三宅島に行きました。
ホテルのレストランで食事をいただいて、部屋でゆっくりと日本酒をいただくことにしました。
Wさんが、遠路はるばる船で運んできた日本酒は・・・
「大七」の純米生酛(きもと)。
三宅島とは、縁(えん)も所縁(ゆかり)もありませんけど・・。
三宅島に行きました。
ホテルのレストランで食事をいただいて、部屋でゆっくりと日本酒をいただくことにしました。
Wさんが、遠路はるばる船で運んできた日本酒は・・・
「大七」の純米生酛(きもと)。
三宅島とは、縁(えん)も所縁(ゆかり)もありませんけど・・。
黒い箱の裏に「生酛造り」の説明書きがあります。
「ペースト状に丹念にすり潰したお米と麹をまず天然の乳酸菌で発酵させ・・」という説明書きがあります。
ちょっと解説しますね。
日本酒の醸造は、乳酸菌による乳酸発酵による酸性の環境下で、麹菌が米のデンプンをブドウ糖に変え、酵母菌でそれをアルコールに変えていきます。
伝統的な醸造法では、空気中から乳酸菌を取り込んで乳酸発酵させます。
「天然の乳酸菌で発酵させ・・」というのは、そういうことです。
これに対して、現在では乳酸菌を添加する「速醸」という方法が主流になっています。
さらにしかも「生酛造り」では、蒸米、麹、仕込水を「半切り桶」と呼ばれる口が広く浅い桶に入れて、櫂(かい)で蒸米と麹を摺りつぶします。
「ペースト状に丹念にすり潰したお米と麹・・」というのはこのことです。
この「もと摺り」は「山卸」ともい言われる工程です。
その「山卸」を行わないのが「山卸廃止」、略して「山廃」です。
そういうわけで、最も伝統的な醸造法で作られた日本酒なんです。
大七は福島県二本松市にある1752年創業の蔵元。
常温か燗がいい、って書いてあります。
ぬる燗がいいんですけど、燗はできないので、常温でいただきました。
旨味があってキレが良いお酒です。
裏側のラベルに、小さく「扁平精米」という精米の仕方を説明してあります。
この精米についてHPに詳しい説明がありました。
ここで、ちょっとだけ解説してみましょう。
精米歩合が高くなると、米の表面近くにあるタンパク質等が除去されて雑味の少ないお酒になりますね。
ところで通常の精米では、楕円形をした米の長軸部分が多く削られて米は丸くなります。しかしこの精米方法では、長軸部分が無駄に削られる一方で、短軸部分(厚み)はあまり削られない。
長軸、短軸ともに削る精米方法の方が、米全体を均一に精米できるわけです。
そうすると米は丸くならずに楕円形を保持するので、「扁平精米」と呼んでいるそうです。大七は、そういう精米方法を開発したのだそうです。
扁平精米では、通常の重量で測る精米歩合よりも、より多くのタンパク質を除去できる。だから純米酒の精米歩合(70%)でも吟醸酒以上のタンパク除去率になるので、結果的に雑味のない酒になるわけですね。
いろいろと拘って作った日本酒なんですね。
ともあれ、大七をおいしくいただきました。