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シンプルに朝食:地元産食材を使えないこと 丸三旅館@福島県相馬市 [温泉・旅館・民宿]

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福島県相馬市に行ったときのこと。
市街地のホテルではなく、市内の観光地に泊まりました。

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松川浦の湖岸近くに建つ旅館。

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丸三旅館」さん。

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朝食も1階の食堂でいただきます。

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◆朝食
ご飯と味噌汁はセルフでいただきます。

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味噌汁は、ワカメと板麩の具。
和食党のとんちゃんには、こういう朝食が嬉しいです。

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サラダには、コーンやハムが載ってます。 

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ご飯

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お米は、岩手県奥州市衣川産の「ひとめぼれ」のワーコム米だそうです。
「ワーコム米」とは、「ワーコム」という堆肥発酵促進剤を使ったお米。
土の中の微生物の働きを活性化させ、農薬を減らして栽培するお米のことらしい。

そのことよりも福島県産米でないのが悲しい。
福島県もそしてここ相馬市も米の産地です。
現在、福島県産米は全量が放射能検査されているので、放射性物質の危険性はありません。
でもいまだに忌避され、値段が安い。
そんな風評を気にして、福島県産米を使っていないのではないか、と思います。

さて、ご飯のおかずことですが。

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ミートボールと玉子焼き
どちらも出来合いのもののように見えますが、味は問題ないです。

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こんなおかずがあります。
鮭フレークと塩辛
いかにして食べたらいいか?

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鮭フレークはご飯にかけちゃいました。

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そして焼き海苔
なんと、韓国海苔です!(*゚Д゚*)ェ…
和朝食のおかずに韓国海苔が添えられているのって、初めての経験かも。

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韓国海苔自体は好きなんで、何も問題もありません。

気になるのはむしろ、なんで韓国海苔なのか?ってこと。

実は、この旅館の眼前に広がる松川浦は海苔の産地だったんです。

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旅館のロビーにあった写真。
松川浦での海苔養殖の様子です。

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こんな感じに棒を立てて、網を張って、海苔を養殖していました。

しかし震災後に放射性物質のせいで海苔販売は中止されています。
松川浦に流れ込む川に上流からのセシウムが含まれているのが要因の1つ。
水産物の放射性セシウムの基準値は100ベクレル/kgとなっています。
海苔は、採取した時はその基準値を大幅に下回っているのですが、乾燥させるから越えてしまうんです。
生海苔なら問題ないけど、板海苔はNGってこと。
それで、生産はされていますが販売されません。

丸三旅館さんでは、かつては当然ながら松川浦産の海苔を食事に出していたのだと思います。
しかし、いまやそれが出来なくなった。
それで国内の他産地の海苔ではなく、あえて韓国産にしたのかな?
そう想像してしまいます。

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食後のお茶をいただきながら、お米も海苔も、地元産を使えないことの悲しさに思いをはせました。

食後に館内をプチ見学。

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2階は現在は客室になっています。
津波被災以前には、ここは宴会用の大広間だったそうです。
和室になっているので、将来は、壁をぶち抜いて大広間に改造するのかもしれません。

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2階の階段踊り場にあった大きな鏡。

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灘の酒「澤の鶴」から寄贈された鏡らしい。
この旅館の1階は酒屋だったそうです。
そのメインのお酒、あるいは宴会での酒は、沢の鶴だったのかな?

夕食も朝食も食事はシンプルでした。
低料金で宿泊しましたから、当然のことです。

太平洋に面して漁港もあって、地元産の新鮮な魚介類がウリだった。
しかし今は、その地元の魚介類が提供できない
地元の海苔も出せない
地元の米も風評を気にしないといけない

そんな中で旅館を再開している辛さをおもんぱかってしまいます。
本当の復興はまだまだ先なのだ、と思わざるを得ません。
せめてこうして宿泊するのが1つの手助けになるかもしれない、と思いつつ。

どうもお世話になりました。

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