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熱々の古典的広島風お好み焼きに温かい思いやり お好み焼き畠山@広島県庄原市 [ 中国・四国]

広島県庄原市でランチにしたときのことです。

庄原市のお好み焼き店を検索したら、「鉄板焼てっき」というお店が気になる。
でもそこは夕方からの開店なので、ランチには無理。
でも、そのお店が範とするお店が、これまた好都合なことに昼しか開いていない。
ぉおっと、それはいいお店じゃないですか!
じゃぁ、そのお店に行ってみましょう。

お店の場所は、赤十字病院の近く。
一方通行の細い道を入ったところで、駐車は無理。
歩いて向かいました。

お店は、もう完全に住宅です。
看板もありません。

唯一、黒い「お好み焼き」の暖簾が目印です。
ミツワソース&ヒガシマルソースの暖簾です。

このお店の名前は?
「畠山お好み焼き店」なんてネットにあるけど、それって正式名称なの?
表札は「畠山」さん。
お好み焼き屋の「畠山」が正式名称かもよ。

ともあれ、2人でお店に入りました。

店内は、とっても狭い。
小さな鉄板があって、そこにカウンター席があるけど、2人しか座れない特等席。
テーブル席は2人だけ。
だから最大で4人しか入れないお店です。

お店には、年配のおばちゃんが1人。この方がオーナーの畠山さん。
ミツワソース&ヒガシマルソースの黒いエプロンをしています。
(写真は帰り際にやっと撮らせていただきました。)

おばちゃんは、この道54年(!)の大ベテラン。
そのベテランおばちゃんが作り出す広島風おこのみ焼きは、現代風のものではなく、古典的なスタイルなんです。
その作り方は後ほど・・。

食べながら伺ったことには、お店でお好み焼きを食べる客はほとんどいなくて、たいていは電話でオーダーして、テイクアウトするそうです。

さて、とんちゃんたち2人は、鉄板前の特等席に陣取りました。

メニューは、お好み焼きと焼きそば・焼きうどんのみ。
お好み焼きのメニューは、肉600円から、そばorうどん・肉玉・イカ天780円まで。
やっぱ、全部載せの「そば・肉玉・イカ天」で行こう!
ということで、2人ともそれにしました。

鉄板は、年季が入っているけど、ピカピカ・テカテカで、とっても手入れが行き届いている感じです。
その鉄板の上で展開される年期のはいったおばちゃんのパフォーマンスをじっと眺めましょう。

まずは、溶かした小麦粉の生地でベースをつくる。

2つ綺麗につくります。

ここで注目!
鉄板の脇にパック入りのそばが置いてあります。
冷蔵庫から出した蒸し麺を鉄板の脇で温めているんです。

そこに鰹節の粉をパラパラ。

キャベツを盛ります。

キャベツを載せるけど、山のようにはしない。
ここが現代風とは違うところ、その1です。

2つめにもキャベツ。

つぎはモヤシを重ねる。

こんもりとモヤシ。

2つのお好み焼きにモヤシが盛られる。

天かすをかける。

どんどん天かすをのせる。

かなりたくさん天かすを載せるんですね。

イカ天を千切ってのせる。

手に何枚ものイカ天。

えっ、そんなに載せるの?ってくらいに載せる。

次は豚バラ肉。

丁寧に並べる。

野菜の上一面にたくさん並べます。
豚肉いっぱいだ。

そこに生地をたらす。

ここでひっくりかえずぞ!

あっ!という間にひっくり返す。
見事な天地返しです。

天地返ししたお好み焼きを、上から押さえる。
この押さえるところも現代風とはちがうところ、その2です。

鉄板の脇で温めていた蒸し麺を鉄板に載せて温める。

そして次のそばを鉄板の脇に置きました。
用意がいいなぁ・・って思っていたら、実はオーダーが入っていたんです。

そばを温めている間にも、ギューっと何度もお好み焼きを押さえつけます。

力が入ってますね。

これでもか!ってくらいに押さえつける。

ここで1つをひっくり返しました。

と、すぐにまたひっくり返して元にもどした。なんで?
焼け具合を確認したんじゃないかな、って思います。

押さえつけは念入りです。

そばにソースをたらす。

ここでお好み焼きをひっくり返した。
豚バラの面が表になっています。

そばをほぐす。

豚バラ面が表になったお好み焼きにソースを塗る。
ここでソースを塗るのは現代風とは違うところ、その3。

塗り厚が微妙だ。
薄くはなく、かといって厚塗りでもない。

コショーをかける。

パラパラとかけれいるのは、何の粉なんだろ?

お好み焼きの上にそばを載せる。
現代風とはちがうところ、その4です。

それから・・・

ひっくり返す!
2度手間じゃん?って思ってはいけない。
豚の側面にもソースを塗って、そば・豚間にソース層をつくることが目的なんです。

もう1個の方もひっくり返して・・

豚面を出してから

あら、またひっくり返した。
豚の焼け具合がイマイチだったみたい。

ギュッと押さえて、焼きを入れているようです。

もう1度ひっくり返してから

そばをほぐす。

お好み焼きの豚面にソースを塗る。

ソースを塗って

コショウをかけて

謎の粉を振りかける。

そばをお好み焼きに載せて

お好み焼きの下にコテを入れて・・

サッとひっくり返す。

2個のお好み焼きが並んでいる。

1個を客の側に押しやって、鉄板に油を塗る。

生卵を割る。

黄身をコテで突いて

卵を丸く円形に広げて焼く。

卵の上にお好み焼き本体を載せる。

お好み焼き押さえて卵層と馴染ませる。
そしてひっくり返す!

