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「ボタンエビ」とは、「トヤマエビ」なの? そして「虎ボタンエビ」とは・・・ [食文化]

 

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昨日の記事に登場したお店、虎の門ヒルズにある「意気な寿し処阿部」さん。
そのお店の刺身や寿司ネタには「虎ボタンエビ」がありました。
甘エビ(和名はホッコクアカエビ)より大きくて、甘味旨みがあるエビです。

しかし「虎ボタンエビ」なんて聞いたことがない名前です。
「虎の門ヒルズ」に因んで勝手に「ボタンエビ」の頭に「虎」をつけたんかい!
・・・って思ったら、どうもそうじゃないみたいなんです。

実は「ボタンエビ」という名のエビは、大いに混乱しているんです。
わたしたちが「ボタンエビ」だと思っているのは、実はボタンエビではない!
そしてなぜ「虎」なのか、ということの謎を解いてみます。

 

◆「ボタンエビ」は「トヤマエビ」
まず、私たちが普通に見る大きな「ボタンエビ」。
日本海の北部、福井県沖から北海道沖、そしてオホーツク海、ベーリング海という北に生息するエビで、現在の漁獲量は北海道がダントツ

ところがこのエビ、正式な和名は「ボタンエビ」じゃなくって、「トヤマエビ」というんですから驚き。w(*゚o゚*)w
「ヤマト(大和)」じゃなくて「トヤマ(富山)」です。
なぜ「トヤマ」かっていうと、かつては富山湾周辺でよく漁獲され、そこで初の生態調査が行われたから。
wikipediaで「富山湾で大量に漁獲されるためにこの名がある。」と、さも現在の漁獲との関係で説明してあるのは、誤りですよ。

 

◆改めて「ボタンエビ」
じゃぁ「ボタンエビ」という名のエビはないのかというと、これがしっかり別にあるんです。
こっちは太平洋側にいて、仙台湾から東シナ海に棲息している。
しかし今ではほとんど獲れなくなっているんです。
そのせいで、同じように大きくてねっとり甘い「トヤマエビ」が「ボタンエビ」として流通するようになってしまったようです。

 

◆ボタンエビとトヤマエビ
ボタンエビは、橙赤色(オレンジ色)の体色で、腹部に赤い斑点がある。
それで「ボタン(牡丹)」の名がついたもの。
他方「トヤマエビ」は、明るい朱色の体色で、褐色の横縞があって、見た目が違います。
「トヤマエビ」の大産地である北海道では、それを「トラエビ」と呼ぶそうです。
トラエビというのは、きっとその縞模様のせいでしょう。

 

◆虎ボタンエビとは
というわけで、市場に流通し、巷で呼ばれる「ボタンエビ」は「トヤマエビ」なのです。
このことは今では寿司屋はもちろん魚屋でも知らない人がいるようです。

でも、今回食事をした阿部さんでは、そのことをちゃんと知っているんじゃないでしょうか。
とはいえ「トヤマエビ」なんて名前は知られていないから、本来の名前で呼ぶとややこしくなる。
そこで北海道での名称「トラエビ」の名が由来する縞模様から、「虎ぼたん海老」と呼ぶことにしたんじゃないか。
これがとんちゃんの結論(推測)です。
※この結論は、お店の人に確認したわけじゃありませんので悪しからず。


 
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