名取市閖上地区のいま：とんちゃん日記1：So-netブログ

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仙台市荒浜地区のいま｜宮城県山元町のいまブログトップ

名取市閖上地区のいま　[３．１１以後] [編集]

昨年末に宮城県名取市閖上（ゆりあげ）地区を再訪しました。
１年前の記事：http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2012-11-01-3

仙台市の南にある名取市。

閖上地区は名取川の河口にある地域。

被災前の航空写真です。
名取川河口や海岸沿いに市街地がありました。
写真の下の方にある横長のものは仙台空港。

（日本地理学会津波被災マップより。）
赤が津波の到達地、紫が住宅の多くが流された地域です。
津波は５キロくらいの内陸にまで達しています。

海岸沿いの市街地がすっかり消滅してしまいました。

名取川河口の閖上地区の被災前の様子。
びっしり住宅が並んでいました。

被災後の閖上地区。
津波で中央の堀と西側の道路の間にある市街地まで消滅してしまいました。
この閖上地区では住民7300人のうち、およそ750人が津波の犠牲になりました。

写真中央にある「＋」のあたりに神社がありました。

小山に神社があったんです。

ブロックで「閖上」という文字がつくられています。

小山への階段脇に被災前後の写真が掲示されます。

被災前の閖上地区を海側（東側）から撮ったもの。

そしてこれが被災直後の状況。
全てが消失し、広い土地が海水に浸水されている。
ここからかつての町並みを想像することは、もはや困難と思います。

かつて小山の上にあった神社の写真もありました。
この神社もいまでは消失しています。

しかし神社が、ほんの小さな社が再建されていました。
この地域は建築制限がされているので、建築物ではないこうしたものしか設置できない。

脇に説明の立て札があります。

総代でもある被災した宮大工さんが奉納したものだそうです。
改めて合掌しました。

階段を下りるときに、やっと気がつきました。
手すりが新設されているんです。

全国の方々の支援で設置されたそうです。（合掌）

丘の周囲は、かつてあった住宅の土台があるだけです。

しかしその土台の脇に花が植えられていたりしいる。
ここに住んでいらしゃった方々などが、こうして記憶を絶やさないようにしてるのではないかと思い、胸が熱くなります。

昨日記事にした仙台市荒浜地区では、市が出した移転の方針に現地再建を求める住民グループが対立していました。
ここ名取市閖上地区では、市長が現地再建の方向を決めましたが、移転を望む市民と対立してきました。

名取市では震災からほぼ半年後の2011年10月に閖上地区をかさ上げする現地再建の計画を打ち出し、それは被災自治体の中で最も早い計画決定だった。
閖上出身の佐々木市長は当初から現地再建の意向を固めていたといわれる。
しかし市が住民に直接説明したのは翌春で、住民からは内陸移転の希望、計画見直しを求める声が相次いだ。

第19回閖上復興まちづくり推進協議会：http://www.city.natori.miyagi.jp/fukkoukeikaku/node_14998/node_26296

図の右側の青枠部分は集団移転地区、赤枠部分は現地再建地区（区画整理地区)です。

しかし先の写真のように、中央の堀と西側の道路の間にある市街地は消滅しています。ここを土盛りして現地再建することに異論が出るのは当然と思います。

2013年10月31日に開催された宮城県都市計画審議会で内陸移転の意見書は不採択となりましたが、住民の合意形成や移転先整備の努力など被災者感情への最大限の配慮を求める建議と付帯意見が付けられました。
河北新報記事：
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131101t11029.htm

ともあれやっと復興へ向けた実行が行われることになりました。

ここから少し南に行くと・・・。