◆底の刻印が違っている
爆発の話題は強烈なので最後にして、まずは刻印の話題から。
DURALEXのグラスは底に丸いロゴの刻印があるので有名です。
ところがそれと違う、文字だけが刻印されたものがあって、模造品ではないか?という話題があります。
2種類の刻印があるのは事実のようです。
ここに説明があります:
http://www.rakuten.ne.jp/gold/sixem-shop/brand/duralex/duralex-caution/#p9
左が丸いロゴの刻印、右は文字だけの刻印。
わが家にあるのは右の淋しいタイプなんです。
これら2つがどう違うのか?
2つの説明がありました。
・250ccサイズまではロゴの刻印、310ccサイズ以上は文字の刻印。
http://www.cafetribe.com/archive/uchicafe/uchicafe-001.html
・同じサイズでも刻印が異なる場合があり、製造時期や工場の製造ラインによって異なっているのではないか。
http://kozukin.blog.so-net.ne.jp/2010-02-17
わが家のグラスは310ccタイプだから、前者の説明だと文字になるんですが・・・。
後者の説明からだとよく分かりません。
ここはもう少し先で振り返りましょう。
◆DURALEXがイタリア企業に買収されて刻印が無くなる
この刻印に関しては、さらにいくつかの情報があります。
・DURALEXがイタリアのボルミオリ・ロッコ社に買収され、そこのブランドになっている。
・DURALEXと思ったら「Bormioli Rocco」のロゴが刻印されている。
・将来、DURALEXの丸いロゴが消えるのではないか。
・「made in France」だけでなく「made in Spain」との2種類がある。
実は、DURALEXのブランドにはこの間に色々とあったようなんです。
DURALEXは、元はフランスの国営企業サン・コヴァン社のブランドでした。
同社は、1939年に強化ガラス製のタンブラーを製造し、1945年にDURALEXのブランドを登録しました。
その国営企業が民営化されて、その後のこと。
DURALEX社のHPには、こう書いてあります。:http://www.duralex.com/3--history.html
「1990年代には、困難な転換点だった。サン・コヴァンはその他の事業に集中するためDURALEXを売却することを決定した。まずイタリアのガラスメーカーが所有し、同社は、その後の活動を刺激することができなかく、いくつかのバイヤーの手に渡された。」
DURALEXのブランドは、1990年代に何回も売却されていたのです。
「イタリアのガラスメーカー」とあるのがBormioli Rocco社のことです。
この時期にスペイン製が出回ったのでしょう。
そして2008年に今の体制になったそうです。
現在はDURALEXは持ち株グループに属して、独自のブランドで製造・販売しているし、フランスだけで製造されている、ということのようです。
先の2種類の刻印も1990年代の混乱期のもので、現在ではロゴマークの刻印に統一されているのだと思います。(未確認です。)
そういえば、わが家で買ったのは10年以上前で、90年代の後半です。
◆粗悪品がある
丈夫なはずのDURALEXですけど、気泡やシワがあったり、カケが出来た、という情報があります。
日本で最初にDURALEXを販売したF.O.B COOPでは、こんな注意書きをしています。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/fobcoop/duralex-12000.html
「業務用品のため、小キズ、よれ、気泡等が見られる場合がございますが不良品ではございません。ご使用に際しては問題ございませんためご了承のうえご注文下さい。」
「kozmicの日記」さんとF.O.B COOPとのやり取りはより詳しいです。
http://kozukin.blog.so-net.ne.jp/2010-02-17
「業務用として確かに大量に生産をしておりますため、シワや気泡が目立つものがあるものがございます。また、製造時期などによって、シワや気泡が目立つものが多くなることもあります。(中略)弊社では、業務用といえども、やはり弊社でお買上げをいただくのはご家庭で使われるケースがほとんどであるという認識から、数十年前の販売開始当初から、商品の入荷時に、1個ずつ全て検品をいたしまして、F.O.B COOP専用の箱に入れ替えて販売をしております。」
2008年以降、この問題はどれくらい解決したんでしょうか。
ともあれ、今も小キズ、よれ、気泡等があるようですが、カケる製品が今も製造されているのかどうか・・・。
よくわかりません。
◆ある日突然、グラスが爆発する
まさか!と思いますが、実際にあるんです。
丈夫だったグラスが、一瞬で粉々になるそうです。
