佐渡の静かな観光:千枚田、佐渡一の宮、そしてあの鼓童 [旅行先]
昨年、佐渡に行った時のこと。
とんちゃん的に見たいところがあったもんで、少し立ち寄りました。
◆棚田
その1つは棚田。
佐渡には棚田がいっぱいあって、佐渡棚田協議会というのもあります。
⇒佐渡棚田協議会HP
FAO(国連食糧農業機関)が認定する「世界農業遺産」。
2011年、佐渡市と石川県能登地域が、とともに「世界農業遺産」に認定されました。
棚田自体が世界農業遺産に認定されたわけじゃぁない。
佐渡が世界農業遺産に認定された理由はつぎのことです。
- 農業生産システムに「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を導入し、消費者と連携しながら島全体へ拡げていること。
- 生物多様性保全型農業と農業経済が連携し、持続的な環境保全体制を構築していること。
- 佐渡金山が風景と文化に大きな影響を与え、生物多様性と農業生産活動をはぐくむことによって、農村コミュニティを保全してきたこと。
佐渡金山が風景と文化に大きな影響を与えた、とはどういうことか?
佐渡の金山と棚田とが、実は密接な関係があるんです。
江戸時代、金銀山の採掘やそれに関わる商売を目当てに、全国各地から人が佐渡に集まり、人口は最大10万人にもなった。小さな島は、まさにゴールドラッシュの状態でした。
そんな大勢の人の食をまかなうために、島民は山の斜面を開墾して棚田を作ったのです。
そして棚田に水をくみ上げるために、金山の坑内排水技術「水上輪(すいしょうりん)」(坑内の水を上に組み上げる装置)が活用されました。
(参考:農林水産省「トキと暮らす郷づくり」)
さて、そんな世界農業遺産の一部をなす棚田。
岩首昇竜棚田へ行きたかったんですけど、ちょっと時間がないのでパス。
⇒佐渡棚田協議会「岩首昇竜棚田」
小倉千枚田へ行きました。
⇒佐渡棚田協議会「小倉千枚田」
(佐渡棚田協議会「小倉千枚田」より)
海抜350~400mのところにある細長い田。
稲は刈り取られたあとで、刈跡と地面だけが見えます。
人の大きさと比べると、その細長さがわかるでしょうか。
勾配がきついため、一枚一枚の田が細長くて、農機具が入らないような田んぼもいっぱいあります。
山の清水を使い、日照時間も長く日夜の温度差がある環境で稲が育てられているそうです。
かつては最大で5haほどの水田があったそうですが、次第に荒廃していきました。
しかし2008年頃から千枚田復活の声があがり、「小倉千枚田管理組合」が設立。
棚田オーナー制度を取り入れながら管理・保全活動に取り組んで、1.5haほどの田でお米が生産されているそうです。
棚田オーナー制で稲を作っているオーナーたちの看板が、小さい1枚1枚の田についています。
こうした努力によって、美しい棚田の景観が保たれているんですね。
◆佐渡一宮・度津神社
古い神社にも寄りました。
佐渡国で「延喜式」の「神名帳」(927年)に記載のある神社、いわゆる「式内社」は9社あります。
そのうち佐渡国一宮は羽茂にある「度津(わたつ)神社」。
そこに立ち寄りました。
赤い鳥居。
上には「一宮」と書かれた扁額。
その脇に「佐渡国一ノ宮 度津神社」の石柱。
立派な神社です。
さすが一ノ宮だけのことはあります。
度津神社の由緒書き。
1470年の羽茂川の大洪水で社地、古文書等がことごとく流出したため、由緒や縁起等が詳らかでない。
洪水の後、現在の地に遷座した、とあります。
現在の本殿は1709年、幣殿、拝殿は1937年の造営で、全て台湾産の檜が用いられているそうです。
祭神は五十猛命(イソタケルノミコト)。スサノオ(日本書紀の素戔嗚、古事記の建速須佐之男)の子です。
植樹の神、造船の神で、当社では航海の神ともされています。
五十猛はどんな神かというと・・・
高天原を追放された父・スサノオととも朝鮮半島の新羅国へ移りるが、間もなくともに埴土の船を作って日本へ戻ったと「日本書紀」書いてあります。
日本に戻った五十猛は、多くの木の種を日本全国に植えたので植樹の神とされ、紀伊国の神です。
また土の船を作ったことから造船の神ともされています。
さらに「播磨国風土記(逸文)」に、神功皇后の三韓征伐(もちろん史実ではない)のときに、船の前に「伊太代神」を祀ったとある。この伊太代神が五十猛なので、航海の神ともされている。
しかし!ヽ(*'0'*)ツ
「度津」と書いて「ワタツ」と読むのだから、本来は海神(わたつみ)が祭神じゃないかと思います。
古文書が流失したため、海神から五十猛になったのでしょう。
境内社として八幡宮が鎮座しています。
1470年の羽茂川の大洪水で度津神社が流出したあと、一時、村内の八幡宮に合祀された。
さらにその後、ここに社殿を作ったときに、この八幡宮を置いたらしい。
◆鼓童
佐渡には有名な鼓童があります。
佐渡市小木を拠点として、国際的な公演活動を展開するプロの和太鼓集団。
とんちゃんも、地元のホールで演奏を目の当たりにして、感動した経験があります。
両津港から新潟港に向かうとき、ターミナルで鼓童のトラックを発見!
きっとこれからフェリーに乗り込むのでしょうね。
鼓童のことはこれだけです。(ゴメン!)
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