店内は長いカウンターのみ。
すでに常連さんらしきご高齢の方々、酒呑みの大先輩たちが飲まれています。
とんちゃんは先輩たちに敬意を表して、カウンターの一番隅に席をとりました。
カウンターにはメニューはありません。
店内を見回してもどこにもメニューがありません。
ノーメニューのお店ってのは、高級店にありがちですが、もちろんここは高級店とはきっと真逆のお店です。
どうしたらいいんだろ・・・ええい、ままよ!なるようになるでしょう。
「何になさいますか?」
ノーメニューで何にするのか?って聞かれても、答えようがない・・・
いやいや、ここは飲み屋。
最初に聞かれるのは料理ではなく、酒のこと。
ここはビールか日本酒かってことでしょう。
しかし!
先客の大先輩たちの様子を見ると、ビールを飲んだ気配がない!(◎_◎;)
うーむ、ここは「酒小屋」。やはりスタートから日本酒で攻めるのが正攻法でしょう。
ここまでは、あっという間の瞬間技で結論に達しました。
「日本酒・・・」
いや、それではいかん。
燗か冷やかを言わんといかん。もちろん、この店で「冷や」というのは「常温」だな。
この店の日本酒は普通酒だろうから、燗が無難だ。
しかも少し寒いから、燗酒がいいな。
「・・・燗でお願いします。」
ご主人が燗つけ器に酒を入れて、酒を温めます。
「つまみは煮込みでいいですか?」とご主人。
「煮込みしかないけど・・・」
「はい」もちろん、そう答えます。
そうか、つまみは「煮込み」しかないんだ。
酒は日本酒かビール(ビールはあるかどうか不明)、つまみは煮込みだけ。
だからメニューなんてないのね。と納得です。
ご主人が冷蔵庫から豆腐を取り出して煮込みに入れて温めます。
じっくり煮込んだもつ煮込みに、新しい豆腐を入れて、煮込みを完成させるんですね。
新しい豆腐を入れるってところが、煮込みに対するご主人の気遣いですね。
◆燗酒
日本酒の最もオーソドックな飲み方の燗。
燗つけ器からグラスに注いで、小皿に載って供されます。
グラスに入った燗酒を口から迎えに行きます。
◆煮込み
小皿にいっぱい入った煮込み。
煮込まれたモツと新鮮な絹ごし豆腐の対比が美しい。
意外にしっかりした量がある煮込みですよ。
煮込みには唐辛子です。
唐辛子をたっぷりかけていただきましょう。
壁に、一部はがれた大きな紙が貼ってあって、そこに数字が並んだ表が書いてある。
これはいったいなんだろう?
270 | 630 | 990 |
540 | 900 | 1260 |
810 | 1170 | 1530 |
1080 | 1440 | 1800 |
1350 | 1710 | 2070 |
こんな感じです。
じーっと眺めると、左上が一番小さな数字で、行と列が増えるごとに数字が大きくなっている。
第1列は270円から始まって、下に行くほどその倍数になっている。
270円の右は630円、その右に990円。それぞれの下に続く数字は・・・270円ずつ増加?
この規則性はなに?
ぉぉぉおおおお!これは料金表だ!
ここは日本酒が1杯270円、もつ煮込みは360円なんだ。
縦は日本酒の本数、右(列)は煮込みのオーダー数で、煮込みの数と日本酒の数で料金が即わかるという料金表になっているんですね。(^∇^)
しかしこの古さ。消費税増税は無視しているようです。
これ以上消費税が上がったら書き換えるんだろうか・・・他人事ながら気になります。
煮込みをつまみながら、燗酒をもう1杯。
ご主人と常連さんが世間話。
駅周辺の駐車場の話から、ご主人の車の話へ・・。
「オレの車はベンツだから」
おや、ご主人、実は隠れ金持ちなの?
「あんたの車はベンツの360。」なんていってる。
ベンツの360って、なんのことだ?
「いまどきあんな車は珍しいだろう。」
「ときどき、譲ってくれっていわれるよ。」
古い国産車の「360」って・・・ぁぁぁぁあああ!スバルだ!スバル360だ!w(*゚o゚*)w
「まだ、現役で走ってるんですか!そりゃ、きっと高値で売れますよ。」
なんてとんちゃんも会話に乱入。
燗酒を2杯飲んで、煮込みもなくなり、さて?
もうワンサイクル(煮込み+日本酒2杯)行くと、それで飲みが終わってしまいそうだから、ここらで〆ましょう。
「勘定をお願いします。」
千円でおつりが来るという安さです。(*^▽^*)
その後、別の店に行って、8時前に通りかかったら、もう店仕舞いしていました。
この店の感じ、ご主人の人柄、とってもいい。
また長岡に来る機会があったら、絶対に再訪したいです。
ごちそうさまでした。
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