富山市の路面電車、北前船で栄えた岩瀬を観光 [旅行先]
富山市に行った時のことです。
元祖の味に最も近い富山ブラックラーメンを「喜八」さんでいただいてから、少し観光。
江戸時代に北前船で栄えた港町・岩瀬へ向かいました。
いつもなら写真をバチバチ撮るんですけど、カメラの電池が切れそうなので、節約気味に撮ってます。
カッコイイ市内電車 |
富山市内では、カッコイイ電車が走っています。
車両はどんな風にカッコイイかというと・・・
こんな感じです。
車両はLRV(Light Rail Transit)、日本語では「低床式車両」。
床が低くて、ホームから段差なしで車両に乗ることができます。
2車体連接の車両で、この車両は赤い色ですけれども、全部で7色あるそうです。
ついでに、いくつか紹介します。
電車の中はこんな感じに細長いです。
富山地方鉄道の方の路面電車も、カッコイイです。
新型のセントラム。
これもLRV(Light Rail Transit)です。
こういうモダンな車両もいいですが・・・
岩瀬の街並み |
さて、最初の赤いポートラムに乗って、北前船で栄えた岩瀬へ向かいました。
降りたところに、東岩瀬駅のかつての駅舎があります。
(駅舎の写真はパス。)
観光マップには載っていない「富山市立岩瀬小学校」。
看板が実にユニーク。これ、子供がつくったらしいです。
以外に古い建物があったりして・・・なんて思って敷地内に入ってみると・・・
「樵夫」(しょうふ)と台座に書いてある。
樵=きこりです。
いったい誰が創ったものでしょうか?
作者は岩瀬出身の高桑文雄。
彫塑家小倉右一郎に師事し、昭和7年(1932年)第13回帝展(現・日展)にこの「樵夫」を初出展して入選。翌年、それを岩瀬小学校に寄付しました。
1934年に「円盤」を第15回帝展に出展して再入選。
1935年に第三部彫刻展に「投槍」を出展して特選第一席を得る。
しかし1936年に、26際の若さで急逝した。
1933年に小学校に寄贈され、1996年にこの像が鋳造されたそうです。
実物は校舎内にあるのかもしれません。
ちなみに「円盤」は京都大学に、「投槍」は富山県森林水産会館にあるそうです。
意外なところで、意外なものを拝見しました。
では岩瀬の街を見ましょうか・・・
「食堂天保」さん。昭和26年(1951年)創業という、えらく古い食堂です。
築200年の土蔵を使っているそうで、白エビの料理が美味しいってことを後で知りました。(残念)
この蔵元は、岩瀬から北海道旭川市に渡って酒造業を興し、1905年に岩瀬に戻って醸造を続けているそうです。
北海道由来の蔵元だというので、興味深いです。
せっかくだから、ここで満寿泉を購入・・・とも思ったのですが。
荷物が重たくなるので止めました。(軟弱です)
通りには古い商家がずっと並んでいます。
一番手前は旧岩瀬銀行(現北陸銀行)。
実はビルなのですけど、通りに面した部分は、昔の様子を再現しています。
「森」を名乗ったのは明治になってからのこと。
江戸時代には「四十物屋」(あいものや)を屋号にして、代々仙右衛門を襲名。
四十物屋は、北前船船主で商人でもあった回船問屋で、明治時代には金融業に進出したそうです。
明治6年の岩瀬大火で建物が焼失し、現在の建物は明治11年に再建されたもの。
だから森家の屋敷。
現在は富山市所有の国の重要文化財です。
「大正時代までは家の裏に神通川の船着き場があった」と解説してあります。
現在の富山港、かつての東岩瀬港は、神通川の河口にできた港で、神通川が港に注いでいました。
しかし河口にあるために、川が運ぶ土砂で港が浅くなるため、神通川の河口が付け替え。
そのおかげで港に大型船が接岸できるようになりました。
東京大倉製とあって、当時の東京大倉組が作ったもの。
大倉土木(今の大成建設)やホテルオークラを経営した大倉組のもの。
広間の床の間に版画が掲げられています。
作者は、あの棟方志功です。
倉敷紡績(クラボウ)、倉敷絹織(現・クラレ)の二代目・大原総一郎が、戦後にこの建物を購入したときのことです。
1950年に倉敷レーヨンが東岩瀬に富山工場を建設し、ビニロンの製造を行いました。
そのとき大原総一郎がここを気に入って宿舎として購入しました。
ビニロン製造に社運を賭けた総一郎は、「神通川」の読みが「陣痛」に通じることから、ビニロン工業化の「安産」を願って、ここを「晏山寮(あんざんりょう)」と命名しました。
そして親交のあった棟方志功に依頼して作成したのがこの版画で、「美尼羅(ビニロン)版画柵」と名付けられています。
そして版画には、総一郎の依頼でニーチェの『ツァラトストラ』の冒頭の文が刷られています。
その後、1978年にクラレが富山工場を閉鎖し、屋敷は富山市に無償譲渡され、現在に至っています。
(クラレ富山工場は現在、富山化学工業(株)富山事業所 富山第2工場)
そして版画は、倉敷市の大原美術館に移され、ここで展示されているのはそのレプリカです。
すると・・・・
あれは、なんだぁ?
船です。
でも、ただの船じゃない。
海に浮かんでないんです。
近くにあった消防船の人に伺ったら・・・台風21号で座礁したんだそうです。
あらまぁ・・・。
10月23日未明、係留中の西アフリカ・トーゴ船籍の貨物船「REAL(リアル)号」(1798トン)が岸壁も結んでいたロープが切れて流され、消波ブロックに衝突して船体に穴が開き、エンジンルームが浸水したそうです。
解体して、撤去されるのでしょう。
※調べてみたら解体ではなくて、船底にたくさんある穴を塞いで船を浮かし、熊本県まで曳航(えいこう)するそうです。
2018年1月20日ころの予定だそうです。
予期せぬショッキングな現場に遭遇してしまいました。
さぁて、このあと、もう1つ行きたいところがあるんですよ。
観光するところ・・じゃなくって、食べるところ。( ^∇^)
そのための腹ごなしに、町並みを眺めながら歩いてみたんです。
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