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エゾシカを食べよう [ 北海道と食]

<本日2つめのお題です。>

北海道独特の動物というと・・キタキツネ、ヒグマ、エゾシカが有名でしょうか。エゾリスや海獣のトドもいますね。
そんな動物による被害というと、札幌市内にヒグマが出没なんてニュースが有名かも。

しかし実はもっと深刻なのは、エゾシカによる農産物や樹木の食害なんです。
その対策のため、エゾシカの駆除(狩猟)が行われています。
でもそれだけでなく、獲ったエゾシカを食べることが重要だ、と考えています。

1:「フレペの滝で自然探索 エゾ鹿の害はひどいもんだ」http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2010-08-22-4
では、知床での体験を少し紹介しました。

2:「エゾシカ肉を食べる」http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2009-11-26-2
では、エゾシカを食べながら、エゾシカの食害について触れました。(後ほど再掲します。)

2013年2月5日の朝日新聞朝刊に、「エゾシカを撃って食べる女性の会」なんていう、まさにピッタリの記事が載っていました。
それで、その記事と以前のブログ記事(2)を紹介します。

まずは、朝日新聞に掲載された記事から。http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302040603.html
(登録しないと記事全文が読めないので、引用します。著作権上問題があれば削除します。)

「(ひと)松浦友紀子さん エゾシカを撃って食べる女性の会「TWIN」代表」

きゃしゃな体とは不釣り合いな猟銃で狙うのはエゾシカだ。仕留めた獲物はローストにしたり、煮込みにしたりして食卓に載せる。
深刻な農林業被害をもたらすエゾシカ。対策として「エゾシカを森林資源として暮らしの中に取り入れていくことが必要」と語る。
仲間に呼びかけ、北海道の女性たちで昨秋、「The Women in Nature(TWIN)」を結成。メンバー31人のうち19人がハンターで、目指すのは「shoot & eat」だ。
千葉県の高校から北海道大学理学部に進み、エゾシカの生態を学んだ。卒業後に再入学した医学部では、感染症研究のため、全国の野生シカを千頭以上調べた。
研究には捕獲が必要で猟銃免許を取得。猟友会の人たちと食べるシカ肉料理にもはまった。今は森林総合研究所北海道支所の研究員としてエゾシカ管理に取り組む。
メンバーの栄養学者は「エゾシカ肉は高たんぱくで低脂質、鉄分も豊富。まさにヘルシー」と話す。しかし、狩猟時に血抜きなどの処理をきちんとしないと臭みが残る。肝心なのはハンターだが、高齢化で減る一方。だからTWINを立ち上げた。
夫は狩猟管理学の研究者。銃の腕前はどちらが上かは微妙だが、「撃つことも、家庭にシカ肉料理を広めることも、何事にも積極的な女性の力が欠かせない」。(文・写真 奈良山雅俊)

まさにエゾシカを狩猟してシカ肉を食べよう、ってことです。

記事の中に「深刻な農林業被害」とありますけど、どういう内容かは紙幅の制約からでしょうが書かれていません。
で、以前のこのブログの記事を再掲します。

 「エゾシカ肉を食べる」http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2009-11-26-2

北海道では、すでに全域で52万頭以上のエゾシカが生息していると見られているそうです。
これは多すぎなんです。
非常に増えすぎたエゾシカのために、牧草、水稲、樹皮などを食い荒らす農林業被害が年間40億円規模に及んでいるとか。
そのため北海道庁では、「1年間に少なくとも7万6000頭のメスを捕獲しないと、全体の個体数は減らない」としている。
しかし実際のメスの捕獲数は4万頭前後で推移しているようです。

なぜそうなのかっていうと。
1つは、狩猟するハンターの問題。
ハンターが減少して、ピークの78年には2万人だったハンターは、現在5700人まで激減している。
しかも高齢化して、運搬や解体が大きな負担になっている。ということらしい。

だから狩猟だけでない別の方法を使わないといけない。

別の問題がもう1つ。
エゾシカを駆除するのはいいが、そのエゾシカを廃棄するだけでいいのか、という反省です。
ヨーロッパでは、シカや野ウサギ、マガモなど野生鳥獣の肉は「ジビエ」と呼ばれて高級食材とされている。
だから日本でも、その鹿を有効活用しよう、要するに生息数を適正に管理して、捕獲したものは「食べよう」ってことが提唱されてきた。

1999年にエゾシカ協会、2004年に社団法人エゾシカ協会が設立され、そういう活動が行われてきた。
北海道もエゾシカの活用に支援をするようになっきているようです。

ところでヨーロッパでは珍重されている野生動物の肉を日本人が口にしないのは、食文化の問題もあるけど、実は制度的な制約が大きいんです。
屠殺・解体や運搬、流通販路などにいくつも課題があって、野生動物を一般人が食べるのは難しいのです。
肉屋で売られている、牛、豚等は、日本では「と畜場法」にもとづいた検査(と畜検査)がないと、と畜できない。
ところが野生動物はその対象にはなっていない。
だから自由にと殺・流通できるかっていうと、実はまったくその逆。

疾病確認や解体時の衛生対策などの法定な基準がないから、通常のと畜場ではと殺できない。
だからといって自分でと殺しても、今度は正規の食肉ルートには載せられない。流通ルートを自ら築かないことには販売できない。

北海道はそういうことがあるから「エゾシカ衛生処理マニュアル」を2006年に策定した。と畜方法のルール化ですね。
そしてエゾシカ肉の需要を喚起して、流通ルートを拡大する。
そんな動きが少しづつできてきているみたいです。

そうした動きと平行して、生体捕獲した エゾシカを一時飼育し、その肉を売る、ということが行われるようになってきて、その肉を使ったレストランも増えている。
今回、私が食べたエゾシカ肉は、そうして流通するようになった肉なのでしょう。こういう肉だと、一般の日本人でも美味しく食べることができると思います。

とはいえ、そうした生産・流通まだ頭数は少ないし、一部の部位しか活用されていないので単価が高くつくようです。
北海道に行ったら、ぜひエゾシカを食べて、適正な鹿の生存に協力しましょう。
(引用、以上)

ここまで、記事を書いていたら、なんと。
1:「フレペの滝で自然探索 エゾ鹿の害はひどいもんだ」http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2010-08-22-4
にコメントがついたんです。

一般社団法人日本オオカミ協会(http://japan-wolf.org/content/faq/)というところがあって、オオカミを再導入しようなどの提言を行っているようです。
対象は北海道だけではなくて、日本全体です。

この提案はまじめに検討するべき内容だと思いました。
知らないことが多いので、これを機会に勉強してみようと思います。


 
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ちょんまげ侍金四郎

もう潰れてしまったのですが、地元にエゾシカの刺身を出していた居酒屋がありました。
物珍しさで何度か食べたのですが、普通に美味かったというかニンニク醤油で食するので、食感を楽しむ感じで味はあまり分からなかったといったほうがいいかもしれません(笑)

by ちょんまげ侍金四郎 (2013-02-06 09:00) 

とんちゃん

> ちょんまげ侍金四郎さん
エゾシカの刺身!
臭みがなかったってことは、きっとちゃんと血抜きがされていたんですね。
シカ肉って本来は淡白ですもんね。
食べてみたいなぁ・・・E型肝炎が心配だったりもしますけど。

by とんちゃん (2013-02-07 07:42) 

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