シンプルな釜上そばがイチオシ かねや@島根県出雲市 [ 中国・四国]
出雲大社に寄って、お昼は、大社の近くのおそば屋さんにしました。
大社から少し歩いたところにある「出雲そば かねや」さん。
メニューは、有名な「割子そば」など。割子は3段になっていて690円。
これで足りない場合は、1枚230円で好みの量を追加できるようになっています。
なかなか明朗会計です。
まずは3段の割子そば。
各段に薬味が載っています。
これにそばつゆを直接かけていただきます。
色が灰色っぽいですが、これが出雲そばの特徴。
ソバの実の甘皮も含めて挽きぐるみにしているためです。
そのために香りや旨みが強くなっています。
冷たい水で締めてあって、しっかりした歯ごたえのソバです。
つゆは、昆布と魚の香りがします。
日高昆布とうるめいわしを出汁に使っているそうです。
ワサビではなく、もみじおろしを使うのも出雲ソバの特徴です。
3枚食べましたけど、やはり3枚では足りない。
「釜上そば」を注文しました。
あれ?汁の中に入ったソバが出てきました。単なるかけそば?
実は「釜上うどん」のように、温かい湯に入ったソバを想像していたのですが、違っていました。
出雲の「釜上」は、茹でた熱いソバを水に入れて締めずに、熱いままそばつゆの中に入れます。
しかもゆで汁=そば湯もいっしょに入っています。単なるかけそばとは違う。
出雲では、これが当たり前なのでした。
しかし知らない私にはかなりの驚きでした。
食べてみると、これが意外に美味しい。
シンプルなのにかなり美味しいのです。
そば湯が入っているので、ソバの香りがいっそう香っています。
とくに1月の寒い季節には、冷たい蕎麦よりこちらの方がいいように思います。
こういう食べ方だと、つなぎが多い場合はかなりニチャつくと思います。
しかしここのお店のおそばは、そんなことはありませんでした。
帰り際に尋ねると、ここのソバは二八ではなく、つなぎは1割とのことです。
もう1つ、店名がなぜ「黄金(おうごん)そば」なのかと聞いてみました。
女将らしき人は「おうごん」じゃなくて「こがね」だけど、先代からなので理由はよくわからないとの答えでした。
あらまぁ、っていうお答え。(笑)
たぶん、店名というか屋号が「かねや」なので、それに掛けて「こがね」としたんでしょう(きっと)。
長野県の戸隠そば、島根県の出雲そば、岩手県のわんこそばを三大そばと言うそうです。
うどん文化中心の西日本にあって、出雲でそばが有名なのは不思議なところ。
実は、出雲のそばは信州から伝わったらしい。
そもそも現在のようなそば切りが行われるようになったのは江戸時代になってからのことです。
そして寛永十五年(1638年)に松平直正(徳川家康の孫)が信州松本から移封された際に、信州のそば職人を連れて来たのが出雲そばの始まりといわれています。
そういう意味で、出雲そばは、ここ出雲大社や出雲市が発祥ではなく、城のあった松江から広まったことになります。
で、どこでソバの栽培が行われたのか?
きっと山の
中、たぶん奥出雲ではないと思います。
奥出雲にはいま真っ当なそば屋が何軒もあるみたいです。
本格的なそばを食べるなら、奥出雲ではないと思っているのですが、まだ実現できていません。
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