ホッとくつろげる場がここにある 皆様食堂@神戸市三宮 [ 愛しき食堂]
神戸市に行った時のこと。
三宮駅のガード下に魅力的なお店があるようなので向かいました。
「皆様食堂」さん。
「皆様食堂」なんていう店名も大衆的なら【家庭の延長】というコピーもいかにも大衆的。
白い暖簾がいかにも「食堂」の雰囲気。
「食堂」っていうんだから食事をするところ。でも当然、お酒もいただける。
っていうか、それが目的でやって来ました。 (o^-^o)
ちなみにセンタープラザ側から見ると、ひっそりとした外観。こっちは裏口です。
お店に入ると、10人ほどが座れるU字型のカウンターが店内いっぱいに伸びている。
この雰囲気は古典的な居酒屋です。
U字カウンターの中に立っているのは、年をとったご主人か、あるいはおばはん、というのが相場です。
ところが!
そこにいたのは、な、なんと若い女性!
しかも美人の若い女性なのです!
入り口を入ったとたんにビックリです。
おっと、入り口に立ち止まっていてはいけません。自分の席を探さなければ。
カウンター席は半分くらいが埋まっています。
みなさん常連さんのようで、わたしのような一元客はどこに座ればいいか・・・。
とりあえず空いている席に座りました。
◆瓶ビール
まずはビールをオーダー。キリンラガーです。
ビールを飲みながら考えました。
この店は、完全に予想を裏切られた。いや、いい意味で裏切られたのです。
きっと世代交代されて、若いご夫婦が切り盛りしているのでしょう。
ということは、この店がそれほどまでに客に愛されているということを物語っています。
今夜はいい店に来た。そう確信しました。
先客を眺めると、それぞれ思い思いに酒を飲んでいます。
常連同士で話しをしている人、若女将と話している人、スポーツ新聞を眺めている人、文庫本を読んでいる人。
さまざまですけど、それぞれが自分のペースでこの場にいることを楽しみながら酒を飲んでいるようです。
ビールを飲みながらメニューを眺めます。
食堂ですから食事のメニュー。
御飯が中が150円で、大小はわずか10円違い。
ちなみに「小」は、ご飯茶碗じゃなくて丼飯なのでご用心。
玉子丼400円、親子丼480円等の丼物。安くて旨そう。
さすが食堂、焼きめしがある。
うどんの種類が多いなぁ、ハイカラ、とじ、こぶ、肉のうどんがある。
「うどん」はあるけど、「そば」はない!焼きそばは、蕎麦ちゃうからね。
汁物がまたずいぶん色々ある。味噌汁、しじみ汁、玉子汁、ワカメ汁、肉汁に豚汁、野菜汁、玉吸、ワカメスマシにオボロスマシ。
そして豆腐イタメにモヤシレバーイタメなどなど。
ビール大490円、清酒380円だ。
そして壁には年季が入って黄色くなった短冊にかかれたメニューがいっぱい。
こんだけたくさんある中から料理を選ぶのは容易じゃない。
目の前に大鍋があって「おでん」が温められている。
ではまずおでんをいただきましょうか。
◆おでん
おでんと言えば・・・大根です。(o^-^o)
汁の色が醤油を入れたような茶色をしています。
でも違うんですって。永年、出汁を継ぎ足しているうちにこんな色になったんですって。
大根の中に半分くらいまで汁が染み込んでいます。
大根をつまみながらビールを飲んでいると、この店の居心地の良さを感じてきます。
そのとき気が付きました。
とんちゃんが店に入ったとき、何人もの常連さんたちがいたのですが、誰もわたしに一見客向けの冷たい一瞥を投げかけなかったことを。
この店は小さいけれど、常連が我がもの顔で店を占拠している雰囲気がないんです。
だから一見客のとんちゃんでも居心地がいいのです。
ビールを飲みきりそうになるので、さて次は何に・・・燗酒だな。
おねえさんに燗酒をオーダーしました。
おねえさんが日本酒をチロリ(!)に入れて、湯の入った鍋におきます。
◆燗酒
チロリに入った日本酒です。いいなぁ、これ。
さらにこのお店が好きになって来ました。
隣の客が食べている魚が旨そうだけど、なんていう魚なんだろ。
メニューの短冊を見たら「いかなご」がある。あぁ、これだなと、おねえさんにオーダーしました。
すると、おねえさんが壁に向かって、口に手を当ててなにやら話したのです。
何をやってるの?
