ひとり静かにカウンターで酒 もっきり要介@秋田市 [ 東北]
秋田の夜。
川反の居酒屋蘇州で日本酒をいただいて、それでお開きでもいいんですか・・。
もう1軒立ち寄りたいところがあったんです。
「もっきり」でお酒を出すお店があるっていう食べログ情報があるもんでね。
通りから少し入ったところにお店があります。
行灯がないので、夜はちょっと分かりにくいです。
(外観の写真は昼間に撮ったので暖簾がありません)
「もっきり要介」というお店。
Hさん、「もっきり」ってわかりますか?
知らない?
戦後、酒屋(酒の販売店)では、1升瓶の酒を1合ずつ売っていたんだよ。
店の隅にカウンターを設けて、コップや升に酒を注いで売っていたんだって。
飲食店営業じゃないから、椅子を置かず、つまみも出さない。
客は立ったまま、要するに立ちのみだね。
つまみは店で売っているものを買って、客が勝手に食べる。これなら問題ない。
その酒を「もっきり」って読んだんだ。「盛り切り」が訛ったものね。
「もっきり」っていうんだから、そうやって酒を1杯売りするお店だよ。
立ち飲みかもしれないけどね。
そんなことを話しながらお店にやってきました。
さて、暖簾をくぐってお店に入ると・・・。
店内はL字のカウンター。
立ちのみかと思ったら、ちゃーんと椅子がありました。(よかったぁ・・。)
その中にご主人、後から女将も登場しました。
高齢の方かと想像していたら、想像以上にお若いご夫婦です。
手前のカウンターに席を取りました。
ちゃんと椅子があるんですね!
「立ち飲みだと思うお客さんが多いんですよ」とご主人。
「もっきり」っていうから、立ち飲みと思うよなぁ。
壁に日本酒の銘柄を書いた黄色い紙がいくつか張ってあります。
値段は500円と600円がほとんど。
ご主人の気に入った銘柄の酒です。
美味しいだけじゃなくって、値段もリーズナブルなお酒たちです。
1杯目は、名前に惹かれて、一白水成の特別純米をいただきました。
横手の福禄寿酒造のお酒なんですね。
お酒はグラスに盛りきりです。
ぉおおっと、こぼれる直前までしっかり注ぎますね。
嬉しいねぇ。
このお店は「お通り」がありません。
アテがほしければ、注文するっていうシステムです。
つまみは黒板に書いてあります。
メチャメチャ安い。というか、まさに酒のつまみしかない。
きゅうりカラシ漬(200円)をいただきました。
ただのキュウリなんだけど、辛子か利いていて辛い、旨い。
これは酒のアテにいいですね。
おっ!へしこがある。
Hさん、へしこって知ってる?知らないよね(優越感)。
これが、へしこ。
鯖を塩と糠で漬け込んだもの。北陸の珍味ですよ。
旨みが凝縮されているけど、すっごく塩辛い。これは何年物だろ?
こんなたった一切れで、この1切れで250円。
でもこれで丼飯2杯は軽い、って感じのしょっぱさです。
この一切れで、お酒3杯は飲めますよ。
安いつまみで好きな酒がいっぱい飲める。
これこそがこのお店のコンセプトなんでしょう。
いやもう、酒が進みますね。
次は阿桜を注文しました。横手の阿桜酒造のお酒です。
お酒の札は特別純米ですけど・・・
吟醸があります、って出てきたのは純米吟醸の中取り。
うまいなぁ・・。いや、実はかなり酔っていて、覚えていない・・。
酢モツ300円。
なんだか焼酎が欲しくなってしまいますね。(笑)
改めて酒のリストを見ると、一番安いお酒が両関銀紋です。250円。
普段飲む酒にはいいんです。っていうご主人。
じゃあ、それ下さい!
冷やでいただきました。
上等の酒じゃないけど、これでいいんだよなぁ・・・。
これがもっきりの原点かも。
焼き味噌250円。ツブツブは蕎麦の実です。
どんな味かは、勝手に想像してください。不味いわけがない。
こりゃまた、酒が進むわぁ。
でもこれで今夜は打ち止めにしました。
ここはお酒を飲むためのお店です。とっても気に入りました。
ひとり静かにカウンターで酒を呑む。そういうところですね。
ごちそうさまでした。
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