SSブログ
 

セブンカフェドーナツは低トランス脂肪酸だって? [食文化]

近年は、とんちゃん、ドーナツってほとんど食べないんです。
1年に1個食べるかどうか、ってくらいにほとんど口にしない。
理由は甘いから。
そんな自分がドーナツのことをネタにするのも変ですけど、おかげで興味深いことを知りました。

---------------------

先日、「ミスドそっくりの「セブンカフェドーナツ」はどこで作る?」の記事をアップしました。
記事へのコメントをきっかけに、それへのレスとして記事にしました。
http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2014-11-29

セブンイレブンが、セブンカフェでドーナツを販売するって話題。
その名も「セブンカフェドーナツ」。(まんまや)
今年10月末から関西地区の店舗で試験的に販売していて、来年2015年1月から首都圏を中心に販売を始め、8月末までに全国展開する予定なんですって。

そのドーナツがミスドのドーナツに似ている、とか味はどうだ、ってことがネットで話題になっているの。
味は別にして、ドーナツのバリエーションってそんなにあるわけじゃないから、見た目が似ていて当然なんでしょうけどね。

で、弊ブログで取り上げたのは、その「セブンカフェドーナツ」の製造工場のこと。
全国に24ヶ所あるセブン-イレブン専用のパン工場で1日2回揚げて、製造後3 時間以内に店舗に配送する、ってことをセブンイレブン・ジャパンのニュースリリースから紹介しときました。

以上が、前回のブログネタ。
今回はその続編です。

前回の記事を読んだ知人が、業界紙の記事を送ってくれたんです。
その名も「米麦日報」。http://www.ssnp.co.jp/articles/daily?tag=107
食品産業新聞社が発行する、その名のとおり米・麦に関する専門情報紙です。

その2014年12月1日号にセブンイレブンのドーナツの記事があったんですね。
その記事からいろいろ引用します。

関西の店舗でドーナツを販売したら、セブンカフェの客の25%がドーナツを「併買」したそうで、その売上げは1日2万円弱だって。こりゃセブンにとっちゃ、美味しい話ですよね。

なもんで来年、全店1万7千店で販売するわけ。
その売り上げの目標は、なんと年間6億個、600億円。
逆算すると、1店舗1万円売るぞ!って計算ですね。

この金額がどんだけのもんかっていうと・・・
ドーナツの国内市場って約1,300億円なんですって。
で、そのうちミスドが1,030億円を売り上げている。こりゃまた圧倒的なシェア(79%)なんですわ。
そのミスドの店舗数は1,350店。
そこに1万7千店のセブンが、600億円売るぞ!っ入るとどうなるのか?
産業界ではこっちが当然話題になりますわ。

----------------------------

ここからが今日の本題。
「セブンカフェドーナツ」の原材料
です。

「米麦日報」の記事には原材料の入手先が詳しく書いてあります。
揚げ油は(株)J-オイルミルズが開発したドーナツ専用の低トランス酸オイルを使用。
生地は味の素、製粉は昭和産業、油脂は不二製油が担当している。
こんなディープな情報が載っているのは、さすが業界紙ですね。

昭和産業が製粉した小麦粉等を使って、味の素がドーナツの生地を作るってことなんでしょうね。
揚げ油はJ-オイルミルズ製で、生地に練りこむ油脂は不二製油ってことかな。

気になるのは、揚げ油はドーナツ専用の低トランス酸オイルってところ。

ドーナツの揚げ油って何を使っているか知っていますか?
サラダ油、キャノーラ油・・・家庭だとそんな感じですよね。

でも業務用は違います。
フライ用ショートニングを使うんだそうです。
ショートニングって植物油を固めてラードのようにしたもの。マーガリンの仲間です。
揚げパンもドーナツも普通はそのショートニングを使います。
その最大の理由は、酸化しにくいから。

