豊富なバリエーションの天ぷらが24時間 一由そば@日暮里 [ 東京ランチ]
突然ですが、最近出版された『ちょっとそばでも 大衆そば・立ち食いそばの系譜』という本をご存じでしょうか。
「路麺大帝」の異名を持つ坂崎仁紀さんが、35年かけて食べ歩いた大衆ソバ屋を本にまとめたんです。
最近、すっかり立ちソバに填っている知人のYさんが、その坂崎さんが登場したネットラジオの番組のアドレスを送ってきました。
TBSラジオ「荻上チキSession22」2013年11月5日
http://www.tbsradio.jp/ss954/2013/11/20131105session.html
この番組、TBS前の「吉そば」をスタジオに持ち込んで食べたりするもんだから、もうそれだけで立ちソバを食べたくなってしまう。
問題は、その番組の中で坂崎さんが想い出に残ったお店の1つとして日暮里のお店を紹介したことなんです。
24時間営業のお店で、店主が20時間働いている、というすごい店。
しかも庶民派そばの代表格で、ゲソ天そばはムラサキイカという太めのゲソをカラッと揚げていて、最高に旨くて「ヤバスギ!」だ、と言っているんです。
聞くだけで、その店のソバを食べたくなるよ!
その翌日のことなのです。
たまたま午後からの出社。会社近くでメシでも食おうか・・。
電車の中では、原稿をチェックしたりして仕事に余念がない。(エライ!)
ふと、車窓から外を眺めると・・・列車が北千住駅を出て行く。
あっ!と思ったときにはすでに遅し。
迂闊にも乗換駅を乗り越してしまった。(〃´o`)=3
このまま電車に乗っていると・・・日暮里に着く。
日暮里!(*゚Д゚*)ェ…
その名が浮かんだとたん、これは神の啓示だと悟りました。
あのお店がある駅へ電車が勝手に向かっている。(乗り過ごしただけですが・・)
こうしてとんちゃんは、神の啓示に従い日暮里駅を降りることになりました。
尾久橋通りを西日暮里方向へ進む。
交差点の近くに来ると・・・
甘いカツオの香りが醤油の香ばしさをまとって空中を舞っているじゃないか!
目的地に近づいていることが鼻腔から感じられます。
その角を曲がると・・・
「一由そば」さん。
ここですね。
表にメニューが掲げられている。
ジャンボゲソ天とかはないなぁ・・・。
壁に張られたポスターに【当店ベスト5】がある。
No.1 ゲソ天
No.2 ジャンボゲソ天(出たぁー!)
No.3 ゲソ天・半分紅ショウガ天
No.4 紅ショウガ天
No.5 ゲソ天・玉ねぎ天
いろいろありますねぇ。
店内のメニュー。
しかしこのメニューだけで天ぷらのネタは表しきれない。
ネタケースにズラッと並んだネタ。
これがこの店の本当のメニューの姿なのです。
しかしそれでは大いに迷う・・・。
実は、オーダーは決めていたんです。
おや?
神の啓示によって、偶然にも今日ここに来たはずなのにオーダーを決めていた?
いえね。来ることは決めていなかったんです。
けど、もしも行くことがあったら、これにしようって決めていたんです。
自分で言っていても、よく意味のわからない行動です。
というわけで、オーダーするメニューを決めてあったんです。
◆ジャンボゲソ天・紅ショウガ天ハーフ
これが決めていたオーダーです。
ネギはカウンターの置いてあって、とり放題です。
ジャンボゲソ天はその名の通りジャンボだ。
薬味は、通常の七味唐辛子に加えて輪切り唐辛子が置いてある。
しかも輪切り唐辛子には、乾燥した種がいっぱい入っている。
唐辛子はこの種が辛いんです。だからこの輪切り唐辛子は絶対的に辛いはず!
一番奥はすりゴマです。
割り箸は箸立てに2段のタワー状に立てられている。
ではいただきます!(合掌)
ソバはゆで麺を湯がいたもの。
黒い色をした汁は意外にも濃すぎず、出汁が効いて実に旨い。
カツオだけではなくサば節などを使っているんだろうか。
このお店、単に種物勝負ではなく、この汁の旨さに拘っているようです。
ジャンボのゲソ天。
イカゲソは、太くてコリコリ・シコシコに固い。
すごく旨いけど、噛むのに骨が折れる。
ところで坂崎氏が「ムラサキイカ」だと言っていたこのイカ。
和名は「アカイカ」なんですけど、イカの呼び名はちょっと面倒なんで、詳しくは最後に書きましょう。
紅ショウガ天のハーフ。
確かに丸い天ぷらを半分に切ってある。
味は、当然ですけど酸っぱくて辛い。なかなか刺激的で旨い。
1個だと刺激が強すぎるから半分がいい感じです。
このそばの汁が実に旨かったです。
おかげで完食してしまいました。σ(゚ー^*)
さてこのお店のメニューは実に面白い。
目安箱があって、意見を投稿できるんです。
これに希望のメニューを書いてもいい。
実際に客がリクエストしたメニューからレギュラーになったものがある。
今回いただいたジャンボゲソ天も紅ショウガ天もリクエストから生まれた種物なんです。
一次的に出されたけどレギュラーにならなかったリクエスト品もあります。
今後予定ってのもある。同じ名前が並んでいて、よくわからないけど。
JKBというメニューもある。
「ジャンボかき揚げB」って書いてあるけど「ジャンボかき揚げ・紅ショウガ」の略みたい。
【女子栄養大学短期大学部】の「あらかわ満点メニュー」に、サラダそばが選ばれたそうです。
メニューのどこにも書いてないけど、ホントにあるんだろうか?
きっと、できるもんならなんでも作るよ、っていう深夜食堂みたいなお店なんですね。
ごちそうさまでした。
ムラサキイカについて。
このお店のゲソ天のイカは、「ムラサキイカ」だと坂崎さんは語っていました。
そのムラサキイカは、和名は「アカイカ」です。
外見がスルメイカに似た50㎝にもなる大型のイカ。
熱帯性のイカで、夏に関東や北陸まで北上してくるそうです。
ところが伊豆では、ケンサキイカのことを「アカイカ」と呼び、東京市場でもそうなもんで、それと区別するためにアカイカを「ムラサキイカ」と呼んでいるそうです。
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お店とお客さんの双方向のコミュニケーションが図れるのはいいなあと思います。
自分の意見が反映するなら、また来たいと思わせますもの。
「とりあえずやってみる」って姿勢は、立派だなあと思います。
店主さん、きっとお店が好きなんでしょうね!
by 式守錦太夫 (2013-12-17 19:35)
> 式守錦太夫さん
まさに「お店とお客さんの双方向のコミュニケーション」。
すばらしい仕組みです。
店主は店を愛している、そして客を愛しているんでしょうね。
by とんちゃん (2013-12-25 12:24)
とんちゃん日記 一由そばで検索して直ぐ見つかりました。
紅ショウガ天、美味しそう。。。
10/1から1玉20円値上げってツイッターに書いて有りました。
by stk (2016-09-30 21:07)
> stkさん
わざわざ見つけていただき、ありがとうございます。(^^)
通勤ルート上にないので、なかなか立ち寄りにくいんですが、どれも美味しそうなんです。
紅ショウガ天は関西では定番の種物らしく、ここのは紅ショウガがいっぱい入っていて、旨いですよ。でも辛いです。
by とんちゃん (2016-10-01 09:02)