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焼きそばとは、麺を「焼く」ものなり 想夫恋本店@大分県日田市 [ 九州・沖縄]

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大分県日田市でランチ。
日田市の名物に焼きそばがあることを知りました。

焼きそばというと「日本三大焼きそば」といわれるものがあります。
富士宮焼きそば(静岡県)、横手焼きそば(秋田県)、太田焼きそば(群馬県)が、それです。
なんでこれらが「3大焼きそば」になったかっていうと、実は太田が言いだしっぺなんです。
実際のところ、富士宮焼きそばは油かす(肉かす)と削り節をトッピング、横手焼きそばは目玉焼きをトッピングなど、どちらも明確な特徴がありますけど、太田焼きそばは店毎にみんなバラバラで統一性はない。
しかも太田焼きそばは、横手の人達が持ち込んだ文化なんです。
でもその太田が、富士宮と横手が有名なところへ、「3番手」を名乗って登場し、「3大」としてしまったわけ。
 →真っ黒い太田焼きそば 岩崎屋:http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

それはそれとして・・・
上記3つ以外にも、焼きそばが名物のまちはいっぱいあります。

ここ日田市も「日田やきそば」があるんです。
日田やきそば研究会(http://hitayakisoba.com/)なるものがあって、やきそばで街おこしをしている。

その日田市の焼きそばのルーツは、はっきりしています。
1955年(昭和30年)に角安親氏が創業した「想夫恋(そうふれん)」です。
しかも「日田焼きそば」は、想夫恋の商標登録です。
しかし先の「研究会」HPにはそんなことは、一切触れられていない。
「想夫恋」の「日田焼きそば」「日田やきそば」研究会との関係は複雑な問題ありなんですが、そのことは最後にして・・。

ともあれどこで食べるか?
っていうと・・・当然ですけど、ルーツ店の「想夫恋」へと向かいます。
まずはそこからでしょう。

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「想夫恋」さん、しかも総本店

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【焼きそばの想夫恋】本店。

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ルーツ店は、以前は別のところにあったんですけど、ここに移転して本店となっています。

店内はかなりの大箱。
とんちゃんは1人なので、カウンター席へ。
な、な、なんとそこは、厨房の前
目の前には焼きそばを焼く大きな鉄板がある、というベストポジションです。

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カウンターの上には割箸と温かいオシボリが置かれます。

メニューを見て「焼きそば」とオーダーしたら、すぐにメニューを持って行かれちゃったんで、HPから引用します。

menu
想夫恋HPより)

焼きそばは800円。
ちょっと高いように感じますが、さて・・・

厨房では、カウンターに向かって料理人が何人も並んでいます。焼きそば職人ですね。
彼らととんちゃんとの間には、いかにも分厚そうな鉄板が3箇所ほどある。そこで焼きそばを焼くんですね。
その鉄板は中央部にくぼみがあって、ちょっと変った鉄板です。
鉄板同士の間にはガスレンジがあり、焼きそばを盛り付ける鉄製のステーキ皿を一度に6枚(8枚だったかな?)加熱する。
さらにコンロにかかったで、麺をゆでている。

焼きそば職人は、鉄板にラードをひくと、その中央部に豚肉を置く。
鉄板の中央部にくぼみがあったのは、豚肉を焼くためだったんだ!と気がつく。
なるほどこれだと、肉汁がくぼみに溜まりますね。

鍋から茹でた麺をすくい上げ、湯切りして鉄板で焼く!
そう、ここの焼きそばは、蒸し麺ではなく、生麺を茹でているのです
熱した鉄板の上に広げられた麺。
しかし広がった麺の中央には穴がつくられ、ドーナツ状に麺が広げられる。
ドーナツの穴のところがまさに、鉄板中央の凹んだ部分で焼かれる豚肉なのです。
この特殊な鉄板は、焼きそば専門に造りこまれたもので、実用新案権があるらしい。
豚肉を取り囲むようにして麺が広げられ、焼かれていく。

さて鉄板の上の麺はというと・・・
普通ならヘラでかき混ぜられながら炒められるのですが、料理人はまったくそんな所作をしない。
熱い鉄板の上に置かれたままで、まさに焼かれている

しばらくして、頃合を見計らった料理人は、広げられて焼かれた麺をエイっ!とばかりにひっくり返す。
それまで鉄板に接していた側は、平面状になり、しかもその平面はキツネ色に焦げている。
パリパリに焼かれた麺になっているのです。
そしてひっくり返された麺のもう片方に、さらに焼きが入れられる。

ついで麺の上にモヤシとネギがたっぷりと放たれ、ついにパリパリに焼かれた麺と炒められる。
焼きそば職人はパリパリになってくっついた麺を上手にほぐしながら、野菜や肉とミックスします。
よく見ると、焼きそば職人が手にするステンレス製のヘラがかなりデカイ
麺をひっくり返したり、固まった麺をほぐすために持ち上げたりするために、デカくしているのでしょう。

特製のソースがかけられて、ついに焼きそばの完成です。

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◆焼きそば
熱せられた鉄製の花型のステーキ皿に盛られた焼きそば。
鉄製のステーキ皿を使っているお店は、ここ本店の他に数店だそうです。

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普通盛りですけど、いえいえ、かなりの量があります。

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麺の表面はしっかり焼き色がついていて、まさに「焼き」そば。
麺は、自社製麺工場で造った生麺。それを店で茹でてから、焼いています。

そして豚肉は、太いスティック状に切ってあるもの。
豚肉を枝肉で仕入れ、モモ肉、バラ肉、ロース、ヒレ肉などをミックスした肉に自社工場で加工しているらしい。

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まさに鉄板で焼かれたそばは、表面がパリパリしていて、いい食感です。
モヤシもシャキシャキしていてこれまたいい食感。
そして爽やかな感じのソース。創業者以来の秘伝ソースだそうです。
うーむ、こいつは旨い!o(>▽<)o

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おっと、紅生姜をいただくのを忘れていました。
紅生姜を絡めていただく焼きそばもまた旨いです。

蒸し麺ではなく、生麺を茹でて、しかもしっかり焼いたソバ。
パリッとした中にしっとり、もっちり感のある麺。
シャッキリしたモヤシと旨みのある太い豚肉。
ベチャつかず、しかしパサパサもしない、しっとりした食感。
そして濃厚過ぎない爽やかなソース。
これはかなり旨い焼きそばです。
トッピングに頼らない、焼きそばそのもので勝負している焼きそば。
ぜひ再訪したい焼きそばです。

そうそう、最後に「想夫恋」の「焼きそば」「日田やきそば」との関係について。
それについては、以下のサイトをご覧ください。
とくに「日田の焼きそばと想夫恋」と「日田やきそばの真実」に詳しく書かれています。
 →オレンジ色のスケッチ「焼きそばの元祖 想夫恋」

ごちそうさまでした。

食べログ: 想夫恋 新本店
昼総合点★★★☆☆ 3.8

関連ランキング:焼きそば | 日田駅豊後三芳駅


 
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