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古波蔵保好『料理沖縄物語』-ラフテーの由来(7) [ 沖縄と食]

料理沖縄物語古波蔵保好『料理沖縄物語』(1983年、作品社)をamazon.comで手に入れました。

この本は、1990年に朝日文庫から再刊されていますが、両方とも今は品切れです(再刊されないから、要するに、売られていないってこと)。

そこで古書を手に入れたというわけです。古波蔵保好氏(1910~2001)は首里生まれの新聞記者、評論家、エッセイスト。ダンディーで料理通でも知られたらしい。「ラフテーの由来(5)」に書いたように、琉球料理「美栄」のオーナーでもありました。

その中には「美味なるらふてえ」というのがあります。そこで古波蔵氏の母の「らふてえ」の作り方を書いてありますが、それは現在のラフテーとは異なるものです。以下、長いですが、その部分を紹介します。

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『聞き書沖縄の食事』-ラフテーの由来(6) [ 沖縄と食]

ラフテーが保存食であったということについて、もう少し紹介します。

『聞き書沖縄の食事』という本が1988年に農山漁村文化協会から出ています。昭和初期の食事について聞き書きしているものです。
その中にラフテーについては次のような記述があります。

「二、三日かけてつくったらふてー・・・」(31頁)
「泡盛と砂糖を入れて七輪にかけ、二、三日がかりでゆっくり炊く。醤油は仕上がりの前に入れる。・・・温めなおして一か月もつので、多めにつくっておく。」(53頁)

泡盛と砂糖を入れて二、三日かけてつくる!
そして醤油は仕上げに入れる。
現在いろいろ紹介されているレシピ(数時間煮る)とは、完全に異なるものですし、醤油で煮込むトンポーローとは異なる料理法です。

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客膳料理か保存食か-ラフテーの由来(5) [ 沖縄と食]

沖縄の有名な料理の1つラフテー。琉球王(誰のことは不明)がトンポーローを好きになり、それがラフテーだという話がよく出てきます。またラフテーは宮廷料理だったと言われています。

ところが、非常に興味深い指摘があります。
沖縄の食文化研究家の安次富順子さんは次のように書いている。

「ラフテーは現在客膳(きゃくぜん)料理ですが、昔は保存食でした。

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ラフテーはトンポーローか?-ラフテーの由来(4) [ 沖縄と食]

ラフテーの語源は中国語のようだ、ということからラフテーの由来を考えてきた。

語源の中国語は「臘火腿」や「臘腿」のようだ、という考えを「ラフテーの由来(1)」で示した。
ここで止まればいいのだけれど、しかしもしもそうだとするなら、実はここから大きな問題が発生する。

ラフテーがもしもハムと関連する料理だとするなら、ラフテーの由来を次のように考えなければならなくなるのだ。そしてこれがラフテーのルーツに関する私の仮説だ。

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トンポーロー(2) <改稿> [ 沖縄と食]

「トンポーロー」で中国には有名な「東坡肉」がいくつもあることを紹介した。

有名なのは、黄州「東坡肉」、杭州「東坡肉」、江西永修「東坡肉」、江蘇の蘇(州)揚(州)「東坡肉」、雲南大理「東坡肉」、四川「東坡肉」の6種類で、さらに黄州「東坡肉」には3つの料理法があるとのこと。

中国の「東坡肉」の記事だ。簡単に紹介しよう。

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ラフテーは「臘火腿」か-ラフテーの由来(3) [ 沖縄と食]

ラフテーの語源をまだ考えている。

「ラフテーの由来(1)」では、ラフテーの語源は「臘火腿」だという説を紹介し、しかし意味からすると、「ラフテーの語源は、「臘火腿」じゃなくて「臘腿」なのじゃないだろうかと思う。」と結論した。

しかしそれに続けて「臘は北京語では「ラ」だけど、「ラフ」と言ったかもしれない。(中国語の方言)」なんて書いた。

なんだかはっきりしない書き方をしているのは、まさにあんまりはっきりわからないことがあったからだ。(汗)

というのは・・

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魯肉 [ 沖縄と食]

東坡肉に似た料理に台湾の「紅焼魯肉」があります。三枚肉の醤油煮込みのこと。読みは、北京語だとホンシャオルーローだけれど、台湾語だとアンシオローバーになる。その肉を刻んでご飯に乗せた「魯肉飯」というのも有名ですね。

「紅焼」というのは醤油煮込みの意味。おもしろいのは「魯肉」の方で、この字だけを見ると、魚料理みたい。でもそうじゃあなくて豚肉の料理なわけ。いったい「魯」とはどういうことかというと、ここがおもしろい。

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ラフテーの不思議(2) [ 沖縄と食]

「ラフテーの不思議」に次のように書いた。

沖縄語には母音が3つしかなく、「a」「i」「u」はあるけど、「e」は「i」に、「o」は「u」になる。そうだとするとラフテーの「テー」という発音はありえなくて、「ラフチー」とか「ラフティー」と発音するはずだ。

しかしこれは間違っていました。

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トンポーロー [ 沖縄と食]

琉球王朝時代に中国料理の「東坡肉」(トンポーロ)が伝授され、当時の琉球王が大変気に入って宮廷料理の一品になったのがラフテーだという。

その東坡肉は、北宋の有名な詩人・蘇東坡の名に由来するとされている。どこでそれを作ったかで、杭州だという説と黄州だという説とがあって、中国で本家争いをしているらしい。その話はそのうちに紹介したい。

ところで同じ「東坡肉」を巡って本家争いがあるのかと思ったら、どうもそうではない。東坡肉の作り方は1種類ではなく、中国には有名な「東坡肉」がいくつもあるのだそうだ。

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「臘火腿」を勝手に解釈しないで [ 沖縄と食]

ラフテーの語源はよくわからない。
しかしその語源が「臘火腿」だ、という説が、かなり広まっていて、いくつものサイトで出てくる。そういう説もありえるので、それはそれでいいのだけれども、しかしその言葉の意味をほとんどが誤って書いている。それをここで斬ってみよう。

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