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デカいオムライスにお袋の思いやりをみる キクヤ食堂@福島市 [ 愛しき食堂]

午後2時過ぎという遅い時間帯に、福島市でランチしたときのこと。
最近、「食堂」でのランチがマイブームになっている、とんちゃん。
駅近くのディープな食堂で食べよう、と事前にお店を選んでおきました。(笑)

まずは、駅の南にある「きたな美味い」と評判の「味処福泉」さん。
ランチは15時まで営業という情報です。
「酪農会館」のビルの向かいにあるお店に到着。
あっ!締まっている。
お店の人が外出する様子で、確認すると「休憩時間です」だって。
14時30分までだったんだぁ。僅かの差でアウト。orz.....

では!
と、福島県庁のすぐ東にある食堂に向かった。
県庁と阿武隈川との間、という信じられない場所にある「もみじ食堂」さん。
しかしここもすでに休憩時間になっていた。やはり。。。。

時刻は3時近くになっている。
やはりこの時間帯は、食堂の休憩タイムなのだ。
いかん、腹が減ってきた。井野頭五郎みたいだ。

用意しておいた最後の1軒に急ごう。
そこでダメなら食堂は諦めて、今日はもうどこでもいい。
悲痛な思いを抱きながら、県庁から県警を過ぎて、北へ向かった。

目指す店の前は、すっかり空き地だ。再開発だろうか。
遠くに店が見えてきた。

しかし・・・暖簾が出ていない。
ヤバイ!やっぱりここも休憩タイムか?
完全に絶望しながらも、しかし一縷の希望を持って店の前まで行ってみた。

ぉおっ!こっ、これは!
「営業中」のプレート!
開店しているじゃないか。
こういうのを地獄に仏っていうんだろうか。(言わない)

食堂の「きくや」さん。
木戸をあけてお店に入りました。

4人掛けのテーブルが2つとカウンター席という小さな食堂。
店内には誰もいない。

「こんにちは!」
「・・・・」
「ごめんくださーい!」
「・・・・」
返事がない。
まずいぞ、やっぱり休憩時間だったのか?

「すみませーん!」
「ハーイ!」
奥から声。
続いて、ふくよかなオバサンが出てきました。
「あのぉ、こんな時間だけど、やってますか?」
「はい、朝から夕方まで、ずっとやってますよ。」
よかったぁ。これで念願どおり食堂で昼飯にありつける。

テーブルに座ると、冷たい麦茶が入ったコップを置いてくれた。
「何になさいますか?」
「うん、メニュー見て、何にするか考えるね。」
「そうですね、ゆっくり選んでください。決まったら声をかけてください。」
そう言って、オバサンはふくよかに、また奥へ戻った。

メニューは壁に張ってある。
定食類、御飯類、中華めん類、そば・うどん類。
さすが食堂だ、なんでもある感じだ。

御飯類は、天丼900円、カツ丼600円。
おっ!ソースカツ丼があるじゃないか!
そうだ、福島県の会津地方にもソースかつ丼があったんだよな。
ソースかつ丼600円・・・惹かれるなぁ・・・。

いやいや、この店で食べてみたいものがあったんだろ。忘れるな、思い出せ。
そうそう、そうだ。
ぉお!あったぞ、あったぞ!
オムライス。600円だ。

ここでオムライスを食べたいと思っていたんですよ。
かなりの「大盛り」らしいっていう評判の。
決まっているんなら、すぐにオーダーしてもよさそうなものだけど・・・。
しかし、そこはそれ、やっぱり一応、メニューを確認してみないとな。

「すみませーん!オムライス下さーい!」
「ハーイ!」
奥から返事があった。今回は、素早い対応だ。

改めてメニューを眺めると、値段の高いものから順に書いてある。
定食類は天ぷら定食900円がトップで、ラストはにらレバ炒め定食550円。
御飯類は天丼がトップでチャーハン550円がラスト。いやカレーライス500円がその前にある。
中華めん類は五目ラーメン550円からラーメン400円まで、などなど。
うーん、どれも安い。さすが食堂だ。

テーブルや椅子を眺めると、おや猫の毛が落ちている。
猫を飼っているようですね。
これは猫アレルギーの方は要注意ですぞ。
うちの子を連れてきてたら、きっとクシャミ連発だろうなぁ。

7分ほどして、突然、小窓から丼と皿が出てきた。
おっと、これは意表を突かれた。

慌ててカメラを持って写真を撮りました。
あの小窓、しっかり現役だったんだぁ。油断大敵。

オムライスもあそこから出てくるのかな?
カメラを構えて、待機。

と、ドアが開いて、おばさんがオムライスを持って出てきた。
またも意表を突かれようだ。(笑)