よく見ると壁から筒が出ている。こ、これは伝声管だ!
厨房が2階にあって、そこにオーダーを伝えるために伝声管を使っているようです。
おねえさんは、この伝声管を両手で包んで、その手に口を当ててオーダーを叫んでいたんですね。
◆いかなご
10数センチもあるイカナゴ。大根おろしとレモンが添えられています。
稚魚は東日本でコウナゴ(小女子)、西日本でシンコ(新子)と呼ばれて、佃煮の釘煮にされたりしますけど、こんな大きいのがあるんですね。
すっとぼけたような、ひょうきんな顔をしています。
また一人、常連さんがいらっしゃいました。
「やぁ、先生。待ってましたよ。」
「おっと、ここを空けないといけないなぁ。」と先客。
「あぁ、いいよいいよ。」と先生はその隣の席に座りました。
常連は定席があるんですね。
他の常連客が「先生」と呼んでいて、何か芸術系の先生みたい。
「いつもの!」と、先生は氷入りジョッキで赤ワイン(!)を飲み始めました。
ワインなんてのがあるんだ!確かにメルシャンの「フランジア」のポスターがあります。
しばらくしてその先生、「**さんに見せたいものがあるから持ってきたよ」と他の常連さんに大型の写真集開いて見せ始めるじゃないですか。
ここは常連さんの憩いの場なんですね。
常連客がさらに増えて空席が無くなったので、一見のとんちゃんはこれからまだまだ来る常連さんに席を空けたほうがいいかな、と思って会計をお願いしました。
なんだかとってもほのぼのとした雰囲気のお店で、この場がとっても好きになってしまいました。
きっと明日も来よう!とそっと心に決めて店を出ました。
ごちそうさまでした。
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センタープラザって穴場ですよね~雰囲気大好きです。
by 茶の間おやじ (2014-05-10 11:07)
> 茶の間おやじさん
センタープラザの地階を歩くとわくわくしました。
もちろんお店にも入りました。
それはまた後日の記事にいたします。
by とんちゃん (2014-05-10 14:29)
こんばんは、落ち着きを取り戻しまして、ご訪問復活しました。
そしたらいきなり、こんな素敵な食堂。
ネーミングの「皆様食堂」も、「家庭の延長」もキュンキュンしていれば、
お品書きの圧倒も伝声管もちろりも・・・。
阪神大震災では大変だった三ノ宮ですが、どっこい「食堂魂」は残っていましたね。
食堂という名の、居酒屋にして憩いの場。
ずっと残ってほしい「日本遺産」です。
さあ、一気に過去記事に遡ってきますよ♪
by 式守錦太夫 (2014-05-10 21:57)
> 式守錦太夫さん
いらっしゃいませ、お疲れ様でした。
この店、もう最高です。
また登場しますので、乞うご期待。
by とんちゃん (2014-05-11 10:21)
皆様食堂さんは、うどん、丼物も良いですよ~!!
いかなごの釘煮は大好きですが、
大きくなったいかなごは、ちょっと苦手です。
家の親父は、酢醤油で美味しそうによく食べていました。
by コバヤン (2014-05-11 15:38)
> コバヤンさん
すっかり居酒屋使いしてしまいました。(笑)
いかなごは、今回が初めてですけど、見た目で引いちゃう人が多いかも。
by とんちゃん (2014-05-11 16:53)