何年ぶりかで盛岡に来ました。
もう25年ほど前、独身時代にここで半年ほど暮らした私には、懐かしい街です。

盛岡に来ると食べたいものがいくつもあります。
盛岡3大麺と呼ばれる、わんこそば、冷麺、じゃじゃ麺。さらに「ひっつみ」を加えて4大麺があります。

ただしわんこそばは、実はまったくの観光用、イベント用でして、決して美味しくはないです。そうではなくて普通の蕎麦が美味しいです。
言い直すと、蕎麦、冷麺、じゃじゃ麺、ひっつみ、どれも美味しいんです。

盛岡の蕎麦(わんこそば、じゃない)は、有名店、美味しい店が何店もあります。

盛岡の冷麺は、いまや全国区で有名です。
でも韓国・朝鮮の冷麺と盛岡の冷麺は違うことをご存じ?
韓国・朝鮮の冷麺の主原料は、実は蕎麦粉で、つなぎに小麦粉や片栗粉を使っています。
しかし盛岡の冷麺は馬鈴薯デンプン(片栗粉)が主原料なんです。
その盛岡式冷麺は「食道園」が発祥です。

「じゃじゃ麺」は、盛岡のソウルフードでしょう。
お城正面の内丸(うちまる)にある「白龍」(パイロン)というお店が発案した料理です。

「ジャージャー麺(炸醤麺)」という中華料理があります。中華麺に肉味噌を載せたものです。
しかし盛岡の「じゃじゃ麺」というか白龍の「じゃじゃ麺」は、うどんに肉味噌を載せた食べものです。
それが若者を中心に圧倒的な支持を得た。
盛岡市民なら知らない者がいない、という盛岡では超有名な料理です。
私も白龍でそれを食べて、熱烈な信者になりました。

かつては、じゃじゃ麺と言えば白龍、という状況でした。
しかし今では、じゃじゃ麺専門店が盛岡市内に何店もあるようなのです。

最後に「ひっつみ」。
まぁ「すいとん」のことです。かつては岩手の農家で常食されていたものでしょう。
盛岡駅などにひっつみをウリにする店もありますけど、「やはり所詮はすいとんね」という程度です。
そうやって「ひっつみ」を見下した私に、「うまいひっつみを食わしてやる」
と盛岡一高・岩大出身の友人が連れて行ってくれたのが彼の母校、一高近くの「高島屋」。
しかもそこは、なんと、おしるこ屋。
おいおい、勘弁してくれよ、と言いつつ食べたひっつみ。
思わず「うまい!」と一言。
その「ひっつみ」には、なんと「腰」があるのです。すごい歯ごたえ。
そしてうどんのズルズルとは違って、一口大でツルリンと食べる。
そう、「ワンタン」風なんです。
これはもう、絶品でした。
「所詮すいとん」などと、食べものに先入観を持ってはイカン!という教訓を得ました。
25年前の経験です。

すっかり前置きが長くなりました。

盛岡でした食べられないもの・・・というとじゃじゃ麺とひっつみでしょう。
高島屋に行こうと思ったんですけど、ちょっと時間がなかった。
そこで今回は、盛岡駅の近くにある新手のじゃじゃ麺専門店に行ってみました。

駅に近いビルの1階にあるお店。
「HoT JaJa」さん。

ここは、盛岡式冷麺を「盛岡冷麺」と命名した「ぴょんぴょん舎」が経営するじゃじゃ麺専門店。
隣のビルに、ぴょんぴょん舎の盛岡駅前店があります。

駅前通に面した壁に掲げられた木製の看板は、インドネシア風のデザインです。
看板には「盛岡じゃじゃ麺」って書いてあります。
さすがぴょんぴょん舎、「盛岡冷麺」に次いで「盛岡じゃじゃ麺」と命名です。