山形に縁のあった人の送別で、山形の田舎料理が食べられるところで食事をしました。
銀座のはずれ、新橋駅近くにある「樽平」。
ここは山形県の置賜地方にある樽平酒造の直営店です。
- 東京飲みある記
ずいぶん昔には何度かここで呑んだことがあるんですけど、久しぶりに再訪です。
メニューには「みちのく料理」などが色々と書かれています。
ここは「酒場」です。料理を食べるところではなく、酒の肴をつまみに酒を呑むところです。
お酒は、樽平酒造の日本酒、樽平と住吉。それと焼酎があります。
料理はコースでお願いしました。
赤い色をした酢の物。「もってのほか」という山形特産の食用菊です。
食用菊は菊の花弁を食べるんですけど、「もってのほか」その花弁の中が空洞になっているんです。空芯菜の空洞の茎みたいな構造をした花弁なんですね。
そのためにシャキシャキ感が、いい食感です。香りも良く、甘い。
そして深紅の色が美しい。赤い色はポリフェノールの一種のアントシアンだから、健康にもいいですね。
その「もってのほか」の上にトンブリが載っています。プチプチしたトンブリも好きなんですけど、箸じゃ食べにくいですね。
２人に１皿、珍しい料理が出ています。
これは冷凍枝豆を使った醤油漬け、じゃあありませんよ。
「ひたし豆」という山形の料理です。
乾燥青大豆を水でもどして煮て、しょうゆ、日本酒、みりん、だし汁で作ったタレに浸したものです。こう見えて、意外に手間がかかっている料理なんです。
イナゴの佃煮。
虫を食べるのはダメっていう人も多いでしょうけど、私は好きです。
ここのイナゴはかなり小型で、上品と言った方がいいかな。
ひたし豆もイナゴも酒の肴にいいですねぇ。
突き出し系の料理だけでかなり楽しめました。
さて次はいよいよ本格料理ですかね。
刺身の盛り合わせ。
エビ、マグロ、サバ、イカ、タコなどが並んでいます。
美味しそうなサバをいただきました。うーん、活きがいい。
締め方が弱くて、刺身みたいです。
玉こんにゃく。１串210円です。
醤油で煮込んで味の染みた温かい玉コンニャクに辛子がチョンチョンと載せてあります。こりゃ日本酒がほしくなります。
日本酒を頼みましょう。
まずは山田錦100％の「樽平 金 特別純米 樽酒」を大徳利を常温で。
時代劇に登場するような古典的な徳利で出てきます。
樽平と住吉が相合い傘に入っている図柄が描かれています。
白い猪口には「樽平」の文字。
お酒が黄色みがかっていますね。これが特徴です。
活性炭ろ過をしていないから、黄色いんです。
樽酒は、青竹を回した吉野杉の甲付樽に入れられています。その木の香りがする熟成した芳醇な酒です。
お酒はその後、すぐに「住吉 金 特別純米 樽酒」を大徳利でいただきました。こちらの方が日本酒度が高くて、さらに辛口なのですけど、酸味もあって芳醇さがあります。私はこっちの方が好きだな。
なんて思っていると、山形産ササニシキ100％の住吉銀の大徳利が来ました。
まずは燗酒。おぅ、ぬる燗です。さすがこの店は酒の飲み方を心得ているねぇ。
住吉銀の方がさらに辛口で旨みがあり、こちらの方がキレがいい。
常温もお願いしました。こっちもいいねぇ。
燗とどっちがいいかなぁ。口当たりはぬる燗がいいかな。
などとやっている間に芋煮が用意されていきます。
牛肉を使ったしょうゆ味です。
牛肉か豚肉か、醤油か味噌か、板コンニャクか糸コンニャクが、芋煮は地域によって様々です。でも決まって入るのは、主役の里芋。
いい感じに出来上がりました。
ハフハフしていただきましょう。
そして日本酒をクピクピ。いい感じですね。
ブリの照焼。
漬け物。丸小茄子と赤カブの漬け物。
左下の緑色の漬け物は「おみ漬け」。刻んだ青菜、大根、人参、紫蘇の実などの漬け物。右上は「やたら漬け」。キュウリ、ナス、大根、紫蘇の実、ニンジン、ゴボウなどを塩漬けにして水分を抜き、味噌に漬け込んだ漬け物。材料はなんでもいいから「やたら漬け」だそうです。
料理はそろそろ終わりに近づいていますね。
最後の料理、これは？ナメコと・・
「むきそば」です。蕎麦の実の殻をむいたもの。蕎麦の実の中身ですね。
さっぱりしている。これも酒に合うんですよぉ。
日本酒をずいぶんと飲んだんですけど、樽平の焼酎も注文しました。
「純粕取焼酎」の「たる平」です。
ラベルに「平成17年生産」って書いてます。
生産してから5年間貯蔵熟成したものです。すごいですね。
粕取焼酎って、日本酒を絞った酒粕から蒸留した焼酎なんです。
「ササニシキ米酒粕」って書いてます。
独特のフレーバーというか、強烈な香りがします。これは好みが別れるでしょう。
以前呑んだことがある吟醸酒の粕取焼酎とはかなり違った香りです。
この「たるへい」には、10年物や30年物というレア物もあるそうです。
■食べログ： 樽平