府中駅東口商店会の庚申塔と徹夜の宴会 [旅行先]
昨日の記事で紹介した府中駅東口商店会の看板。
「庚申様」(こうしんさま)と書いてあって、セブンイレブンの脇に「庚申塔」(こうしんとう)があります。
庚申様ってなに?
商店会とどう関係するの?
というのが、今日の記事です。
新宿庚申塔
まず「庚申塔」について。
(府中アーバンホテル本館 @東京 府中2011年08月09日の記事から)
セブンイレブンの角には、こんな塔が立ってるんです。
「新宿庚申塔」。
「しんじゅく」じゃなくて、「しんしゅく」と読みます。
府中はかつての宿場町で、府中三町と呼ばれた本町宿、番場宿、新宿(しんしゅく)によって構成されていました。
(TATSU**のブログ(東京都+川崎市の石仏)「各地の庚申塔(府中市-33)」より)
立て看板の説明では、建立されたのは1852年。横浜にペリーの黒船が来航した前の年。
府中新宿(しんしゅく)の庚申講の人たちが、この庚申塔を建てて、庚申様としてお祭りした。
そして、庚申信仰のことが書いてあります。
もう少し正確に説明すると・・
庚申信仰と庚申塔
庚申信仰は、元々は道教の説。
人の体内には三匹の虫・三尸虫(さんしちゅう)がいる。
頭には上尸、腹には中尸、腰には下尸がいて、その人の悪事を監視している。
そして庚申の日の夜、人が寝ると、天に登って天帝に悪事を告げ、罪状によっては寿命が縮める。
それを防ぐため 人々は、庚申の日の夜には、当番の家に集まり寝ないで夜明けを待った。
元来は、庚申の夜には謹慎して眠らずに過ごす、というものでしたが、平安時代には宴を催すようになった。
そして15世紀に会食談義を行って徹宵する風習として一般に広まった。
その催しが庚申待(こうしんまち)で、その集まりを庚申講(こうしんこう)とか庚申会(こうしんえ)と呼びました。
庚申の日は、60日に1回巡ってきます。なぜ、60日かは後で説明しますね。
だから年に6回も行う。
そして庚申待を3年=18回続けると、その記念に庚申塔を建立したのです。
2か月毎の徹夜の宴会を3年間もやったんだから、大したもんだわ!(*^^*)
巣鴨にある庚申塚は有名ですね。
もともとは1502年に建立された庚申塔があったそうです。
そして府中新宿(しんしゅく)に建立された庚申塔が、冒頭の写真です。
府中東口商店会の「庚申様の夜祭り」
(府中駅東口商店会のブログより)
庚申塔が立つ府中駅東口商店会は、1997年から「庚申様の夜祭り」をしています。
去年は8月27日に開催されていて、今年もあるんだろうと思います。
徹夜のお祭り、じゃなくって、昼から18時までです。
ま、徹夜で飲み明かす人たちもいるんでしょうけれどね。(*^^*)
庚申のこと
最後に「庚申」のこと。
庚申は「えと」の1つです。
「えと」というと、「十二支」をご存知ですよね?
子(ね、し)
丑(うし、ちゅう)、
寅(とら、いん)
卯(う、ぼう)
辰(たつ、しん)
巳(み、し)
午(うま、ご)
未(ひつじ、び)
申(さる、しん)
酉(とり、ゆう)
戌(いぬ、じゅつ)
亥(い、がい)
庚申の「申」がありますね。でも「庚」は?
実は、「えと」にはもう1つあるんです。
「えと」を漢字で書くと「干支」。「干」と「支」なんです。
その「干」は10通りあります。
甲(こう) | 木の兄=きのえ |
乙(おつ) | 木の弟=きのと |
丙(へい) | 火の兄=ひのえ |
丁(てい) | 火の弟=ひのと |
戊(ぼ) | 土の兄=つちのえ |
己(き) | 土の弟=つちのと |
庚(こう) | 金の兄=かのえ |
辛(しん) | 金の弟=かのと |
壬(じん) | 水の兄=みずのえ |
癸(き) | 水の弟=みずのと |
甲、乙はご存知ですよね?年配の方だと丙、丁もご存知かな。
この「十干」に、五行の「木(き)」、「火(ひ)」、「土(つち)」、「金(か)」、「水(みず)」をあてはめ、さらに陽をあらわす兄(え)と陰をあらわす弟(と)に分けたのが、右の読み方です。
さから庚申(こうしん)は、「かのえさる」とも言います。
ということで、「十干」と「十二支」と合わせた「十干十二支」が、本来の「干支(えと)」なんです。
で、その組み合わせは、60通り。
(10×12で120じゃありません。10と12の最小公倍数は60なの)。
なので、60年で干支が一回りして還ってくる。だから60歳で還暦なんです。
その干支が年じゃなく、日にもある。
それが庚申の日で、60日に1度ある。
弊ブログの左上に、「日めくりカレンダー」があります。(スマホ版じゃ見えないです。)
その日の右に、干支が出ています。
来る2018年7月27日は庚申の日です!
この日に徹夜で宴会すると、寿命が縮まなくていいかもしれませんぞ。(*^▽^*)
もちろん悪事を全くしていない善良な方々には関係のないことですが。
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