SSブログ
 

気さくな女将が勧める日本酒に酔う 木こり@経堂 [ 東京飲みある記]

宴会があって、小田急線経堂駅に流れてきました。
駅北口の西(左)には経堂コルティの大きなビルがありますけど、線路に沿ってさらに西に進むと、飲み屋がいくつも並んでいます。

そこにウッディーなお店がありました。

「酒処 木こり」さん。
「酒処」なぁんて謳ってあると、こりゃ日本酒がありそうな感じですよ。
今夜はここにしましょう。

店内はさらにウッディーで、ログハウスにでも入った感じ。
お客さんがかなり入っています。
壁じゅうに客達の写真がベタベタいっぱい貼ってある。
農大関係者がひいきにしている感じ。ってことは、いい店に入ったようですよ。

二次会だけど、まずは生ビールで乾杯だ!
おっと、凍てついたジョッキに生ビールが入ってきた。
こういうキンキンに冷やされたジョッキのビール、大好き!(笑)
そしてね、こういうサービスをするお店もいいお店が多いんだよ。

お通しは、ワカメと切り干し大根?
いやいや、切り干しみたいなものには、なんと!「目」がある!
シラスとワカメの和え物だ。これはいい。

料理は、居酒屋メニューがいろいろ。

壁に【本日のおすすめ品】が掲げてある。
やっぱりこれを注文するのがいいんだろう!

根室のサンマ刺 630円
〆さば 590円
たこ刺 460円
ふむふむ、ここらあたりがいいかな。

おしんこ450円。
漬け物が食べたい、っていう人のためにオーダー。
白菜漬けに鰹節がたっぷりかかっている。
これは旨い漬け物だ。

たこ刺。

〆さば。
さっと絞めた自家製の〆さばは、活きが良くて旨い。

さぁて、日本酒をいただきましょうか。
酒のリストには、いろいろ書いてある。
おや「ログハウス 木こり」って書いてある。
ここは、やっぱりログハウスを演出していたんですね。

もちろん自分の好みの酒を自由に選んでいいんですよ。
でもここにも、気っ風のいい、飲ませたがりの女将がいるんですよ。(笑)
酒の好みを伝えると、次々に日本酒の銘柄をチョイスして推薦してくれます。
だから女将にお任せしました。

まず最初は「十一正宗のさくら酵母仕込みね!」と選んでくれた。
壁に、そのラベルが張ってある。
栃木県矢板市の森戸酒造の酒。

「さくら酵母」ってなに?
後で調べたら、秋田県二ツ井町の桜の花から分離した酵母なので「さくら酵母」だそうです。
花から酵母がとれるんですね。
花から分離した天然酵母を「花酵母」と呼ぶんだそうです。

半合くらいのグラスに、女将が酒を注いでくれる。
なんと!桜の花の香りがかすかにするお酒ですよ。ビックリ!

ってのは、ウソ!(笑)
香りは吟醸酒のようで、まろやかな口当たり、そしてキレが良い辛口の酒。上品で旨い。
これも後で調べたら、「とちぎ酒(さけ)14」という栃木県オリジナルの酒造好適米を吟醸規格(精米歩合60%)まで精白したものだけを使ったお酒だそうです。
どうりで吟醸香があったわけです。

【今月のおすすめ】という酒のリスト。
この店のお酒はみんな、東京農大短期大学部の醸造学科酒類学研究会が分離した酵母を使っているんだそうです。
詳しくは最後にまとめて書きます。

根室のサンマ刺。
これまた新鮮で脂がのっていて、実に旨い。

イカ姿焼き580円。

お酒は、「もっと日本酒がいいのね?」と女将に確認されて、日本酒をいろいろ飲ませていただきました。

2杯目は、配膳口の暖簾にもなっている「井乃頭」。
長野県伊那市にある漆戸醸造の酒。
HP:http://urushido.co.jp/
井乃頭はもちろん東京の井の頭公園に因んだ命名。長野でなんで井の頭なのか?はHPをご覧下さいませ。

3杯目は「山法師日々草」。
山形県村山市の六歌仙酒造協業組合の酒で、「日々草」の花酵母で醸造した酒。
HP:http://www.yamagata-rokkasen.co.jp/

4杯目は、「夏子の酒ゆかりの蔵」と云って出された酒。きっと「清泉」です。
新潟県長岡市の久須美酒造の酒。
「幻の酒米」を復活させるという尾瀬あきらの漫画「夏子の酒」のモデルになった蔵元なのは有名ですね。
その「幻の酒米」とは、もちろん「亀の尾」のこと。
夏子物語という銘柄の酒も造っている。
HP:http://kusumi.e-ippin.jp/

