「盛岡名物じゃじゃ麺」と手書きされた黒板が立っています。
じゃじゃ麺は、中盛550円、小盛450円、大盛650円。
チャーハンセットや焼きギョーザセットもあります。
当然、じゃじゃ麺とセットで、というメニューですね。
赤と緑の暖簾をくぐって、店内に入ります。
木製のドアを開けると木製家具がお出迎え。
店内はアジアンテイスト。
通りに面した2人掛けのテーブルに席をとりました。
いちおう、テーブルに置いてあるメニュー表を広げてみます。
でもメニューを見なくても注文は決まっているんです。
「じゃじゃ麺の大盛!」
赤いエプロンをつけた女性にオーダーしました。
「茹で時間に13、4分かかりますがよろしいでしょうか?」
はい、わかってますよ、いいですよ。
「当店独自のスパイシーな味付けでいろしいですか?」
えっ?スパイシーってどういうの?
胡椒、ニンニクの一升漬け、おろし生姜、ラー油を加えてある、ですって。
「それでお願いします!」
麺が茹で上がるまで少し時間がかかります。
その間に周りをいろいろ観察しましょう。
夏は「冷し」のじゃじゃ麺もあるようです。
メニューに、じゃじゃ麺の食べ方が書いてあります。
じゃじゃ麺は、基本は自分で味付けをするのです。
まさに「食べ方は十人十色」です。
お店お勧めのスパイシーな味付けは
胡椒:3~5振りほど
にんにく:ミニスプーン1~2杯
おろし生姜:盛りつけられた量の1/2
一升漬け:ミニスプーン1杯前後
「一升漬け」なんてあるんだぁ。懐かしいなぁ。
「一升漬け」とは、刻んだ青唐辛子、麹、醤油を各1升づつ混ぜて寝かせた東北・北海道の伝統的な調味料です。合計で三升だから「三升漬け」とか、唐辛子を「なんばん」と呼ぶことから「南蛮漬け」とも言われます。
「HoT JaJa がお勧めする盛岡じゃじゃ麺付け!!」っていうシートがあります。
「当店では盛岡じゃじゃ麺を初めてのお客様にも美味しく食べていただけますように、当店おすすめの”パンチが効いたスパイシーな味付け”でご提供しております。
胡椒、ニンニクの一升漬け、おろし生姜、ラー油を加えて提供するそうです。
ニンニク、酢は入っていないので、好みで加えてください、ですって。
さっき店員さんが言った「スパイシー」とはこのことだったんですね。
でも、どれくらいの量が入っているのかは、よくわかりませんけど。
じゃじゃ麺の食べ方の特徴は、自分流で味付けすることともう1つ。
じゃじゃ麺を食べ終わった後に、チータンタンを飲むことなんです。
メニューには「チータンタン」の説明も書いてあります。
じゃじゃ麺を食べ終わった器に、生玉子を割り入れ、箸でときほぐす。
店員に「チータンタンください」と注文する。
器にスープを入れて来るので、好みで塩胡椒、肉味噌などを加える。
元祖じゃじゃ麺は、麺のゆで汁を器に入れるんですけど、このお店では特製のスープを注ぎ入れます。
これで、ビギナーでもじゃじゃ麺のいただき方がほぼ理解できると思います。
テーブルの上には、じゃじゃ麺を自分流に味付けするための多様な調味料が並んでいます。
大きな壺に入っているのは・・
これぞ肉味噌です。
じゃじゃ味噌ともいう、お店秘伝の味噌です。
さらに、ラー油、酢、おろしニンニク、一味唐辛子、塩、コショウ。
ニンニクは白いです。
当然だろうって?
実は、自家製のおろしニンニクは、緑色に変色するんです。
白いのは、業務用のものだからでしょう。
(このことは、次回、じゃじゃおいけん@池尻で触れましょう)
陶器の入れ物に入っていのは?
