店頭の看板では、昼定食は、確かに「牛にこみ」と「冷やっこ」の2つのみ。ともに600円。
メニューも値段も実に潔いですね。
店に入って人数を告げると、空いている席を指示されます。
空いているといっても相席です。
向かいのお客さんがタバコを吸ってるんで、ちょっと閉口です。
店内の客はほとんどがサラリーマン。たいていは1人かせいぜい2人の客です。
女性2人のお客もいました。
席についてオーダーを考える・・ってほどじゃない。メニューは2つだけですから。
でも、そう思うのは早合点。
ごはん大盛り、にこみの肉大盛、サイドメニューのポテサラが、それそれ100円増しである。
当然、それらの組み合わせがあるんですから。
(実は、もっと複雑な組み合わせもあることは、最後に。)
私は「にこみ定食」、Tさんは「にこみ定食、肉大盛り」を注文。
実は、「肉大盛り」っていうオーダーは、わかりやすい初級の組み合わせなの。
注文した料理は、速攻で出てきます。
お盆に、牛煮込み、ご飯、お吸い物、高菜漬け、お冷やまで載っている。
そして600と書かれた白いプラスチックのプレート。
「牛にこみ」は小鉢にたっぷり入っています。
タレは味噌ですね。しかも見るからに濃厚そう。濃い茶色です。
赤味噌系、八丁味噌でしょうか。
ご飯は丼にそこそこ入っている。
お吸い物はインスタント風、っていう評価もあるけど、そうかなぁ・・。
Tさんの煮込み・肉大盛りは、さらにモツが増量されています。
煮込みにはたっぷりと七味唐辛子をかけましょう。
さてお味は・・。
おおぉぉぉ、これは旨い!
モツはよく煮込まれていて、柔らかいけれどもプリンと歯ごたえがある。
味噌味のタレは、モツから染み出たコラーゲンがたっぷり入って、マッタリした舌触り。
そして味は塩辛すぎず、甘すぎず、実にいい塩梅。
これは素晴らしい!
Yさんの「絶品」という評価は、誤っていない!!
う、う、旨いぞ煮込み!
これは酒が進むぅぅぅ!ホッピー下さぁい!
・・・じゃなかった。ご飯を食べるんでした。
牛モツの下には、大きな豆腐が隠れています。
豆腐は絹ごし風に柔らかい。しかもその豆腐は焼き豆腐になっている。
聞くところによると、夜になると、この豆腐に汁が染み込んで、さらに旨いらしい。聞くだにたまらん。
煮込みとご飯を食べていると、Tさんが語りかけてきます。
常連さんは、煮込みを豆腐だけ残してご飯にかけて食べているようなんです。
ふむふむ、さっき向かいにいた客はそうやって食べていたよ!
よし、煮込みをご飯にかけるぞ!
私も早速ご飯にかけました。
マッタリした味噌だれがしみじみとご飯に染み込んでいく。
それを口にほおばると・・・あぁぁ、ヤバイよ。むちゃくちゃ旨いよ。
煮込みの汁とご飯だけでもいいよ。それだけで十分に旨い。
これに似たものをどっかで食べたよな。
そうそう、名古屋のどて焼きのタレをご飯にかけた、ドテ飯だよ。
モツ抜きのツユがけ飯でも十分に美味しくいただけます。
そう思いながら、汁を吸い込んだご飯をいただきました。
いやぁ、ごちそうさまでした。
今度は、夜にも来るね。
この店のメニューはたった2種類だけど、実は多彩なバリエーションがあります。
Tさんみたいな、煮込み・肉大盛りは、まぁ普通の変化。
冷やっこ定食は、冷やっこに豆腐抜きの煮込みがついています。
その煮込みの肉大盛りっていうオーダーがあります。
煮込み定食+ポテサラを食べている常連風の人も多い。
帰り際、向かいに座ったお客が「煮込み、ヌキで」とオーダーしました。
”ヌキぃ?”なんだそれ?
そば屋で「天ヌキ」と言えば、天ぷらそばの「そば抜き」のこと。
煮込みの豆腐抜きとか?
しっかり確認しないで出てきてしまったけど、そうなのかなぁ。
煮込みの肉抜き+飯っていうドテ飯風のオーダーも支持しますよ。
メニューが2つとは言え、小技のバリエーションがあるところは、実に日本的だなぁ。
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