ベトナムの国民食はフォーじゃなくてブン、珍しい太麺ブンの料理あります クアン アン クアン@茨城県土浦市 [ 茨城県]
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ベトナムの麺料理というとフォーが有名。
でもベトナムの国民食は「フォー」じゃなく「ブン」だ!とも言われています。
どちらも米粉から作った米粉麺で、フォーは平麺。しかしブンは丸麺。「ブン」を「うどん」と表示しているお店もあるけど、米粉麺だから、小麦麺のうどんとは違います。
そんなブンを取手の「ミイミイフォー」さんで汁あり麺とつけ麺でいただいてます。
⇒ベトナムの国民食はフォーじゃなくてブン?!
⇒ハノイ名物のつけ麺にベトナム定番の揚げ春巻き
ジョイ本荒川沖店の近くにベトナム料理店があることを「大食い」さんや食べログの記事で知りました。その記事のメニューをよく見ると・・・
なんと、珍しい太麺ブンの料理がある!
普通のブンは細麺です。でも特別な料理でだけ太麺のブンが使われているんです。
その太麺ブンの料理を食べてみたくてお店に向かいました。
場所は、国道6号沿い、ジョイフル本田、土浦市第三中学校のさらに北。
横断歩道協の脇にあるクリーム色の建物。看板がないので目立たないお店です。
建物に向かって右側に駐車場があります。しかし歩道の縁石が切れている車の進入路が、店の出入口の前にあるため、その進入路から駐車場までは歩道を通過しないと行けませんので、ご注意を。
500mほど離れたジョイ本での買い物がてら、ここまで歩く方がいいかと思います。
建物に向かって左側、シャッターが閉まっているところは「Chợ việt tsuchiura」(ベトナム市場土浦)というベトナム食材のお店。そこが併設するレストランです。
壁には「Ka Ra O Ke」の文字。
「Việt karaoke」というベトナムカラオケのお店だったんです。それがベトナムレストランに転換したわけ。
「Quang Anh Phở」(クアン・アン・フォー)のポスター。これがレストランの店名はかと思いきや・・・
「Quang Anh Quán」(クアン・アン・クアン)さんです。
「Quang Anh」は人の名前、「Quán」は「店」だから、「クアン・アンの店」という店名みたい。ベトナムのハノイやダナンにも同名のレストランがありますが、きっと関係ないですね。
ドアに日本語のメニューが貼ってあるので確認するといいですよ。
店内は明るく清潔で、4人掛けテーブル4卓、2人掛けテーブル1卓があります。
店員さんは、愛想がいい若いお嬢さん1人だけ。
ベトナムの民芸品が飾られた店内にはベトナムの音楽が流れていて、ベトナムの雰囲気を盛り上げています。
天井にはベトナムの提灯。
ザルに描かれた惣村風景。
かにやら掛け軸。「năm mới vinh hoa phú」(栄光と富の新年)と書いてあるみたい。
お店の奥にある2人掛けテーブルに席を取りました。
フロア係りのお嬢さんがやってきて、「ライスの料理もあります」と言って、スマホで料理の写真を見せてくれます。メニューにご飯物がないんですって。
ベトナムで印刷した新しいメニューが来週届くと言ってます。
でも「今日はブンを食べようと思っているので大丈夫、ありがとう」とお礼しました。
さて、メニューを見ましょう。
「Bún」(ブン)。ありましたよ。
ベトナムではフォーよりもよく食べられているという「ブン」。(ベトナム北部ではフォーがよく食べられるが、南部ではブンやフーティウという麺がよく食べられているらしいです。)
1.「Bún thịt nướng」(ブン・ティットヌン):豚の焼肉(ティットヌン)などが具材の汁かけ麺のブン。
2.「Bún đậu mắm tôm」(ブン・ダウ・マムトン):ベトナム北部の料理。具材は豆腐(ダウ)で、「マムトム」というエビを発酵させた調味料をつけて食べるブン。マムトムがかなり臭くて、ベトナム人でも好き嫌いがあるそうです。
3.「Phở bò」(フォー・ボー):具材が牛肉(ボー)の汁あり麺のフォー。
4.「Bún bò Huế」(ブン・ボー・フエ):ベトナム中部の都市フエの名物料理。具材が牛肉(ボー)の汁あり麺のブンですが、通常の細麺ではない太麺のブンを使います。
5.「Bún nem lụi」(ブン・ネムルイ):これもフエの料理で、具材がつくねの串焼き(ネムルイ)のまぜ麺のブン。
※上記以外のメニューは単品なので最後に掲げます。
太麺のブンを使った「ブンボーフエ」。これを食べてみたかったんです。
なので迷わずにオーダーしました。
テーブルの上に調味料が置いてあります。しかしテーブルによって置いてある調味料が違うんですよ。
とんちゃんのテーブルにあるのは・・・
ベトナム産チリソース。
「サテトム」という辛味調味料。
唐辛子、乾燥エビ、砂糖、にんにく、食塩、レモングラスをすり潰し、大豆油と混ぜたペースト状調味料。
そして唐辛子入りの酢。
中にタケノコが入っていて、発酵している感じ。なんだろ、これ。
別のテーブルには、ヌクマム(タイではナンプラー)がある。
そして「ドライサテチリ」。サテトムより汁気がないみたい。
しばらくして料理がやってきました。
◆ブンボーフエ
丼に入った麺。別皿に生野菜が盛られています。
スープは醤油ラーメンみたいな色で、具材がいろいろトッピング。
スープは牛肉の出汁にナンプラー(ヌクマム)の味。美味しいです。
麺は太麺の米粉麺。
そして麺が長~い!
