SSブログ
 

市からのアンケート調査に呆れてしまった [雑記]

私が住んでいる牛久市からアンケートが来ました。

「公共施設に関する市民アンケート調査」

そのアンケート調査の質問内容に、あまりにも呆れてしまった
なので記事にすることにしました。

次のような質問です。 

2.あなた個人の公共施設の利用状況についてお聞きします。
  問1から問5にお答えください。ただし、家族の送迎といった利用は除きます。

問1 あなたの過去3年の公共施設の利用頻度について、最も近いものに1つ〇をつけてください。
    1.利用しなかった 2.年に1回 3.2~3か月に1回 4.月に1回以上
問2 問1で、2~4「利用する」とお答えした公共施設について、適切であると思われるものを選んでください。
    1.利用時間 2.規模(大きさ) 3.場所、4.サービス
問3 問1で、2~4「利用する」とお答えした公共施設の利用の目的を選んでください。
    1.講座・趣味・スポーツ 2.自治会・PTA・地域活動 3.福祉・医療サービス 4.その他
問4 問1で、2~4「利用する」とお答えした公共施設の利用料金について、最も近いもの1つに〇をつけてください。
    1.高い 2.やや高い 3.やや安い 4.安い

問5 あなたの日常生活における、公共施設の必須度について、最も近いもの1つに〇をつけてください。
    1.なくてよい、2.あれば使う、3.あると助かる、4.なくてはならない

 

公共施設として挙げられているものは市内のすべて公共施設で、その中には小中学校の体育館も入っています。
それら1つ1つについて、上記の設問に答えます。

驚いたのは「問5」です。
あなたの日常生活における、公共施設の必須度」をそれぞれの公共施設について答えよ、という設問です。
しかし「日常生活における公共施設の必須度」とは、いったい何でしょうか?

日ごろ比較的頻繁に使っている施設は必須度が高いのは、まぁ当然でしょう。
しかし、日常生活では使っていないけど必須度が高い、必要な施設がある、と思います。

例えば、小中学校の体育館は子供がいない大人の日常生活にとって必須ではないけど、子供たちにとっては非常に必須です
そういうのは「日常生活における必須度」は、高いのでしょうか?低いのでしょうか?
なんと答えたらいいんでしょうか?

公共施設ではありませんが、一生に一度もお世話にならないかもしれないけど、消防署は必要ですよね。
自分の「日常生活」からみて必須か?と問われて、いったいなんと答えたらいいんでしょうか?

そもそも公共施設の必須度を「日常生活における」という限定をつけて聞くことの意味はいったいなんでしょうか?

その裏に、質問者の意図を感じます。
問1から問4で「利用する」施設について設問しておいて、問5で「日常生活における」と設問する。
まるで「利用していない施設は必須度が低いですよね!」と誘導尋問をしているような設問ではないでしょうか。
また、公共施設は「利用度」だけで必要性の有無を判断できるのでしょうか。
利用度が低いとしたら、なぜ低いのかを掘り下げるべきではないでしょうか?

 

3.今後の公共施設のあり方についてお聞きします。

問6、問7:省略

問8 市の公共施設は、昭和40年代から50年代に建てられたものが多く、古くなった建物の建替が必要な時期が集中して訪れます。一方で、人口減少等により公共施設の利用状況が変化していくことを踏まえると、今あるすべての公共施設の機能を維持し続けるかどうかを検討する必要があります。こうしたことは、全国的な傾向ですが、あなたは、このような状況をご存知でしょうか。
   1.知っている 2.聞いたことはあるが 詳しくは知らない 3.知らない

問9 今後、公共施設の老朽化や更新により、今まで利用していた施設が利用できなくなったり、利用料金が値上がりしたりすることもあります。このことに対して、あなたのお考えに近いものをお答えください。
   1.理解できる 2.ある程度なら理解できる 3.理解できない

問10 今後、公共施設の量を減らす方向で検討することになった場合、どのような施設を減らしていくべきだと考えますか。(複数選択可)
   1.老朽化が著しい施設 2.利用者が少ない施設 3.市民の需要に合わない施設
   4.一部の個人・団体しか使われない施設 5.同じような用途で重複している施設
   6.維持費用が掛かりすぎる施設 7.公共性が低い施設 8・その他

