富山ブラック・元祖の味は、ショッパイのではなく旨い 喜八@富山市 [ 愛しき食堂]
富山市に行った時のことを記事にします。
弊ブログに時々登場する巨漢のKさんは富山市出身。
そのKさんのソウルフードは富山ブラックラーメン。
「富山市に行った時には、ぜひ本物の富山ブラックラーメンを食べてください!」とKさん。
でも富山ブラックって、真っ黒くって、しょっぱいんでしょ?身体に悪そう・・
と引き気味のとんちゃんに。
「本物の富山ブラックは、
ただショッパイんじゃなくって、美味しいんです!」o(>▽<)o
そう力説するKさん。
富山ブラック発祥店は「大喜」。
かつて高校球児だったKさんは、そのブラックラーメンを頻繁に食べたそうです。
しかしいまや、かつての「大喜」はない。
「西町大喜」というのがあるけれど、その味は「大喜」とは全く違います。
「大喜」の味を継承しているお店に、ぜひ足を運んで、味わってみてください!
・・・というKさんに促されて、元祖ブラックラーメンの味を守るお店に向かいました。
しかも、元祖ブラックラーメンを食べるための秘策もしっかり伝授されました。
富山駅北口から港町に向けて走る富山ライトレールに乗り、奥田中学校前で降りて、商店街を少し歩きます。
歩道に【富山ブラックラーメン】の幟。
「お食事処 喜八」さんです。
店名は一見、食堂のようですが・・・
行燈には「とやまブラックラーメン」の絵文字がしっかり書かれています。
ここがKさんに「ぜひ行って!」と勧められたお店です。
そして「富山ブラック」のポスター。
フジテレビの「美味しんぼ塾 ラーメン道〜日本全県グランプリ〜」(2007年1月16日放送)に、ここ「喜八」が出場したんだそうです。
ここ「喜八」と「大喜」との関係は、最後にご紹介します。
では、お店へ入りましょう。
店内は意外にも、モダンで明るい。
左手に2人掛けのテーブルが並び、右手にカウンター席があります。
さて、ここでKさんから授かった秘策を実行します。
秘策その1:ご主人に近いカウンター席に座る。
だから厨房のご主人に一番近い、カウンターの一番手前の席に座りました。
メニューを見ると・・・
おぉっと!(*゚Д゚*)ェ…
【富山ブラックラーメン処 喜八】とあるじゃないですか!
「お食事処」じゃなくって「富山ブラックラーメン処」じゃないですか!
メニューは・・・富山ブラックラーメンと越中ラーメンの2種だけ。
しかも富山ブラックは、並720円、大1,030円という、高めの料金です。
では「ブラックラーメン1つ!」とオーダーしましょう。
待ったぁー!(x_x) ☆\( ̄ ̄*)
そんな単純なオーダーでは、元祖ブラックラーメンをいただけません。
ここでKさんに授かったもう1つの秘策を使います。
秘策その2:オーダーの仕方。
「昔みたいに、しょっぱいブラックラーメン1つ!」
すると、ご主人が、即、反応してくれました。
「ここのブラックラーメンには2種類あって、普通の味と濃い味があります。」とのこと。
「濃い味の方を!」と念を押しました。
そうなんです。
元祖ブラックラーメンの味は塩気が強すぎるので、普段は塩気を弱くしたものを提供しています。
でも元祖ブラックラーメンを味わいたい場合は、「濃い味で!」とオーダーする必要があるんです。
ラーメンが出来上がるまでの間、ブラックラーメンの解説を読みましょう。
【ご飯のおかずになるラーメン】
昭和22年、戦後の復興期に白飯入りのドカ弁を持ち込んで店にやってくる労働者のため、ご飯のおかずになるラーメンとして先代の師匠(高橋是康氏)が考案されたものでした。
約60年を経た現在、師匠の味にほぼ近い状態で作っています。
味の核となるのは、二か月間寝かした醤油ダレ。
富山産のものを含む4種類の醤油と特別な酒でチャーシューを煮て、豚の旨みを十分にタレに移し、2ケ月ほど寝かせたものが醤油ダレとなります。
喜八のスープは三階建て!
丼に第一のスープ二か月寝かせた特製醤油ダレ、続いて第二のスープは鶏の鶏ガラスープを注ぐ。第三のスープはメンマ・・・メンマに絡んでいるトロミのある煮汁に秘密あり。
ブラックラーメンの美味しい食べ方
ちょっと待て!食べる前にまず混ぜよ。
普通に食べたんじゃあ本当のブラック味がわからない。
幾重にも積み重なった具とスープをとにかくひっくり返して混ぜる。
これが一番大切な作業だ。
食べるにつれだんだん美味しくなって、食べ終わる頃が最高に美味しくなってくる。
胡椒が大丈夫な方は、タップリかけてもより一層美味しくなること請け合いだ。
ふーむ、なるほど・・・と考えているとラーメンが到着です。
濃紺の反高台丼に入ったラーメン。
◆富山ブラック(濃口)
丼には真っ黒なスープ!( ̄□ ̄;)!!
見えるのは、スープから浮き上がったメンマと、散らされたネギのみ。
真っ黒なスープに沈むであろうチャーシューや麺は・・・全く見えない。
聞きしに勝る黒さです。
こんな黒いスープは初めて目にします。
スープを1口・・・
しょっぱ・・・ (*'ρ'*)
でも・・角のない、まろやかな塩辛さです。
ん?・・え?・・・あれ?・・・これは・・・
う、うんまー!o(>▽<)o
強烈にしょっぱい。たしかに、しょっぱい。
しかし、実にまろやかな塩辛さなのです。
そして、その塩辛さの奥から、しょっぱさに勝るほどの強さで、旨味が押し寄せて来るのです。
なんだ!このスープは?!
