います。
旧暦3月の清明の節(新暦の4月中旬)に行われる先祖の墓参りですが、ただの墓参りじゃないところが沖縄独特。沖縄の墓は大きくて、墓前に宴会をするスペースがあり、そこで親族の宴会をするんです。(といっても、私は実際を見たことはないですが。)

話をもどして、いよいよ豚三枚肉のレシピを紹介しましょう。

■豚三枚肉

丸ごとゆでてから7ミリ厚さに切り、次の煮汁で煮る。
 豚だし、カツオだし、半々合わせてカップ3
 さとう カップ2
 しょうゆ カップ3
 みりん カップ3/4

紹介してあるのは、これだけ。
これが豚三枚肉の煮しめです。
 
前回紹介したンブシ豚(煮しめ豚)も醤油の煮込み。いったいどこがちがうんでしょう。


 
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コメント 6

sena

はじめまして。愛知県在住、ウチナンチュ。senaといいます。
新島正子先生を検索していて参りました。

どうやら同じ本を持っているようです。
今日、「ミミガーのピナッツ和え」をブログに載せました。
よろしければ、遊びに来てくださいね。(゚▽^*)/

Sena's Style http://plaza.rakuten.co.jp/sena78/
by sena (2006-03-01 13:57) 

taro m.

初めまして
senaさんと同じく「新島」関連の検索で参りました。
私、新島正子の孫です。(匿名にした意味があまりないですが)
珍しい本をお持ちですね。
『沖縄料理』はかなり昔に絶版になっていて、我々の手元にも数部しかありません。
その本に掲載されている写真は父が撮影したもので、撮影したカメラは現在私が使っております。
以前の日記で昔と今とでラフテーの作り方が変わっていることに関してご考察なさっていますが、こんど祖母に聞いてみようと思います。
信頼できそうな情報が在りましたらご報告します。
by taro m. (2006-04-09 16:57) 

taro m.

追伸
「沖縄料理」じゃなくて「琉球料理」じゃないかと思います
by taro m. (2006-04-09 17:07) 

とんちゃん

しばらくお休みしていました。

>senaさん
「ミミガーのピナッツ和え」好きです!
私もトライしてみようかな。

>taro m.さん
新島さんのお孫さんですって! お祖母さん(の本)には、お世話になっております。
「沖縄料理」じゃなくて「琉球料理」です。ごめんなさい!

この本は図書館で借りました。

初めはラフテーの名前が不思議で、調べ始めたら、これがよくわからない。そのうちに、安次富順子さんが「ラフテーは客膳料理じゃなくて保存食だった」と書いているのにぶつかって、ラフテーのレシピを調べ始めた。で、第一人者の古い本を読むために、新島さんの本を借り出したという次第です。

ラフテーは、那覇や首里の家庭料理だったのでしょうが、それを古波蔵美栄さんと新島さんが改良して、沖縄中に普及していったのではないかと、いまは思っています。
そのラフテーとは別に、客膳料理には「ンブシ豚」があったと新島さんは書いています。これとラフテーとがどう違うのか、実は今一つよくわからないでいます。

ラフテーは名前も由来も、とっても不思議な料理のように思います。
by とんちゃん (2006-05-05 10:40) 

taro m.

ご報告です

今日、新島に会ってきました
新島は今回春の叙勲で上京、帰りがけに私の住んでいる大阪に寄ってくれたんですが・・・・
ラフテーのレシピの今昔ですが
長旅で疲れたのか話が上の空で、どうもよく覚えていないのか・・・
90歳の老人なのでいまさらきいてもわからなかったというのが結論です
10年前だったら分かったかもしれませんが
あと、安次富(叔母です)が調べてわかるかどうか・・・
あまり参考にならなくてすいません
by taro m. (2006-05-13 22:05) 

とんちゃん

>taro m.さん
新島様、叙勲おめでとうございます。
ラフテーのことをお聞き頂いてありがとうございます。
新島さんは90歳ですかぁ。お疲れはあったことと思います。
安次富さんもきっとお詳しいと思っています。でも、まあ、ボチボチと。
私の方は、ラフテーに限らず、沖縄と料理のことをこれからも楽しみたいと思っています。
by とんちゃん (2006-05-18 06:01) 

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