丼の底から湧いて来る柔らかうどんが旨い 牧のうどん@佐賀県鳥栖市 [ 九州・沖縄]
間が開きましたけど、大分県での記事の続きです。
大分県日田市から佐賀県へ向かう途中で、以前から行ってみたかったお店に立ち寄りました。
釜飯みたいに、お釜が載った看板が目印です。
「牧のうどん」鳥栖店。
【釜揚げ牧のうどん】が正式な店名らしい。
福岡県前原町(現糸島市)の「牧」にあったお店から始まったので、「牧のうどん」という店名になったそうです。
「博多の麺類」というと、きっと「博多ラーメン」がすぐに頭に浮かぶでしょう。
しかし地元民からすると、博多ラーメンではなく「博多うどん」の方がずっとポピュラー。
博多のソウルヌードルは「ラーメン」ではなく「うどん」です(たぶん)。
どんなうどんか?っていうと・・・
これがなんと。
硬い讃岐うどんの対極にある「柔らかうどん」なんです。
「博多うどんに腰はいらない」とはタモリの言。
「腰がある」ではなくて、うどんを柔らかく煮て、「腰くだけ」になったのが博多うどんなんです。
そんな柔らかいうどんなんて、うまいのか?
そう思う方は多いかと思います。
かく言うとんちゃんも、そう思って疑わなかった1人ですから。
しかし!コレがうまいんです。
最近【10分どん兵衛】が大きなムーブメントになっているのをご存知でしょうか?
マキタスポーツが提案した、「どん兵衛」の食べ方です。
お湯を注いで5分待つのがデフォルトなのに、10分待つと、まったく違った旨さになるというもの。
それと似ていて、しっかり茹でた柔らかうどんが、これまた旨いんですよ。
とんちゃんは、柔らかいうどんが旨いってことを去年の夏に、はじめて知りました。
地元に「博多うどん」のお店「博多釜揚げうどん イチカバチカ」さんができて、これがめっぽう旨いからです。
そしてそのイチカバチカさんがリスペクトするのが、この「牧のうどん」さんなんです。
だからぜひ来てみたかったんです。
ということで、博多うどんのジャンルに入るうどんのチェーン店が、ここ「牧のうどん」さんです。
とはいえ、「牧のうどん」のうどんは、普通の博多うどんとはまた違った、独特のうどんを提供しています。
それは、「釜揚げうどん」であること。
一般的なうどんの提供の仕方は、麺をゆでた後に冷水で〆てから、再加熱します。
しかし牧のうどんでは、茹でたうどんをそのまま提供する。
要するに「釜揚げうどん」なんです。
柔らかい釜揚げうどんは、いったいどんなうどんなのか?
それが今日のお題です。
前置きが長くなりましたけど、いよいよ本題。
ワクワクしながらお店に入りました。
店内は広い厨房を囲むカウンター席とテーブル席。
とんちゃんは厨房に向かうカウンター席へ座りました。
オーダーはこの長い伝票に赤鉛筆でチェックして店員さんに渡す。
・・・と思ったら、店員さんがオーダーをとってくれます。
素うどん310円からという値段だが・・・しかしまぁ、メニューの多いこと。
トッピングがいろいろと、あるわあるわ。w(*゚o゚*)w
たまご、わかめ、かきあげ、ごぼう天、丸天、きつね、コロッケあたりは、まぁわかるが。
さらに・・・もやし、いも天、おぼろこんぶ、緑の天ぷら(なにコレ?)、唐揚げ、山いも、みそ(!)、山菜、しめじ、鴨。
なめこ、キムチ、カレー、豚キムチ(!)、スペシャルもある。
どれにしたらいいんだ!(◎_◎;)
こんな宣伝を発見。
「肉ごぼう650円」が【当店No.1】だって。
そんじゃ、「肉ごぼう」にしましょう。v(゚ー^*)
しかしオーダーはこれだけでは終わりません。
オーダー時に重要なのは、うどんの茹で具合です。
さっきの伝票を今一度ご覧ください。
ほら、一番上にあるでしょ?