デュラレックス、爆発。:http://ameblo.jp/ymck-y/entry-10915873838.html
タタリじゃー!!:http://weblog.hochi.co.jp/takeuchi/2010/11/post-9436.html
デュラレックスのグラスが爆発しました@@:http://frenchchic.exblog.jp/19681229
デュラレックス 爆破:http://chaca2009.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
実は、これは「全面物理強化ガラス」の特徴なんだそうです。
(社)日本硝子製品工業会のHPに解説があります。
http://www.glassman.or.jp/info1005.html
全面物理強化製品は、耐久性は高くなりますが、内部に強い引張応力が入って製品全体が張りつめた状態になっています。
従って傷が内部に到達すると応力の開放が製品全体に及んで…爆発的に破損し破片が広範囲に飛び散る危険性があります。
強化ガラスは内部の層とそれを覆う表面の層との合計3層になっていて、「傷が内部に到達する」とは、表層に出来た傷が内部の層に達するということだそうです。
こうした危険性があるので、日本の業界では、全面物理強化ガラスの食器は製造していないそうです。
ただし鍋の蓋は縁をスレンレス枠で巻きつけたものが製造されています。
国民生活センターにも「強化ガラス製食器の破損事故-強化ガラスの種類によっては破損時に激しく破片が飛ぶことも-」という注意喚起があります。:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20090722_2.html
そこに破損実験の動画があって、その最後に、全面物理強化ガラスのグラス(間違いなくDERALEX製)が登場します。
その壊れるときは、まさに爆発です。( ̄□ ̄;)!!
国民生活センターの注意喚起の一部を転載します。
消費者へのアドバイス
強化ガラス製といっても割れるものである。口部強化や全面イオン強化の割れ方は一般的なガラスと同様とされているが、全面物理・積層タイプの製品は、割れた場合、破片が鋭利なかけらまたは細片となって激しく飛散することがある。取扱説明書にも記載してあるので、使用に際しては十分に理解しておく。
強化ガラス製食器では鍋ぶたの事故が目立つ。鍋ぶたには全面物理強化のものが多い。このタイプのふたは、急な加熱や急冷をきっかけに他の要因と相って割れることがある。このとき破片が激しく飛散すると危険である。鍋ぶたは大きさの合ったものを使用して、ふたが熱せられるような使用方法はしないこと。
全面物理・積層タイプは、洗浄の際はガラスを傷つけるおそれのあるクレンザーや金属製タワシなどは使用しないこと。また、欠けなどが見つかった場合、直ちに使用をやめる。
「欠けが見つかったら」とありますけど、しかしこうも書いてあります。
目視で判別できるような大きなキズが付いていることは稀であり、破壊が起こる前に消費者が気付く可能性は低い。
これではどうも破壊を予測することは困難みたいです。
◆強化ガラス製品の注意事項
DURALEX製品について、通販ショップがこういう注意事項を掲げています。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/sixem-shop/brand/duralex/duralex-caution/#p9
【ご注意いただきたいこと】
・電子レンジでご使用の場合、製品の中に何も入っていない状態で使用するのは避けて下さい。
・加熱したDURALEX製品を濡らした布や冷えた作業台の上に置いたり、急に冷水に入れる事はなるべく避けて下さい。
・積み重ねが可能なDURALEX製品以外は重ねての保管は避けて下さい。傷などがつく事が有ります。
・ひび割れ、かけ割れ(口部は特に)をしたDURALEX製品は、絶対に使用は避けて下さい。又、ガラスを修復しての使用も絶対に避けて下さい。
・DURALEX工場以外での製品に対する二次加工(プリントや色付け)は全面強化ガラスの特性を損ないますので避けて下さい。
使用禁止:オーブン禁止、直火禁止、ホットプレート禁止、電熱器禁止
【洗い方について】
・食器洗浄機で洗えますが、食器洗い機を使用の場合、ガラス同士や他の製品と互いにぶつからない様に充分にご注意下さい。 特にガラスの口部同士を接触させての洗浄は破損しやすく危険ですのでご注意下さい。
・手洗いの場合プラスティック及びナイロンスポンジを使用下さい。金属タワシ等の表面を傷つける類いの用具は破損の原因になりますので、避けて下さい。
使い方、洗い方について、そもそもかなりの注意事項があるんです。
爆発を考えるとなかなかやっかいです。
さて、それでどうしよう・・・。
とりあえず、10年選手は引退してもらおうかと思います。