めしばな刑事タチバナ:第3話 カンヅメ大舌戦 [ めしばな刑事タチバナ]
今じゃ11チャンじゃなくって、7チャンになったテレビ東京の「めしばな刑事タチバナ」の第3話は、題して「カンヅメ大舌戦」。
脚本:小峯裕之、監督:宝来忠昭です。
その第1部本編で面白かったことを紹介しましょう。
◆「めしばな」のネタ
◆タチバナの熱い語り
◆立花流レシピ
◆タチバナの主張
今回のネタである缶詰の中で、主役はタイカレー缶、やきとり缶、そしてドラマで事件の鍵となっているサバ缶だと思います。
◆「めしばな」のネタ
ドラマの第3話で登場した缶詰を列挙します。
そしてそれが原作ではどこで出てきたかも書いておきます。
メーカー | 商品名 | 味 | 原作 |
いなば食品 | ツナとタイカレー | グリーン、レッド | 第54ばな |
チキンとタイカレー | イエロー | - | |
とりそぼろとバジル(ガパオ) | - | ||
ホテイフーズ | やきとり | たれ味、塩味 ガーリックペッパー味 柚子こしょう味、たれ味辛口 とりたまたれ味 | 第27ばな |
名古屋コーチンやきとり | 塩味 | - | |
ホテイ つぶ貝味付 | 第28ばな | ||
ホテイ つぼ焼風味 | 第28ばな | ||
マルハニチロ食品 | あけぼの さば | 味噌煮 | 第28ばな |
マルハ さば月花シリーズ | 味噌煮、水煮 | 第28ばな | |
あけぼの さけ水煮 | 第28ばな | ||
マルハ いか味付 | 第28ばな | ||
日本水産 | ニッスイ特選紅ざけ | 第28ばな | |
田原缶詰 | ちょうしたのさんま蒲焼 | 第28ばな | |
丸水 札幌中央水産 | マルスイ 鯨大和煮 | 第28ばな | |
はごろもフーズ | シーチキン炙りとろ | 第28ばな | |
竹中缶詰 | 天橋立シリーズ | オイルサーディン | - |
ネタは、第27、28ばなの「カンヅメ夜話」の「その2、3」(第2巻)が中心です。
そこにドラマの冒頭で、第54ばなの「タイカレー缶」(第5巻)のネタが付け加えられています。
ドラマで出てくるのに、原作にないものがいくつかありますよ。
1つは、「いなばのタイカレー」のイエローととりそぼろとバジル(ガパオ)。
これはなぜか?
実は、いなば食品が「ツナとタイカレー」を販売したのは、2011年9月なんです。
グリーンとレッドを同時発売しました。
そしてその後で、「チキンとタイカレー」のイエローを販売したんです。
原作では、『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)の2012年2月2日号で登場します。
いなば食品は「ツナとタイカレー」のことをテレビでも雑誌でも一切宣伝してません。
だからこの時期に取り上げたってのは、かなり早い反応ですよ。
そしてこの漫画への登場が、「ツナとタイカレー」ブレイクの1つの要因になってるんです。
そのことについては、以前紹介しました。
いなばのタイカレーブレイクの軌跡:http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17
そしてその時点では、まだ「チキン」が出ていなかったんですね。
ちゃんと確認してませんけど、たぶんそうなんだろうと思います。
もう1つは、天橋立シリーズのオイルサーディン。
原作では「オイルサーディンは缶詰の元祖だ」という説明があるのですけど、商品の紹介は何もないんです。
オイルサーディンって、そのままご飯のおかずにして食べるようなもんじゃないし、身近な国産品がないから出てこなかったのかな。
オイルサーディンが日本の缶詰開発の元祖だってことが紹介されています。
日本缶詰協会HP:http://www.jca-can.or.jp/handbook/01.html
日本食物油協会のHP:http://www.oil.or.jp/trivia/can.html
◆タチバナの熱い語り
わたしは、タチバナの熱い語りが好きなんだけど、第3話では少ないんですよ。
缶詰をあれこれイチオシするのに終始しているだけって感じ。
まぁ原作でもそんな感じだから、しょうがないんですけどね。
そんな中で、タチバナがイチオシで熱く語るのが、タイカレーです。
◇タチバナ「ツナとタイカレー」を語る
実は私もね、つい先日タイに行ってきましてね。
しかもたった150円で。
(中略)
おまえ、いなばの「ツナとタイカレー」って知ってるか。
グリーンとレッドの2種類あってな、レトルトパウチでも売っいてるんだが、基本、缶詰なんだ。
正直、最初は俺も”ツナ缶のタイカレー味”という括りには何も感じちゃいなかった。
ところがな・・・缶を開けた瞬間、これは傑作だと確信した。
”うまいタイカレー”独特の匂いがプンプンするんだ・・・。
タイ料理の必需品”こぶみかんの葉”も黒々と浮いている。
すぐに誤解に気づいたよ。
これは「ツナ缶のタイカレー味」なんかじゃない
「本格タイカレーの具がツナ」ってことだったんだ!