5杯目は「石鎚」。
愛媛県西条市の石鎚酒造の酒。
2012年12月からANA国際線ビジネスクラス機内酒に採用されたそうだ。
HP:http://www.ishizuchi.co.jp/

ボトルの写真を撮ってないので、これ以上の詳しい銘柄はわかんないのが残念。

ここの女将は気さくで面倒見がいい。
独身のHさんに女将が語っている。
「お酒を飲んだときには、身体にいいものもしっかり食べないといけないよ。うちでは、飲んだ後にはぜひ食べてもらっている料理があるんのよ。あなたも結婚したらぜひ奥さんに作ってもらいなさい。」
もちろんその料理をオーダーしました!

料理の名前は「忍法玉つぶし」。
こりゃまたすごく物騒な名前だ。男ならみんな逃げ出したくなる。(笑)

忍法玉つぶし。

ニンジン、ホウレンソウを薄味のつゆで煮たものに、生玉子を落としてある。
生玉子を潰して食べるから、ニン・ホウ・玉つぶし、だって。
緑黄野菜がいっぱいだから、確かに身体によさそうだ。

「このまま食べてもいいけど、〆にはご飯にかけて食べるといいのよ。」と女将。
ぉぉおお!それならご飯も下さい。

というので、ご飯。
丼から皿にあけたドーム状のご飯のテッペンに、凹みがある。

「この凹みに料理を落とすのよ。」と云って、皿から「忍法玉つぶし」を移してくれた。

「混ぜてちょうだい」という女将の指示で、生玉子を崩す。
「いやいや、全部まぜちゃって。」とさらに指示。

「忍法玉つぶし」はご飯とゴチャゴチャになりました。
ぉぉぉおおお!こっ、これは!汁かけ飯だ!
ぶっかけ飯は旨いのだぁ!

お皿に小分けして、いただきましょう。
わっ!これ、旨い!

短い時間でしたけど、ごちそうさまでした。


最後に、このお店の【今月のおすすめ】という酒のリストに載っていた東京農大短大部醸造学研究会が分離した酵母を使ったお酒について、紹介しておきます。

麦焼酎の「花満太郎」:空気中から採取した天然「吟香酵母」。
「福来純三年熟成本みりん」が有名という栃木県川辺町の白扇酒造の焼酎。この蔵元には「花美蔵」という粕取り焼酎もある。 
HP:http://www.hakusenshuzou.jp/

芋焼酎の「花魂」:黒糖から分離した「黒糖酵母」。
同じく白扇酒造の焼酎で、同社の畑で獲れた「紅あずま」を原料にしている。

焼酎「とちあかね」は、「ナデシコ」からの花酵母の麦焼酎とか「ツルバラ」からの花酵母の芋焼酎とか、色々な花酵母を使っている。同じ銘柄で、花酵母を使った日本酒もある。芋焼酎は地元産のサツマイモ「紅あずま」を使っている。
栃木県那珂川町の白相(しらそう)酒造の酒。
HPなし。

米焼酎「花ちよ」 :「ナデシコ」からの花酵母。
山形県村山市の六歌仙酒造協業組合の酒。
HP:http://www.yamagata-rokkasen.co.jp/

日本酒「山法師日々草」:「日々草」からの花酵母。
これも六歌仙酒造協業組合の酒です。

日本酒「十一正宗」:「さくら」からの花酵母。
栃木県矢板市の森戸酒造の酒です。
HPなし。

いろいろあるもんですね。

花酵母は、東京農大短期大学部の醸造学科酒類学研究室が、世界で初めて花から酵母を分離することに成功したんだそうで、いろんな種類の花酵母があるようです。
花酵母研究会:http://www.hanakoubo.jp/

食べログ: ログハウス木こり

関連ランキング:居酒屋 | 経堂駅千歳船橋駅


 
nice!(7)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 7

コメント 2

式守錦太夫

オン・ザ・卵が晩酌に登場とは・・驚きました(笑)
花酵母研究会の方と以前の話をさせていただきました。
花の香りのイメージを持たれるようですが、そうではないんですよね。
すっごく繊細な香りだったような。
酵母に着目するあたりが、農大の引き出しの大きさなのでしょう。

by 式守錦太夫 (2013-04-22 23:29) 

とんちゃん

> 式守錦太夫さん
玉つぶし、美味しかったです。
花酵母ってはじめて知りました。
そしてこのお店は醸造学科御用達みたいなお店でした。
by とんちゃん (2013-04-25 07:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0