●直系店
「珍來」の歴史は昨日の記事に詳しく書きましたけど、1928年創業、1977年に株式会社を2社設立しました。
・株式会社 珍來総本店:埼玉県草加市に本社があり、直営店が4店。
社長は3代目兄の清水秀逸氏。
HP:http://www.chinrai.co.jp/index.html
HPでの本社所在地は草加市高砂2-7-10。
そこは草加駅東口アコス南館で、その1階に珍來草加店がある。
しかし実際は、八潮ドライブイン店がある埼玉県八潮市に製麺所と本社事務所があります。⇒「珍來総本店の本社、ここにあり」:http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2015-10-04-1
・株式会社 珍來:千葉県船橋市に本社があり、直営店が10店。
社長は3代目弟の清水延年氏。
HP:http://www.chinrai.jp/index.html
本社は船橋市二和にあり、そこに製麺所もあります。というか、製麺所のところに本社を置いたのでしょう。
会社設立時には、(株)珍來総本店は中華店経営、(珍)珍來は製麺業という分担をしたけれど、初代の逝去後に両社がそれぞれ製麺所と直営店を経営するようになったのではないか、という推測を昨日の記事に書きました。
●暖簾分け店
◆珍來
・珍栄会珍來:
珍來総本店から暖簾分けした店のうち、「珍栄会」加盟の店。
(株)珍來総本店や珍栄会の店で修行した人の店です。
麺は(株)珍來総本店のものを使っている。
・その他珍來:
「珍栄会」設立以前に暖簾分けしたお店のようで、これも「珍來」を名乗っています。
◆珍来
・茨城珍来:
有限会社珍来が経営。1971年創業。
茨城県土浦市並木3丁目2-4に本社があり、建物には「珍來」と書いてある。
麺は(株)珍來総本店のものを使い、「珍來」と書かれた暖簾を下げ、紙製帽子をかぶっている。
追記:現在は(有)土浦珍来製麺(創業年未詳)の麺を使っています。
「茨城珍来」と自称し、「茨城珍来」略して「茨珍」の中華店「茨城珍来麺飯食堂」や「茨珍麺飯食堂」があり、蕎麦店「そば坊」もある。
「そば坊グループ」と称するネット情報もあるが、「茨城珍来グループ」又は「イバチングループ」とするべきでしょう。
・東金珍来:
株式会社F・S・Sの経営。(F.S.S.かもしれません)1987年創業らしい(後述)。
本社は千葉県千葉市にあるそうですが、どこにあるのか確認できません。
麺は(株)珍來のものを使っている。
・板橋珍来:
(株)中華料理珍来が経営。創業1960年。
本社は東京都板橋区舟渡。直営店7店があるが、「中華料理珍来」「珍來飯店」「麺一亭珍麻」の店名がある。さらに同社の麺を使用する独立店もある。製麺は系列の豊華食品工業(株)が行っていて、同社は珍来以外の多くのラーメン店にオーダーメイドの麺を直販している。2021年11月に追記。
・その他「珍来」:
「珍來」や「珍来」から暖簾分けした「珍来」。
●その他
・珍来風店:「珍來」でも「珍来」でもなく珍来軒などの名称の店。
【看板の特徴】
珍來・珍来は看板のデザインや暖簾にも特徴があります。
・赤い珍来
ほとんどの珍來・珍来。看板は赤い地に白く「手打らーめん」(ひらがな)と書いてある。
珍來松代店(茨城県つくば市に、珍栄会系)
新しい「珍來」は「伝承らーめん」という看板を掲げるようになっています。
・ドラゴン珍來
(株)珍來の店。
看板は、赤が地に龍の絵があり、「手打」を掲げていない。
そして「麵」や「麺」の赤い暖簾が下がっています。
珍來取手店(茨城県取手市)。
・黄色い珍来
(有)珍来、茨城珍來。
店舗の看板は黄色の地で、「手打ラーメン」(カタカナ)と書いてある。
立て看板は赤い地に「手打ラーメン」と書いてある。
珍来谷田部IC店(茨城県つくば市)。
※「ドラゴン珍来」と「黄色い珍来」は、加藤まさゆきさんの命名です。
⇒ 「伝説の中華『珍来』」:http://portal.nifty.com/kiji/130819161464_1.htm より)
●「手打」について多くの店は「手打」を掲げていますが、ドラゴン珍來や新しい店では「手打」を使っていないようです。
機械製麺の麺を使っているのに「手打」を掲げるのは問題ありだから、と思います。
【系列の歴史と直系との関係】
茨城珍来と東金珍来の独立の系譜について考えてみました。
◆茨城珍来
茨城珍来を運営する(有)珍来は1971年に創業の暖簾分け店。
⇒「黄色い珍来」のラーメン、太くてシコシコ:http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2015-07-25-1
1971年というと、かなり早い時期に暖簾分け、独立したものです。
(株)珍來総本店や(株)珍來を設立した1977年より以前のこと。
2代目が独立店を開店した1968年のすぐ後のことで、たぶん「珍栄会」設立以前じゃないかと考えられます。
そういう時期の独立だから当初は「珍來」を名乗っていたと思います。
本社の建物にも「珍來」を掲げています。
しかし「珍來」が商標登録されたためでしょう、現在の店名は「珍来」に変更しています。
ところが「珍來」の白い暖簾を下げ、店員さんたちは「珍來」の紙帽子をかぶっています。なぜか?
たぶん、珍來総本店の麺(太い珍来麺)を使い、そうしたことができているんだと思います。(ロイヤリティを支払っているのかな。)
◆東金珍来
東金珍来(珍来東金店グループ)は1987年に(株)珍來から独立したと考えます。
※2013年の記事に創業27年とあります。「創業27年珍来東金店グループ創業祭」 )
「珍來」を商標登録した1997年以前に独立したため、「珍來」を名乗っていたはず。
しかし今も「手打らーめん珍來」の看板で、店員の黒いTシャツにも「珍來」とかかれています。
たぶんロイヤリティを支払っているのではないかと思います。
麺は(株)珍來のものを使っていること、「麺」の白い暖簾が下がっていることから(株)珍來からの独立と思います。
「麺」の暖簾は(株)珍來(ドラゴン珍來)が「麺」の赤い暖簾に因んでいるんでしょう。
珍来東金店グループは千葉市にある(株)F・S・Sの経営だ、とネット情報にあります。
この点を東金店に確認したら、そのとおりだそうです。
でも電話番号案内で確認できず、正確なことは不明です。
◆板橋珍来
未訪ですし、詳しいことは今後の課題です。(2021年11月追記)
【店舗】
店舗を系列ごとに示しましょう。
太字の部分はとんちゃんが実食したお店です。(記事にしていないものもあり。)
注:(株)珍來総本店と(株)珍來はHPから、(有)珍来と東金店グループはgoowikipediaほか。
「その他」はとんちゃんが加えたので、あまり正確ではないと思い。
こうして見ると、県によって目にする珍来の系列が違っていることがわかります。
そしてとんちゃんの周囲には有限会社珍來系列の「珍來」がいっぱいあることに改めて感心してしまいます。
次回は、系列ごとの実際のお店と料理をまとめます。