問11 今後、公共施設の建て替えや修繕をするための費用が足りなくなった場合、あなたはどのように対応するべきと考えますか。
   1.公共施設を縮小・廃止するなど、無理な負担をなくすような数にする。
   2.利用者が負担すべきであり、利用料金を値上げする。
   3.他の公共サービスを削減し、費用を確保する。
   4.市民が負担すべきだから、税金を上げる。
   5.地方債の発行など、市が借金をして整備する。
   6.わからない。
   7.その他

問12 似たような施設があるなどの理由で、施設規模の縮小も止むを得ない、必要がないと思われるものがあれば、具体的な施設名とその理由をお聞かせください。
(以下、省略)

 

これまた恐ろしい誘導尋問式の設問です。
まず、問8で、今あるすべての公共施設の機能を維持し続けるかどうかを検討する必要がある、と問題状況を設定します。
問9で、施設が利用できなくなったり、利用料金が値上がりしたりすることもあると、今後の検討方向を誘導します。

このように状況を設定した上で、問10で、公共施設の量を減らすから、どのような施設を不要とするのかの基準を選べ、と市民に迫ります。

そして選択肢として示されたものは、削減する基準ばかり。
「よくわからない」とか「一概には回答できない」という選択肢は用意されていません。

ところで公共施設の廃止の理由は、一律に選択できるものではなく、施設の性格によって様々のはず。

「利用者が少ない施設」とか、「一部の個人・団体しか使われない施設」でも、その必要性があれば維持しなければいけないでしょう。
例えば、幼児とその親しか使わない施設は、「一部の個人・団体しか使われない施設」だから不要なのでしょうか?

さらに驚いたのは「公共性が低い施設」という選択肢の存在です。
公共施設なのですから公共性が低い場合は廃止してもしかたがないでしょう。
しかし、「公共性が低い」とは、いったいどういうことを指しているのでしょうか?
小学校の体育館は、小学生しか使わないなら、公共性が低く不要な施設でしょうか?
いったい何が「公共性」なのかを、施設の性格・目的に応じて検討するべきなのではないでしょうか。

 

問11は、公共施設の建て替えや修繕をするための費用が足りなくなるから、対応策を選べ、とまた市民に迫ります。

そもそも費用が足りない、というのは市の財政そのものの問題です。

先の市長選で、市内の新興住宅地に中学を新築するかどうかが、重要な争点になりました。
既存中学校の改築で対応するとした元市長の政策を継承する新人と、中学校新築を掲げた新人が争い、後者の新人が市長になりました。
今もひっ迫している市の財政は、将来的にはさらにひっ迫するので、当然「費用が足りなく」なります。
それを前提に、今後の対応策を選べ、というわけで、ずいぶんと高飛車な質問です。

私の回答は、まずは中学校施設を白紙にもどせ、です。
新興住宅地の新設中学校は、将来的には空き教室がいっぱいできて、「利用者の少ない施設」になります。
「1.公共施設を縮小・廃止するなど、無理な負担をなくすような数にする。」まさに、これです。

それはいいとして。(ホントはよくないけど。)
どの施設を縮小・廃止するかは、個別案件毎に検討するべきでしょう。
支出の削減方法は、一般論ではなく、各施設の性格に応じて異なってくるはずです。
十把一絡げにして質問するアンケートにいったいどんな意味があるのでしょうか?
大いに疑問となるアンケートです。

しかし実は、市にとってこのアンケートは十分に意味があるのかも。

個々の施設の必要性について設問すると、回答者はその施設のあり方に真剣に回答すると思います。
逆に抽象的な設問なら、回答者各自のイメージで抽象的な回答をすることになります。
しかも選択肢は、市の当局者にとって都合のよいものしか用意されていません。
だからアンケート結果は、自動的に市にとって都合の良い回答が得られます
そのように設計されたアンケートなのでしょう。

こうしてアンケートから得られる結果は、お手盛りの回答でしょう。
それをもって、市民の方々の意向にそった行政=施設の縮小、支出の削減を行います、というのでしょうか。
そういう姿勢でいいのかしらと、ほとほと呆れてしまいます。


 
nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0