油断しているうちにひっくり返しました。
そして卵の面にソースを塗る。

たっぷり塗った方が美味しいよな。

謎の粉を振って

青ノリをかけて

完成です!

分厚いお好み焼きです。
ソースの香りが食欲をそそる。
でももう1つが出来上がるまでお預けしましょう。

もう1個の方。

卵を割って

黄身を突いて

丸く広げる。

卵焼きにお好み焼きを載せ

ひっくり返す。

ソースを塗って

青ノリをかけて

完成です。

さて、では、いただきます!(合掌)
お好み焼きはコテでいただきますよ。

お好み焼きを割って、コテに載せる。
何層にも重なったお好み焼き。
下から、生地、キャベツ・もやし、天かす・イカ天、豚バラ、ソース、焼きそば、卵、ソースです。

口に入れると・・アツっ!
ちょっと火傷しました。初心者ですね。f(^^;)
ハフハフしていただこう。
うん、うんまい!

キャベツがふんわり、という現代風とは違うけど、全体がふっくらしている。
野菜層と焼きそば層が同じくらいの厚さなので、焼きそばのフンワリした存在感がはっきり感じられるぞ。
そして豚肉がシッカリした歯触りと旨みを押し出して自己主張する。

お天かすとタップリのイカ天があるから、油っぽくなるかと思ったら、そんなことは全くない。
野菜層が、天かす&イカ天の天天層を包み込んでいるようだ。
しかし豚とともに香ばしさをしっかり醸し出している。
偉いぞ、テンテン!

好み焼きはソースが旨い。
普通は一番上の厚いソース層がガツンと舌と鼻腔を攻撃してくる。
しかしこのお好み焼きは。焼きそばを挟んで薄め2層のソース層があるから、ソースがやんわり波状攻撃をかけてくる。実に上品かつ念入りなソース攻撃なのだ。

このお店のソースは「ミツワお好みソース」です。
広島市のサンフーズというメーカーのソースです。

サンフーズには、「ミツワソース」、「ヒガシマルソース」と「お好み村」いう3つのブランドがあります。
大正時代に創業したミツワ食品(ミツワソース)と中東商店(ヒガシマルソース)が1973(昭和48)年に合併してサンフーズとなった。
そして今も別々のブランドでソースを販売している。
ところが、「ミツワソース」と「ヒガシマルソース」とは、名前は違えども、原料も配合も同じで、全く同じソースなんです。
「お好み村ソース」は、広島市中区新天地にある「お好み村」に因んだブランドですけど、これも中身は同じです。

ちなみにヒガシマルソースは、兵庫県たつの市にあるヒガシマル醤油とは全く無関係です。

 

お好み焼きを食べていると、おばちゃんがまたお好み焼きを焼き始めた。
電話注文のお好み焼きを作っているようです。

出来上がったお好み炊きを2つに切って

ソース面を内側にして折り曲げる。

分厚いタコスみたいに見えます。

内側にソースを塗ったパックに入れる。

お好み焼きに海苔をかける。
パックの底にも蓋にも、内側にソースを塗っている。
内側にもソースをしっかり塗るんですね!と感心したら、
「ソースがついていた方が美味しいでしょ?」とおばちゃん。
思いやりです!(拍手)

美味しいお好み焼きと温かい思いやりをありがとうございます。

ごちそうさまでした。

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コメント 4

ちょんまげ侍金四郎

ありがとうございます。
なんか広島焼きが自分で出来る気がしてきました(笑)
関東だと自分で焼くのが当たり前ですけど、広島焼きは無理だと思っていたんです。
でも、いいですね~広島焼き、広島行きたくなってしまいました。

by ちょんまげ侍金四郎 (2013-02-02 09:30) 

とんちゃん

> ちょんまげ侍金四郎さん
よろこんでいただいて、わたしもうれしいです。
広島焼き、美味しかったです。
でも食べるときは、やけどに注意しましょうね。

by とんちゃん (2013-02-02 12:43) 

式守錦太夫

もう連続写真というより、動画の中抜きみたいで、
作られる工程がよくわかります。
でも本当に特等席だったんですね。
おばちゃんの笑顔が素敵です。
by 式守錦太夫 (2013-02-06 22:53) 

とんちゃん

> 式守錦太夫さん
書き忘れましたけど、
作成過程の写真を撮ってもいいですか?って伺ったら
「顔を撮らないで、手だけにしてね。」って言われたんです。
普通のお好み焼きだと、混ぜた生地を鉄板に載せて、あとはひっくり返すだけ、みたいな感じですけど、おばあちゃんの焼き方は、休む暇がないんです。
なもんで、結果的に連続写真になっちゃいました。(笑)
帰り際にお店の写真を撮ったら、あの笑顔。最高です。
by とんちゃん (2013-02-07 07:52) 

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