一口食べて・・・驚いた。
気づけば俺はタイにいた。
いや、本当にそういう気分だったんだ。
あらためてご飯とともに食べたのは言うまでもない。
もちろん、常温で酒のつまみにしてもいいし、パンに乗せてもなかなかいい仕事をするぞ。
専門店に匹敵するディープな味わい。
この缶詰がコンビニで買えたりするんだから、驚くなという方が無理な話だろ。
いなばは、他にもチキンとタイカレー、ほかには、とりそぼろとバジル(タイガバオ)と、もはや社長がタイ人じゃないのと見まがうほどの品揃えで俺たちを楽しませてくれる、いま最も注目している会社のひとつだ。
パンに乗せてもゴキゲンだぞ。
「俺はタイにいた」っていうのは、笑っちゃいます。
確かに、いなばのタイカレーで、タイに行っちゃうってのは、OKです。
とんちゃんも、このタイカレーでトリップしましたもん!
でもこれ、原作にはないんですよ。ドラマのオリジナルなのね。
ここは、第1話で梅もとの薬膳天そばを食べて「中国4000年の彼方に時空移動させてくれた」ってのと同じノリですね。
ところで「チキンとタイカレー」には、イエローの他にグリーンとレッドもあるんだけど、出てこなかったなぁ。
なんで?ツナとかぶるからかな?
この「いなばのタイカレー」については、とんちゃんも色々と研究してみました。(笑)
以前の記事をご覧下さい。
いなばのタイカレー大研究:http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2013-02-13-1
◆立花流レシピ
◇熱々やきとり冷製ジュレかけ
ホテイの「やきとり」について、韮沢課長とタチバナがバトル。
「塩味」を推す”塩味派”の韮沢課長に対して、タチバナは「たれ味」を推す”たれ味派”です。
なぜ「たれ味」支持なのかをタチバナが語り、さらにそれを味わい尽くすレシピを語ります。
タレ派の流儀を語りましょう。
やきとり缶、ひいてはタレ味最大の魅力、それは・・・
ゼラチンです。
課長は温めて食べますか、それとも常温ですか。
(韮沢課長)冬場のゼラチンも悪くないかもしれんが、やはりベストは湯せんして熱々のやきとりの上に刻みネギをかけて食べることだよ。
それも正解ですね。
しかし、熱いやきとりと冷たいゼラチン。一度に両方、楽しんでみたいと思いませんか。
(全員)なんですって!
