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列車の空席をめぐる仁義なき戦い [雑記]

出勤途上の電車の中。
できれば座席に座りたい・・・そう思いながら立っている人が多いことでしょう。

さて、駅について座席に座っている人が降車すると・・・
その正面に立っていた人が空いた席に座る。正面の人が第一優先者。
これが暗黙のルールでしょう。

次の駅で降りるからとか、年配者に譲りたいんだと思ってか、その第一優先者が立ち続けていると、その横の人が空席に座ってもいいのでしょう。

空席が自分の正面ではなく、隣に立っている人との中間あたりにあった場合は、ちょっと難しい状況になります。
第一優先者がはっきりしないから、2人の間に葛藤、無言の戦いが始まります。
ここで相手を無視して座るような人はこの戦いに勝てます。
しかし良識(?)ある人同士の場合は、どちらが座るか互いの様子を探りあう
その静かな戦いの結果、どちらか席をとる。

もしもここで、相手が「どうぞ」なんて言ってくれれば、それじゃぁお言葉に甘えて、なんて座れる。
相手が自分は座らなくてもいいよ、という態度をとっている場合にも、こちらが座ることができる。
でも、そんなことはなかなかない。

「いいですか?」なんて声をかけると、相手は「ダメ」とは言いづらいでしょうから、座ることができるかも。
しかし相手が、自分も座りたいなぁ、というそぶりをしているときに、そんな攻撃をしかける人は、かなり図々しい御仁です。

でも、ときどきそういう攻撃をしかけられることがある。
そういうときは、つい「あっ、どうぞ。」なんて言ってしまう。
そして言ってしまってから、これは失敗したなぁ、なんて後悔する。

よし、次回は先にこっちから「いいですか?」って聞いてやろう。
なんてことは、実はわたしはあまり思わない。
ああいう図々しいやつにはなりたくないなぁ・・・そう負け惜しみをするんです。

と、以上は前振り。
そんな攻撃のかけあいは、実はとっても可愛い、大人しい対戦なのです。

わたしがこれまでに見た、そして実際に体験した戦いを2つ、ご紹介します。
戦いは帰路ではなく、やはり出勤時に起こります。

・ある突撃戦
空席を2人で取り合いになりそうなとき。
あなたはどうしますか?

ちょっと躊躇して相手の様子を伺う。気の弱いとんちゃんはそうしてしまいます。
しかし世の中には、突撃戦を敢行する人もいるんです。

そして事件が起きたんです。

・あるミサイル攻撃
空いた席の正面に立っている人がその席にすわる。
これは暗黙のルールと思っていました。
しかし時にはそのルールを無視して、隣や後の人が身体を割り込ませてくることがあります。

しかしもっと離れた位置から空席を略奪する驚きの攻撃方法があるんです。

◆ある突撃戦

ある日の出勤途中でのこと。
駅について多くの乗客が降りたので、座席に空席ができました。

そこに新たな客が乗り込んで、空いた席に座ろうとする

そのとき事件が起きました。


(写真は「座席探訪」さんのものです。)

乗っていた車両はボックスシート。
乗降口脇に、ボックスの背もたれとの間に2人掛けの席があり、その背もたれ側(写真の右側)の席が空いていました。

乗り込んできた客の中に、それを見つけた人が2人いたんです。
片方は40歳代、もう片方は30代後半くらいのどちらも女性。
1人は座席の右側から、1人は座席の左側から、その空席に向かった。
空席までの距離はどっちも4mくらい。

細かいことをいいますと、座席のすぐ脇の乗降口には降車客がいたので、そこからは客が乗り込んでいない。
その両側の乗降口から乗り込んできた客が、空席を発見したんです。
だから発見時に空席までやや距離があった。

2人は、両側からその空席に向かって急ぐ。
そこで2人は、互いに相手の存在に気づいた様子なのです。

2人の距離が縮まったとき、立ち止まって互いの様子をうかがう。
とんちゃんはそう思いました。自分ならきっとそうするだろうから。

しかし、2人は違った。
互いの存在に気づいた2人は、立ち止まるどころか、ダッシュした。

えっ!( ̄□ ̄;)!!

ぶつかるぞ!

ドン!

まさに2人がぶつかる音がした。
2人は空いた席の前で、互いの身体をぶつけたまま静止している。
しかし左から攻撃した女性が身体半分早く到着し、割り込ませた右肩で右から攻撃した女性をブロックしながら立っている。
右から攻撃した女性は、きっとボックスシートの背もたれに邪魔されたせいで僅かに遅れをとったのでしょう。

こうして左からの女性が勝利し、席に悠然と座りました。

負けた右からの女性は、恥ずかしさと悔しさで、その場を離れて・・・
と思ったら、座った女性の前にしっかり立ちました。

空席へ向かう躊躇のない突進。しかも敵を迎えての孟ダッシュ。
そして勝者は悠然とし、敗者も平然としている。

この激しいバトルを観ていたとんちゃんは、驚きました。
自分には絶対に真似のできない世界があることを知りました。

 

 

◆あるミサイル攻撃

この容赦のない座席争奪戦を見ていて、かつての記憶が甦りました。
それはとんちゃん自身が巻き込まれた座席獲得攻撃です。

ずいぶんと昔、出勤途中の電車の中でのこと。
とんちゃんの正面に座っている人が降車しようとしています。
暗黙のルールからすると、とんちゃんが第一位優先者であることは明白です。
だからわたしの両側の男性は身体をピクリとも動かしません。

わたしは座っていた人が立ち去った後、その席に座ろうとしました。
しかしそこに油断があったんです。

座ろうかなと思った瞬間、右側から何かが延びてきて・・・

ポタン!

何かが、その空席に飛んで落ちました。

いったい何が落っこちたのでしょう。

よく見ると、落ちた物は女物のハンドバッグなのです。

えっ!(*゚Д゚*)ェ…

ハンドバッグがどこから?

延びて来たものをよく見ると腕なのです。
そう、それは女性の腕なのです。

その腕が、空席にハンドバッグを投げたのです。

事態が飲み込めないまま、その腕の主に目をやると・・・
2人置いたその向こうに女性が立っていました。30歳前後の。
そして彼女は、立っている2人の男性の前をスルスルと抜けてわたしの目の前にやって来て、座席のバッグを取り上げ、その席に座り込むと、目をつむって睡眠の体制に入りました。(激しくお疲れだったのでしょうか?)

かくして第一優先者を押しのけて、はるか3人も先の客が空席を奪取したのです。
この予測しえなかった新手の攻撃に、わたしはかなり驚きました。
いえわたしだけでなく、右隣の2人も無関心を装いつつ、かの女性に一瞥をくれていました。

飛び道具を使って遠方の座席を攻撃する戦法。それは中距離ミサイル並みの攻撃力。
しかもターゲットが出現するや否やの速攻。宣戦布告のないルール無視の強襲。

次回、この攻撃があったらガシッと腕を捕まえてやろうと思いました。
しかし幸いなことに、この攻撃に再襲されてはいません。


 
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コメント 2

ちょんまげ侍金四郎

こういった争いって中年女性に多いですよね。
なんか見ているだけで情けないと感じてしまいます。
by ちょんまげ侍金四郎 (2014-02-10 08:22) 

とんちゃん

> ちょんまげ侍金四郎さん
ミサイル攻撃は、もちょっと若かったんです。
せっかくだから情けない、呆れる行動を集めてみようかなぁ。
全然、役に立ちそうにないけど。
by とんちゃん (2014-02-11 06:07) 

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