そのショートニングやマーガリンは、不飽和脂肪酸なので、歓迎されていました。
ところがいまでは、それに含まれるトランス脂肪酸が大きな問題になっています。
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸なんですけど、悪玉コレステロールを増やして善玉コレステロールを減らすので、心臓病のリスクを高める、という油なんです。
(詳しくは、農林水産省の「トランス脂肪酸に関する情報」の説明を見るのがいいです。)

セブンのドーナツの揚げ油も当然、ショートニングが使われています。
でもセブンの揚げ油は低トランス脂肪酸のオイルだというわけです。

と、気になるのはドーナツ界の勇ミスドのこと。
驚きました!
「低トランスオイル脂肪酸を使っている」としっかり書いてあります。
http://www.misterdonut.jp/businessinfo/torikumi/anzen_01.html
「ドーナツ1個当たり平均1~1.5g含まれていたトランス脂肪酸を、平均約0.25gまで低減」ですって。

これがどんくらいのものなのか。

WHO/FAO合同専門家会合は2003年に、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。
日本人が1日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalなので、1日当たり約2g未満が目標量ということになります。
農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」
 http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/index.html

1日で2グラムですって。
だから以前のドーナツ1個当たりのトランス脂肪酸量はかなり多いですわ。
だからミスドは1個で平均約0.25gまで低減させたんですね。

セブンもここはしっかり押さえる、ということでしょう。
どんくらい含まれているか、セブンも明らかにしてほしいですね。

追記:
このトランス脂肪酸のことは、もっと複雑な話があるようで、この点については後日、再論したいと思います。

------------

最後に「米麦日報」の記事からもう1つ。

セブンのドーナツは、揚げる工程を短時間にして1個当たりのカロリーを2~3割削減している、だって。
ミスドのチョコファッション1個は353kcaもあって、ご飯1杯分のカロリー(約240kal)よりも多いぞ!
って、前回書きましたけど、2~3割削減ってことは、ご飯1杯分になるってことかな。
でも食べすぎにはご注意です。


 
nice!(11)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 11

コメント 6

茶の間

トランス脂肪酸はおっしゃる通り、動脈硬化を進展し心血管系にダメージを与えます。
コマーシャルでマーガリンの宣伝が無くなったのが証拠です~
一時期、成城石井さんでバーガリンとしてトランス脂肪酸抜きの商品が扱われていましたよ。
by 茶の間 (2014-12-09 14:00) 

とんちゃん

> 茶の間さん
なるほど、そうなんですね。
トランス脂肪酸のことを調べたら、その後いろいろあるんです。
「後日再論」のネタばれですけど・・・
マーガリンなどでトランス脂肪酸の含有量が激減したこと。(これ良い)
その代わりに飽和脂肪酸が増えたこと。(これ良くない)
表示のこと。
パン業界の対応とドーナツ業界の対応の違い。

by とんちゃん (2014-12-11 05:35) 

式守錦太夫

熱いギョウカイのようです。
鼻息が荒くなるのもわかります。
末端では作業が増えるのを戦々恐々としているみたいです。
カウンター作業は増える一方ですからね~。
――と、さも末端にいる人のように言ってみました(笑)
by 式守錦太夫 (2014-12-12 12:08) 

とんちゃん

> 式守錦太夫さん
コンビニ業界は熱いのね。
新機軸がどんどん出ている感じ。
コンビニでなんでもかんでもできて、まさにコンビーニエンスになるのは悪かないけど、某牛丼屋みたいにブラック企業になって、店員さんが逃げ出すってことにないでほしいです。
by とんちゃん (2014-12-13 05:53) 

種種

トランス脂肪酸をシス脂肪酸に変える業務用機器は最近完成したようです。
様々なチェーン店で導入が始まったそうなので確認してみる良いのでは?
by 種種 (2015-04-01 15:53) 

とんちゃん

> 種種さん
トランス型をシス型に変える機器があったらいいですね。
ネットではまだ見つけられないです。
by とんちゃん (2015-04-05 11:01) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0