しょっぱいのではなく、こいつは旨いぞ!w(*゚o゚*)w
しょっぱ旨スープに浸って、黒く染まる麺をいただきます。
中太で縮れのある角麺は、やや低加水率で塩旨のスープを吸い込んでいるから、実に旨い。
ヤバい旨さです。
「本物の富山ブラックは、ただショッパイんじゃなくって、美味しいんです!」
そう言ったKさんの言葉が思い出されます。
ご主人!このラーメン、しょっぱいだけじゃなくって、すごく旨いよ!(*^^*)
そんなことから、ご主人からいろいろと話を聞くことができた。
先代が「ご飯のおかずになるラーメン」を作っていくうちに、だんだんと味が濃くなった。
だけど、今はしょっぱい味は好まれないので、普段は薄味にして提供している。
ほかのラーメン店はスープ(出汁)にこだわって、出汁の味で旨味を出しているけど、このラーメンはタレの味で旨さを出している。旨みを凝縮させたタレをお湯みたいなスープで割っている。
なるほど、その秘伝のタレが、旨さの秘密なんだな。
メンマもしょっぱいのかと思ったら、意外にも普通の塩加減。
普通の辛さに合わせて、薄味に変更したようです。
チャーシューは醤油の味がしっかり浸みこんでいる。
そのチャーシューが、1枚だけでじゃなくって、いっぱい入っている。
まるでチャーシューメンみたいだ。
並720円という料金は、すいぶん高いと思ったけど、チャーシューメンの料金と思えば、安いくらいだ。
これも「おかずになるラーメン」というコンセプトからだそうだ。
だから、ご飯と食べるのが旨いんだよ。とご主人!
あっ!そうだった!( ̄□ ̄;)!!
「ライス下さい!」
そう、ブラックラーメンはご飯といっしょにいただくラーメンなんです。
◆ライス
白飯といただく。
しょっぱくて、旨みのあるラーメンはご飯に実に合います。
チャーシューがまた、旨い。
とんちゃんの人生で、最も旨いラーメンライスです。(*´▽`*)
旨かったぁ・・。
ラーメンライスを食べ終えて、ご主人とお話。
このラーメンの味は黒胡椒と合うんだよ。と、ご主人
あ” っ!( ̄□ ̄;)!!
黒胡椒だった!
「富山ブラックは黒胡椒が旨いんです」って、Kさんに聞いていたんです。
そのことをすっかり忘れていました。
カウンターに置かれた黒胡椒。
それを慌ててスープにかけるとんちゃん。
黒胡椒をかけたスープ・・・
うんまー!o(>▽<)o
このしょっぱ旨いスープに黒胡椒をたっぷりかけると、香ばしさが旨さを倍増します。
以前は、ブラックペッパーをかけて出していたんだけど、胡椒が苦手なお客がいたので、今では胡椒をかけずに出しているそうです。
おかげで、ブラックペッパーがかかった富山ブラックを食べる、という富山ブラック最高の味を逃してしまいました。
非常に不覚でした。
濃口の富山ブラックをいただくと・・・喉が渇きます。
お水をしっかりいただきましょう。
ん?おや?おいおい!なんだぁ?この水。
すっごく旨いぞ!
ご主人、この水、すっごく旨いけど、何の水なの?
ただの水道水、ですって。
でもその水道水がただものではない。
富山市の水道水は、折り紙つきに旨いのです。
そのただの水道水をペットボトルに詰めた「とやまの水」が、あのモンドセレクションに出品されて、なんと2013年度以降6年連続で金賞を受賞している、というのです。
さて、話を富山ブラックに戻します。
先代の師匠高橋氏のお店は「大喜」で、ここのご主人もそこで働いていました。
あるときテレビで取り上げられ、そのときに「富山ブラック」という名で紹介されたことが、その名の始まりだそうです。
2000年に現在の西町大喜を運営する会社に「大喜」の暖簾と西町大喜本店の店舗が譲渡される。
しかし先代とともに働いていた2人は、その運営に反発して退職し、ここ「喜八」を創業。
1人が現在のご主人です。
もう1人は現在は市内で居酒屋「中嶋」を営み、そこでも大喜由来の富山ブラックをいただくことができるらしい。
ここのブラックラーメンのスープがあまりにも旨いので、持って帰りたいくらいです。
次回、来る機会があったら、ブラックペッパーをかけてラーメンをいただきます。
そして持参した容器にスープを入れて持ち帰りたい。
「本物の富山ブラックは、ただショッパイのではなく、美味しいのだ!」
というKさんの熱い語りはたしかに本当でした。
お店を後にしたとんちゃんはすぐにKさんに電話して、喜八のラーメンが旨かったこと、そしてここを紹介してくれたことをとても感謝していることを伝えました。
ごちそうさまでした。
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富山出身のものとして、来ていただいて
富山ブラックを美味しいと言って頂いてありがとうございます♪
私はこちらは行ったことないですがw
でも水が美味しいので米も酒も美味しいので
そちらも是非味わってください(^^
by キーマetカルマ (2017-12-26 09:36)
> キーマetカルマさま
富山のご出身でしたか!
いやぁ、富山は魚も酒も水も米も実においしく、いいところでした。
また行きたいところのベスト5に入ります。
by とんちゃん (2017-12-27 06:21)
巨漢のKさんとも同郷と知って
親近感が益々アップしました(^^
また是非いらしてください♪
by キーマetカルマ (2017-12-27 09:59)
> キーマetカルマさま
巨漢のKさんは、辛い物は苦手ですけど、美味しいものに目がありません。
その味覚は富山の産物のおかげと思います。
そう思うとさらに富山に行きたくなります。(笑)
by とんちゃん (2017-12-28 09:47)