日和山から観た、いまの石巻市 [3.11以後]
宮城県石巻市。
ここも東日本大震災の津波で広範囲に被災しました。
いまでもまだ仮設住宅に住まわれている方々が大勢います。
旧石巻市内でも約2500世帯、約5000人の方々が、石巻市全体では約4000戸、約9000人の方々が仮設住宅で新年を迎えています。
昨日の記事で紹介した日和山。
市街地にある高い山で、市内の様子を眺めることができました。
その様子をご紹介しましょう。
石巻湾に注ぐ旧北上川の河口近くの西側に小高い丘があります。それが鰐山(わにやま)。
その南東部に突き出た部分、それが日和山で、標高60mもあります。
そこから市内の様子を見てみようと思って向かいました。
そしたら日和山公園には石の鳥居があって、神社がありました。
日和山にある鹿島御児神社。
神社の歴史好きのとんちゃんには、なかなか興味深い神社ですが・・・神社のことは昨日の記事をご覧ください。
さて、3.11後のこと。
津波被災時の様子です。
地図の赤色や青色の部分が浸水した範囲で、市街地の多くが被災しています。
うねっている旧北上川の西側は、鰐山(緑色)を残して、周囲はすべて浸水していることがわかります。
そのうち青色の部分は家屋がほとんど流出したところです。
石巻市を8m以上の津波が襲い、73k㎡もの面積が浸水し、市内の13%、平野部の実に30%に及びました。
死者・行方不明者は3600人、損壊した家屋は57000棟で、全家屋のなんと77%が被災しました。
小高い日和山からは市街地が展望できます。
南側の石巻港の方向を見ると、市街地が全く流出しています。
お寺には新らしい墓石がいっぱい並んでいるようです。
そして土盛りがされ、まだまだ整備中の状況です。
石巻市の計画では、日和山公園の南側は住宅が流出したため、公園になる予定です。
ピンクのラインは道路が設置されます。
ここ日和山からは市街地がよく見えるので、何ヶ所かに震災前の写真が掲示されていて、現在との対比ができるようになっています。
東の方には北上川河口にかかる日和大橋。
かつて河口の両岸には工場や住宅が密集していましたが・・・。
現在は、いくつかの工場が再建されていますが、住宅は消失しています。
川の手前は公園ゾーンになるようです。
対岸にも住宅が立ち並んでいました。
現在は、住宅はなく、工場がいくつかあります。
対岸は工業地区になる計画みたいです。
旧北上川を少し北に上ったところ、川に浮かぶ島は中瀬。
奥の白いドームが「石ノ森漫画館」で、家屋もありましたが・・・。
現在は、ビルを残して住宅は全て流出。
「石ノ森漫画館」の建物は残りましたが、中には津波が入りました。
漫画館ブログ:「スタッフは皆無事です!!」
津波に被災した中瀬地区の住宅は内陸へ移転します。
旧北上川の東側は工場や住宅がありました。
ここは浸水したけれど、家屋の流出はあまりなかったらしく、今後も居住地区になる計画です。
更地になっているところは、移転した工場跡地ではないかと思います。
被災した市内はこんな様子です。
震災から5年、石巻市はいまも復興の途上です。
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