おばさんがお盆からテーブルに料理を並べる。

「うわっ!デカイですね!」
思わず声を出して驚いた。ほんとにデカイのだ。
「・・・・」
しかし、オバサンは全く無言。
そうでしょ?なんて言わない。それどころかニコリ!ともしない。
なんなんだ、このノーリアクションは。
いや、そうか、まったく気負のない、これぞまさに自然体なんだ。
清々しくさえある。

オムライスは薄い玉子焼きがかかった、まさに食堂タイプのオムライス。
ケチャップが半身にドロンとかかっている。サービスだな。

おや、オムライスの脇に、ラッキョウと千切りキャベツがある。

ラッキョウなんて、カレーライスみたいだ。
オムライスにキャベツってのも、珍しい。
しかもちゃんとマヨネーズがかかっている。

すごく変わっているけど、なんだかいいぞぉ。
お母さんの、おせっかいな思いやりみたいな感じで、これ、いいなぁ。
そうか、デカいオムライスも、お袋流の思いやりなんだ。
なんだか、嬉しくなってきたぞ。

変わっているといえば、これも変わっている。
オムライスに、冷や奴が付いているなんて、すっごく変わっている。
でも冷や奴すきなんだ。
だったら相性なんてどうでもいいんだ。思いやりだよ、おせっかいな思いやり。
変わっている大賛成。
しかもちゃんと、おろし生姜が載っている。
いいぞぉ、思いやり。

では、いただきます。(合掌)

オムライスの中は、チキンライスだ。
ケチャップタップリのまったりタイプ。
おふくろの味スタイルのチキンライスだ。
鶏肉もちらほら。
うん、うまいぞ。

しかしこのチキンライス、タッパが高い。

スプーンと比べて高さがわかるだろうか。
10センチ以上の高さだ。

スープ。
オムライスにスープは珍しくないけど、でもこれは、かなり黒い。
油が浮いて、ラーメンのスープみたい。
しょっぱいのかな・・・と思ったら、意外にそうでもない。
出汁は昆布みたいで、サッパリしている。
このスープでラーメンを食べたら、実にサッパリしていて美味しいかも。
よし、次回はラーメンだな。

途中で箸休め、いやスプーン休めに冷や奴をいただきましょう。

でかいオムライスをいただいて、満腹だ。
大盛りをオーダーしなくて、よかったよ。

お会計も小窓越しに行います。

営業時間をお聞ききしたら「用意が出来たら営業開始」だって。アバウトだね。
何時頃か聞いたら、10時半から7時半までで、休憩タイムなしで営業だそうです。

オムライスのご飯は、いったいどれくらい入っているんですかって伺ったら、「測ったことないからわからない」だって。
なんともアバウトなところが、実にいいです。(笑)

お袋のおせっかいな思いやり。それも食堂の温かさの1つです。
ホッコリとした気持ちで店を出ました。

ごちそうさまでした。

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タグ:福島県
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コメント 6

kao

お、大き~~い!!
温かさと愛情が伝わってきました。
by kao (2012-11-06 18:08) 

茶の間おじさん

メニューたくさんの食堂は店主の方の気持ちと技が伝わってきて嬉しくなりますね。
by 茶の間おじさん (2012-11-06 21:49) 

とんちゃん

> kaoさん
この大きさが、お袋の愛情、ですかね。(笑)
しかし、ホントにでかいんで、ビックリしました。
by とんちゃん (2012-11-07 06:16) 

とんちゃん

> 茶の間おじさん さん
そうですよね。
だから最近、「食堂」がとっても恋しいんです。
こういう食堂が、消えずにぜひとも残ってもらいたいです。
by とんちゃん (2012-11-07 06:18) 

式守錦太夫

いやあ、いい味出していますね、きくや食堂さん。
オムライスのポーションの大きさも驚愕ですが、
らっきょうと冷奴とスープという脈絡のなさ・・。
意図的でないのなら、おせっかいという名の思いやりなのでしょうね。
残ってほしい、市井の食堂です。
by 式守錦太夫 (2012-11-09 02:59) 

とんちゃん

> 式守錦太夫さん
美味しくて、楽しめました。(笑)
こういう「市井の食堂」に、これからもずっと残ってほしい。
こんなお店で食べることを楽しんでいます。(笑)
by とんちゃん (2012-11-10 18:22) 

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