北水さんでは、吉田屋とせきの屋の鱒の寿しを売っています。
どうちがうのか伺ったら、吉田屋はソフトで鱒の味がする、せきの屋のは昔流にしっかり酢で締めてあるそうです。魚が好きな人には吉田屋の方が人気がある、ですって。
うちのカミサンの好みからすると、フィッシーじゃない「せきの屋」の方が良さそうです。
大と小があって、小は鱒が一重で1300円、大は二重で2500円。
2人で食べるには小で大丈夫でしょう、ということなので、小にしました。
ということで「せきの屋」さんの鱒の寿しをお持ち帰り。
せきの屋さんは、明治11年創業創業で、四代のときに今日の暖簾にしたそうです。
紙袋から出すと、樽の上下に青竹を渡して、それにゴムバンドをかけて押しをしてあります。
箸などを取り出すとこんな感じ。
蓋の上に載っていたのは、「鱒の寿し」と印刷された箸袋に入っている割り箸。
お手ふきと「ますのずしのはなし」と題された能書き書。
HPに書いてある鱒のすしとはそもそも何か、という内容です。
この商品自体の説明は書いてません。
ゴムバンドを外して、青竹を取り除くと、桶の全容が見えます。
「元祖せき乃屋」とあって、「の」が漢字の「乃」になっています。
樽の蓋を取り去ったところ。
笹にくるまれた寿司が、ビニールに包まれています。
食べ方の説明には、「蓋の方を台にして笹皮のまま蓋の上においてください。」とあります。だからビニールを開いて、蓋を置いてひっくり返して・・。
笹皮のまま蓋の上に乗せました。
歯がギザギザになったプラスチック製ナイフが付属しています。
そのナイフで8つに切り分けました。
笹がついたままで切るのが正しい食べ方だそうです。
これには理由があると思います。
笹は香りをつけるためだけではないんです。
このササはクマザサで、クマザサに含まれる安息香酸には殺菌・防腐作用があるんです。この効果を損なわないようにクマザサに包まれたまま切るんでしょう。
でもすぐに食べるならば、その必要はないですね。
ササに包んだままで着ると、ササの切れ端が寿司にくっついちゃいますね。
さて、お味ですけど。
鱒とご飯の締め方がしっかりしている。甘酢の味は、酢味も甘味も強くなくて、マイルド。サッパリした味です。
おかげでカミサンには、なかなかの好評でした。\(^0^)/
鱒寿司の原料にする鱒は、サクラマスという種類の魚が使われています。
本来は神通川のサクラマスが使われていたんですけど、さっぱり穫れなくなって、昭和30年代からは北海道のサクラマスが使われるようになり、さらに今ではノルウェー産のサクラマスを使うメーカーがほとんどのようです。
だからといって味に大きな差があるわけではないでしょう。
せきの屋さん鱒寿しは、説明書きに本来は神通川産の天然鱒を使う、とは書いてありますけど、商品に使っている鱒がどこ産かは、表示してありません。
だからきっとノルウェー産の鱒だろうと思います。
ところで、今回鱒の寿しを買った「元祖せきの屋」とよく似た、「元祖関野屋」という鱒寿司屋さんがあります。
「せきの屋」さんは、さっきも書いたように明治11年創業創業ですが、その後の四代のときに今日の暖簾(せき乃屋、ってこと)にしたそうで、店主は前川さんです。
「関野屋」さんの方は明治21年開業で、庄右衛門というのが本来の会社名。代表は関野さんです。関野屋さんは北海道産(ってことは国産)の天然鱒にこだわっているそうです。