それが、可能なんです。
お教えしましょう。
まず缶を湯せんします。
ほどほどに温まったら、鶏肉だけ外に出します。
雰囲気を出すため、焼き鳥風に串を刺します。
ここで食べたくなるのをグッとこらえて。
タレの残った缶にラップをかけて冷蔵庫で冷やします。
ここでなによりも大事なことは・・・
いったんテレビでも観て、自分が何をやっているかを忘れることです。
期待のハードルを下げることもこの手のレシピでは大事な行程の1つです。
1時間もすればタレが冷えてプリプリに固まります。
そして鶏肉をトースターで2~3分・・・
この熱々の焼き鳥に、冷え冷えのゼラチンだれをカッカッと盛ります。
これで完成。
熱々やきとり冷製ジュレかけ。
お好みで山椒や七味をかけるもよし・・・。
ここまでやるかー!
原作では「一般的な”焼き鳥”の先入観を軽く超える濃厚な一品です。」とまで言っている。
うーむ、確かにそうかもしれない。
でもすぐその後で「まあ、何度もやるもんじゃありませんが・・・。」なんて言ってボケてたりする。
ところで、タレを冷やしている間に、なぜそのことを忘れる必要があるのか?
ドラマではタチバナが「期待のハードルを下げることもこの手のレシピでは大事な行程の1つです。」と語っています。
でもこれ、どういう意味か、よくわかんないです。
原作にはその理由がもっとハッキリ書いてあります。
「肉もタレも味付けは1つなので、期待しすぎると頭の中で味が完全再現できてしまいます。」
タチバナさん、自分でツッコミしてますよね。(笑)
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◆サバ缶の複雑な関係
主人公タチバナの熱い語りは、今回はこの2つだけなんだなぁ。
なんだか淋しい・・・。
熱い語りはないけど、せっかくなんでサバ缶の複雑な関係について紹介しましょう。
まずは、ドラマでのオシ缶とタチバナの軽い語り。
韮沢課長のオシ缶は「あけぼの さば味噌煮」。
それにタチバナが賛同。
うーん、これはいいですね。
各メーカーが独自色を打ち出そうとする中で、小料理屋のさば味噌煮に近いまろやかさがある。
事件の参考人が推すのは「マルハ さば味噌煮」。
「とてもまろやかなのよ。」と主張する。
と・・・・
しかしおふたりさん、まろやか路線なら、やはり水煮でしょう。
そしてタチバナのオシ缶は「マルハ さば水煮月花」。
ちなみに「月花」とは、東南アジアで等級を表すために使われていた「フラワームーン」に由来する、と説明されています。
というわけで、三者三様ということですかね。
ちなみに「マルハ」と「あけぼの」は、以前はメーカーが違ったけど、今は一緒のメーカーになっちゃった。
でもそれぞれ昔の名前で出ているので、今は銘柄の違いなんです。
ここのところは、原作では参考人が出てこないから、韮沢課長の「あけぼの さば味噌煮」とタチバナの「マルハ さば水煮月花」との単純な対立になっていて、もっとわかりやすい。
いやしかし、なんですよ。
実は、原作では、ドラマ以上にもっとややこしいことになっているんです。
韮沢課長とタチバナが、味噌煮か水煮かの対立構図の場面です。
そしてその次ぎに、両者がオシ缶を挙げる。
韮沢課長が「あけぼの さば味噌煮」、タチバナが「マルハ さば水煮月花」ですね。
ここはドラマと同じ。
しかなんですよ、しかし。
もう一度、前の2人の対立場面をご覧下さい。
気がつきましたか?
そうなんです。
背景は、韮沢課長が「マルハ さば味噌煮月花」、タチバナが「あけぼの さば水煮」なんですよ。
味噌煮と水煮の対立は変わってませんけど、銘柄が違っているんです。
「マルハ」でも「あけぼの」でも、どっちもいい、味噌煮と水煮の違いなんだってことなのかもね。
でもこうなると、ドラマに出してもらえなかった「あけぼの さば水煮」は寂しがっているかも。
以下に楽天市場のリンクを掲げますけど、マルハだけです。
楽天に「あけぼの」のさば水煮も味噌煮もどっちもないんですよ。
「あけぼの」よ、どーしたー!
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