平麺のフォーじゃなくって、丸麺のブン。
しかも普通のブンは細麺だけど、ブンボーフエに使う麺は太麺なんです。
見た目はうどんみたいだけど、うどんのようなコシはなく、むにゅとしてる。柔らかいのとは違う、独特の食感です。
ブンもフォーも米粉から作ります。小麦粉は入ってなくて、したがってグルテンが含まれていないから、コシ(腰)なんてものはあるわけがない。タピオカ粉やデンプン粉を混ぜて食感を変えているものもありますが、小麦粉を使ったうどんとは全く違います。
※ブンは中国のビーフンがルーツですが、製法が少し違います。フォーとブン、ビーフンの製法の違いは最後に書きます。
さて、ここでベトナム式の麺の食べ方のマナーについて。
1.麺をすすらない。
麺は、スプーンやレンゲにのせて食べる。あるいは、すすらずに口の中に入れる。ベトナム人は欧米と同様に、”めんをすする”という習慣がないそうです。だからすすりたくても、すすれないみたい。
2.どんぶりを持ち上げない。
丼を持ち上げてスープを飲む、というのは絶対にしないそうです。
日本人にはかなり酷なマナーですよ。
レンゲにのせて食べよう、と思ったのですが。レンゲが小さすぎて麺がおさまらない。
なので箸で直接に口に運び、すすらずに食べました。
トッピングの牛肉。
歯ごたえのしっかりした、味付きの牛肉。
これは?
「cha lua」(チャールア)というベトナムソーセージ。
ペースト状にした豚肉に片栗粉を加えて棒状にして加熱したもの。「ベトナムハム」という紹介もあるけど、丸くて太いソーセージ。ボロニアソーセージみたいです。食感は魚肉ソーセージに似ていて、懐かしい。
(昨日の記事ではバインミーで食べてます)
緑の刻みネギみたいなのはワケギ。
青い部分は小口切りにしてあるけど、白い茎の部分は長いままでトッピングしてる。
お皿に盛られた生野菜。千切りのキャベツとニンジン、生モヤシ、キュウリ。
サラダかな?と思うけど、これも麺の具材なのね。
スープの上にトッピングしていただきました。
これはなんと、豚足!
茹でた豚足。すごい具が入ってるわ。
調味料を加えてみましょう。
唐辛子酢を入れると、味が引き締まります。
サテトムを垂らしてみた。辛さより、旨味が強い調味料ですね。
チリソース。容器からなかなか出ないぞ、と思ってギュッ!と握ったら、ドバっ!と出て来ちゃって、慌てました。辛味だけの調味料ですが、激辛じゃないです。
麺の量はそこそこありました。
大盛りにもできるみたいなので、次回は大盛りにしてみたいな。
食べ終わったところで、太麺ブンの原形を見せてもらいました。
商品名が、まさに「ブンボーフエ」。太麺のブンは、この料理にしか使わないですからね。
日本名の商品名はビーフンになるんだぁ。
レストランを出た後、お隣のベトナム食材店に入ってみました。
ママさん(たぶんオーナーの奥さん)が乳児をハンモックに寝かせています。
店内には小さいながらいろんな食材があります。
その中で気になったのはこれ。
春巻きの皮。
右が「生春巻きの皮」。日本でもよく見かけるタイプで、水に濡らして柔らかくして使います。
左は「揚げ春巻きの皮」。何が違うかと言うと、非常に薄い、そして柔らかい。だからこのままで具材を包めます。
スープの素。写真は、フォーボー(牛肉フォー)用とブンボーフエ用。
さっきいただいたブンボーフエのスープは、このスープの素で作っているのか?って奥さんに聞いたら、これをベースにいろいろ加えているそうです。
ONG CHA VA スープの素
ブンボーフエ牛肉風味 1箱
VIEN GIA VI BUN BO HUE ONG CHA VA 1 hop
- 出版社/メーカー: NOSA FOOD
- メディア:
フォーとブン、そしてビーフンの製法の違い。
形状がフォーは平麺、ブンは丸麺ですが、製法も違います。
水に浸した米を挽いて生地(ペースト)を作ります。
フォーは、薄く平らに伸ばした生地を熱し、出来上がった薄く平たい麺を細く切る。手作業の場合は、蒸し機の上に張った布にトロトロの生地を延ばして蒸し上げ、冷やしてから切ります。機械製法の場合は、熱した鉄板に生地を延ばして加熱し、端から切っていくらしい。乾麺で販売されます。
ブンは、生地を押し出し式製麺機からトコロテンのように出して、すぐに茹でる。生麺でも食べますが、乾麺で販売されます。
中国のビーフンは、生地を加熱してから押し出し式製麺機で麺を作り、そのまま熱風乾燥するか、茹でてから乾燥させます。
以下は、メニューです。
メニューのトップはベトナム鍋料理「Lẩu」(ラウ)。
鶏にアヒル。カエルもある!(*゚Д゚*)ェ…
dô nhậu:酒のつまみ
バンダネン:春巻きの皮(ライスペーパー)のことですが、揚げ春巻きみたい。生春巻きもあるのかも。
ネムチュア:発酵ソーセージ。フエの名産。
ネムブイ:たぶん豚皮、その細切り。
豆腐とマートン:マートンはさっきの発酵調味料「マムトム」と揚げ豆腐。
チャカ:さつま揚げ、魚のすり身揚げ
đồ ăn vặt:軽いつまみ。
豚ハーム:ベトナムハム
ジョータイ:豚耳のハム
バンセオ:お好み焼き
ネムチュアラン:発酵ソーセージのフライ
Vịt(アヒル)、Gà(鶏)、Cá(魚)、nom(サラダ)。サラダは南部ではGỏi(ゴイ)ですが、北部ではNộm(ノム)と言うらしい。
「トッピング」って、鍋の具材かな。
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