【軟めん 中めん 硬めん】の3種類から茹で加減を選ぶんです。
博多ラーメンだったら、麺のゆで加減は迷わず「カタ!」か「バリカタ!」です。
しかし博多うどんはそうじゃない。
「博多うどんに腰はいらない」とはタモリの言。
うどんを柔らかく煮て、コシが砕けているのこそが博多うどんなんですから。
ラーメンでは硬麺派のとんちゃんですが、博多うどんは真逆の「軟めん」派です。
だから「やわ」をオーダーです。
さて、厨房では、大きな茹で機(四角い釜)でうどんを茹でています。
しかも麺の茹でレベルに応じて釜がいくつかあるので、全体の釜が大きい。
うどんをオーダーすると、茹で加減に応じた釜から麺をすくい上げます。
「牧のうどん」の特徴のもう1つは、店内での自家製麺ってこと。
糸島の本店で打った生地を各店舗で切って、すぐに茹でるんです。
ところで、その釜でどれくらいうどんを茹でるか、ご存知ですか?
讃岐うどんは15分以下です。
では牧のうどんの茹で時間は?
「軟めん」はなんと、40分もうどんを茹でるそうなんです。
ウソみたいな茹で時間です。
ということで、しっかり茹でたうどんの登場です。
◆肉ごぼううどん・軟めん
肉とごぼう天、そして揚げ玉もトッピングされています。
丼の大きさに比べて、やたらに大盛りのうどん。
実は大盛りなんじゃなくて、うどんがふやけて、嵩(かさ)が増しているんです。
そして、肉に入っているネギは青ネギ。さすが福岡ですね。
うどんをいただくために、トッピングをよけてみる。
やらたにうどんがいっぱいで、汁がみえない。
汁をすすると、鰹出汁が効いていて、甘い味。
肉の甘い味が移ったのかもしれない、と思ったけど、元々の汁が甘めです。
そしてうどん・・・やわ!( ̄□ ̄;)!!
いえいえ、これでいいんです。
しかも柔らかいながら、もちもちした食感。
いいじゃないですか!
フライドポテト・・・じゃありません。
まるでフライドポテトみたいな外見のゴボウ天。
衣が、天ぷらっていうより、フリッターみたいになっている。
中のゴボウは太くって、サックリした食感がうまいです。
さて、この写真を見て、どう思いますか?
これからうどんを食べるところ?うどんがいっぱいあるよね。
きっと、そう思いますよね。
でもこれ、食べ初めて3分経ったところなんです。
3分っていうと普通なら、少なくとも半分は食べてしまった時間です。
しかし、うどんが全然、減ってない!(*゚Д゚*)ェ…
実は、それこそが「牧のうどん」の不思議なのです。
「食べても食べても減らないうどん」が「牧のうどん」の特徴なんです。
なぜ、うどんが減らないのか?
それは「丼の底から、うどんが湧き出でてくる」からです。
そんなバカな!ウソだろ!
いえいえ、全くのウソではありません。半分はホントです。
柔らかいうどんが、食べている間にどんどん延びてきて、うどんの量が増えるんです。
それはまるで、丼の底からうどんが湧き出てくるかのようです。
「減らないうどん」のことは、うわさには知っていましたけど、実際にこういうことになるとはさすがに驚きです。
うどんが汁を吸ってどんどん延びてくるから、うどんが増えるに連れて、汁がなくなってきます。
そこで登場するのが、これ。
うどんにはヤカンが、もれなく付いてきます。
中に入っているのはうどんの汁。
汁が少なくなった丼に、このヤカンから汁を足しながら、うどんを食べるんです。
実はさっきの写真は、汁を足したところなんです。
だから汁がしっかり入っていて、食べる前とほとんど変らないビジュアルになっているんです。
足した汁をすすると、やはり甘めです。
ここでハッ!と気が付きました。
食べることに夢中で、薬味のトッピングをすっかり忘れていました。
カウンター上にはネギが置いてあります。
しっかり青ネギです。
ネギと七味をかけました。
このビジュアル、食べ始める前のうどんにしか見えませんよね。
何度も言いますが、これは、ほぼ半分食べた後の状態ですからね。
でも実際は2杯目を食べる雰囲気です。
でも単なる2杯目ではない。
汁をすったうどんは、さらにフワフワになり、吸った汁の味で旨くなっているんです。(^∇^)
それから3分ほど経って、やっと完食。
1人前なのに、すごい量のうどんを食べた感じです。
柔らかいうどん。うまいですねぇ。
さらに柔らかうどんが好きになりました。
ごちそうさまでした。
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