これが「ニンニクの一升漬け」ですね。
舐めてみると、ニンニク臭いけど一升漬けが旨い。
これは酒の肴になりそうです。(笑)
ドンと盛られた生玉子。
これがチータンタンで活躍します。
「ブリキのバケツ」みたいもの。
これ、きっと割った卵の殻を入れるものです。
改めて店内を見回すと、カウンターの向かい側に竈みたいなものがあります。
本物の竈じゃなくって、中身はIHヒーターでした。
インテリアに凝ってますね。中国風なのか、韓国風なのか。
銅製の鳥が窓際に置かれています。
箸袋には「大陸発、もりおかヌードル」と書かれてます。
箸袋の裏側に「盛岡じゃじゃ麺 HoT JaJa」。
15分ほど経って・・
赤いエプロンの店員さんが、いよいよ料理を1皿、運んできました。
湯気が立ちのぼる、これが「じゃじゃ麺」です。
麺の上に、キュウリと葱、そしてトップには肉味噌が鎮座。
肉味噌の一部を凹ませて、ラー油がたたえられています。
そして脇には、おろし生姜。
白い生姜かと思ったら、おろした紅生姜。まさに紅一点です。
「じゃじゃ麺は初めてですか?」
赤いエプロンの女性が尋ねます。
はぁ、初めてじゃないです。食べたことあります。
「食べ方はおわかりですか?」
食べ方っていうか、これをグチャグチャって混ぜるんでしょ?
「はいそうですけど、お好みで調味料を混ぜてお食べ下さい。」
ああそうですね、わかってますよ。どうもありがとう。
さて、じゃじゃ麺は、この綺麗に盛られたものをグチャグチャとかき混ぜます。
ビビンバを食べるときみたいな感じですね。
せっかく綺麗に盛られた食べものをグチャグチャにする・・。
日本人として、どうも罪悪感を感じるんです。
けれど、その試練を乗り越えてこそ、新たな境地が拓けるのです。
ってことで、グチャグチャにかき混ぜたじゃじゃ麺。
とっても美しくない、です。(笑)
ラー油をたっぷりかけましょう。
おろしニンニクもたっぷり・・あっ、いや、これから人に会うから、少なめに。
ではいただきま~す。
麺は、これはもう、しっかりうどんですね。
やや腰があって、もちもち感もある。
肉味噌と香辛料との複雑な味を絡みとった、まったりした味わい。
これがじゃじゃ麺の醍醐味でしょうか。
久々にうまいなぁ。
もう、ズルズルと一気に食べてしまいました。
でも、全部食べちゃぁいけません。
肉味噌や麺を少し残しておきます。
私は好みで、キュウリを多めに残しました。
そこに生玉子を割り入れて・・・
卵をときほぐします。
そして店員さんを呼んで、チー・・。
「チータンタンですね。」
オーダーする前からもうわかっていました。
「葱と生姜を入れてよろしいですか?」
えっ?あぁ、お願いします。
葱と生姜はここでオーダーを確認するんですね。
店員さんが、箸は入れたままで器を持っていきます。
実はお店にとって、使用済みの箸が必要なんです。
それから2、3分。
器にスープが入ったチータンタン。
金属製のスプーンがついています。
散らされた生玉子がスープの熱で火が通り、羽衣状の卵スープになっています。
チータンタン=鶏蛋湯です。
卵を散らすときに、客の使用済み箸が必要なんです。
味が薄めなんで、肉味噌とラー油を垂らしました。
そういえばラー油は、生玉子に混ぜておくと拡散するんだったなぁ。
肉味噌追加でチータンタンが褐色に変色。
うまいです。
チータンだけ注文したい、って思ったりするんですけど、普通はチータン単体でのオーダーはできません。
でも、もしかしたら、このお店ではそれが可能かも?
そうそう、このお店では金属製のスプーンでチータンタンをすするんです。
器からすすった方が飲みやすいんだけど・・。
実は器の縁が変形しているから、こぼれそうで、ちょっと飲みにくいんです。
熱々のチータンタンを飲んで完食。
器も綺麗になっています。
むかし食べた白龍の麺は、平打ち麺だったなぁ。
うどん状の方が麺はしっかりしているけど、じゃじゃ味噌の絡み方が違います。
ともあれ、久しぶりのじゃじゃ麺に満足です。
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