国産石臼挽きの二八蕎麦、手打ちだから数量限定 いさ美庵@茨城県阿見町 [ 茨城県]
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GWにカミサンのお母さんがやって来たので近隣を観光。
戦中に青春時代を迎えた義母なので、阿見町にある予科練平和記念館へ行き、その後、近くにあるお蕎麦屋さんへ。
そこが実に旨かったんですよ。
「生そば いさ美庵」の看板が目印。
【国産石臼挽そば使用】と書いてある。いいじゃないですか。
お店は木造の一軒家。
玄関には「手打ち蕎麦」の行灯。ますます、いいですね。
写真は、帰り際に撮っため暖簾がなくて、【売切れ完売】の札が下がってます。
このお店は、手打ちの蕎麦を売り切ると閉店するんです。
だから食べられないこともある、という数量限定の蕎麦店です。
「御膳 きそば」の古い看板が掛かっています。
「きそば」は「生蕎麦」のこと。生の蕎麦のことではなく、「生粉打ち蕎麦」すなわち「十割蕎麦」のこと。でも実際には二八蕎麦が普通で、もっと蕎麦粉の割合が低いお店もあります。
「御膳蕎麦」は、本来は更科蕎麦のことですが、上等な蕎麦という意味で使われるようになっているみたい。
私たちが食事をしているときに、店内に収納されちゃった暖簾。ここにも「御膳 きそば」が白抜きされています。
店内はテーブル席3卓、小上がりに3卓。
テーブルの天板は、厚さ20センチほどもある分厚い一枚板。
昔ながらの木札に書かれたお品書きがあります。
メニューを見ると、もりそば640円から。かけはなくて、たぬきが660円。大盛りは220円。
この辺の蕎麦屋としては高いお値段です。
ご飯物は天丼、かつ丼の丼物と蕎麦屋定番のカレーライスがあります。
セットメニューは、天丼、かつ丼、ねぎとろ丼。蕎麦は「もり」か「たぬき」が選べます。
夏季メニューは、冷やしたぬき、冷やしきつねなどがあります。
壁には、にしんそばや一品料理。イベリコ豚の肉汁うどん・そばなんてのがあるわ。
【本日のそば粉 鹿児島霧島産】と書いてある。
信州・長野だとか北海道だとか、あるいは常陸秋そばだとか、有名産地の名を一年中掲げているお店はいっぱいあります。でもこんな風に、「今日の」なんて期間を絞って、しかもや点的な狭い産地を限定して表示するお店なんて、見たことありません。
オーダーは、カミサンはお決まりの冷やしたぬき。お婆ちゃんもそれに。
とんちゃんは、かつ丼セットをもりそばで。
◆冷やしたぬき
漬物がついています。
キュウリ、ワカメ、ナルト、揚げ玉がトッピングされています。
◆かつ丼セット
店名入りの箸袋から割り箸を取り出して、いただきます!(合掌)
蕎麦は、長方形の角ザルに盛られている。
麺の量は、お上品なチンマリ量ではなく、この辺では普通のしっかり量です。
蕎麦はやや薄い茶色で、透明感があります。
つまんで食べてみるとほのかにソバの香り。のど越しが柔らかい二八蕎麦です。
そば汁は本鰹メインらしく、出汁の香りが柔らかい。味は、甘すぎず、辛すぎず。美味しい汁です。
その汁につけた蕎麦をすすると、ソバの香りが鼻腔を抜けます。
蕎麦を食べ終わって、蕎麦湯で割ったそばつゆが、また旨い。
何度も蕎麦湯を足して、だんだんと薄くなっていくそばつゆをいただきました。
カツ丼はややミニサイズ。
卵の白身が帯状になっている。白身と黄身を分けてかけたんだろうか。
肉は、ぶ厚くはなく、柔らかい。
衣が厚めで、出汁を吸い込んだ衣を味わうタイプのカツ丼です。
豚肉の旨み、汁の旨み、さらに油のコクを衣が吸収。そこに卵の旨みが加わる。
それが蕎麦屋のカツ丼ですよ。
このカツ丼は、まさにそれを体現している。
蕎麦には漬物がついてます。キュウリと大根の漬物、自家製ですね。
食べ終わってご主人と少しお話。
お店は、大森にある「いさ美庵」からの暖簾分けだそうです。
この道25年という紹介がネットにあって、ご主人が初代らしい。
ご主人は東京(足立?)のご出身だそうですから、縁あってここにお店を開かれたのでしょう。
木製の看板やお品書きの木札がずいぶん古いけど、もしかしたら大森のいさ美庵から譲り受けたものかも?
石臼挽きのソバ粉を二八で打っている蕎麦です。
以前は常陸秋ソバを使っていたようですが、いまは時期によってソバの産地を替えて最適な味を出すようになさっているようです。
蕎麦の研究に熱心で、大森いさ美庵が会員の「品川蕎麦の会」に出ているらしく、そのため今の時期は霧島産ソバ粉を使い、粉の粒子の大きさにも気を配っているそうです。
ちょっと高いな?と思った蕎麦は、その料金以上に美味しいものでした。
こんなところに、こんな美味しい蕎麦屋があるなんて感動です。
次回、この近辺にカミサンと来た時には、ぜひ立ち寄りたいと思います。
ごちそうさまでした。
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