茨城県美浦村は、県内に2つだけになった「村」の1つ。
ここ美浦村には日本中央競馬会(JRA)の美浦トレーニングセンターがあって、その関係者がいっぱい住んでいる。
そのせいで、村とはいえ飲み屋やスナックなど夜のお店がずいぶんと多いのだけれど、昔と違って最近の人たちは飲み歩かなくなり、かつてのように夜の盛り上がりはなくなってきた。とは地元民の言。
そんな地元民に連れられて、ランチどきにそのトレセン近くにある地元では有名な食堂へ。
「あたりや食堂」さん。
生そば、天ぷら、小宴会の看板です。
茨城県の「うまいもんどころ」の紹介によると、こんなお店です。
戦時中に兵隊さんの食堂としてスタートした老舗中の老舗。
店名の「あたりや」は、自転車屋を兼業していて、当時流行した自転車の「アタリヤ号」に因んだもの。
「兵隊さんの食堂」というのは、軍の指定食堂だったようですね。
調べてみたら、美浦村には戦時中に鹿島海軍航空隊の基地があったそうです。
お隣、阿見町にあった霞ヶ浦海軍航空隊の一部でしょう。
それでこの食堂が指定食堂になって、兵隊さんたちがこの食堂にやってきたということなのかも。
「アタリヤ号」って、昭和1935年前後にそんな自転車があったようです。
そのサイトに、メニューについても紹介があります。
今のご主人がはじめた蕎麦は、常陸秋蕎麦を使う人気メニュー。
霞ヶ浦のナマズと近隣でとれる蓮根の「霞天丼」も大人気。
ナマズは、淡白で上品な白身で、川魚独特のにおいもなくぷりぷりとしている。
時期によっては江戸崎かぼちゃも加えられる。
霞ヶ浦では、ナマズが獲れるんですよ。
これについては、後ほど詳しく書きます。
そして霞ヶ浦周辺ではレンコン栽培が盛んで、茨城県はレンコン産地なんです。
店内は、テーブル席がいっぱい、そして座敷があります。
地元民ととんちゃんは座敷にあがりました。
【おすすめメニュー】はのトップは「霞(かすみ)天丼」950円。
霞ヶ浦で採れたナマズと野菜を使っているって。
テレビでも紹介されたって。まぁ、そうだろうねぇ。
その次が霞ヶ浦で獲れるワカサギを使った、わかさぎの天ぷら定食とわかさぎのフライ定食が900円。
ここはやっぱり、ナマズかな。σ(゚ー^*)
地元民は、いつもそうするように、鍋焼きうどんをオーダー。
◆霞天丼
天丼とお吸い物に冷や奴と漬物が添えられています。
お吸い物は魚のすり身が入っています。
ナマズのすり身じゃなく、イワシでしょうか?
メインのナマズの天丼。
茨城名産のレンコンやピーマン、舞茸の天ぷらも載ってますね。
ナマズのてんぷら。
臭みは全くなく、白身のふっくらした天ぷら。なかなかイケルお味です。
でも思ったほどナマズの量が多くないかな。
小さな冷や奴は箸休め、といったところでしょうか。
さて、霞ヶ浦のナマズについては、以前に「ナマズバーガー」の記事でやや詳しく書きました。
→「ナマズって美味しいのよ 行方観光物産館こいこい@行方市」http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2011-08-16-1
日本で食べられているナマズは、日本在来のマナマズと外来のアメリカナマズ。
後者のアメリカナマズが、茨城県霞ヶ浦にたくさんいるんです。
正式名称は「チャネルキャットフィッシュ」。
ナマズは髭があるんでキャットフィッシュ(猫魚)です。
そして水路にいたんでチャネル(channel)なんでしょう。
これがアメリカで養殖されているんです。もちろん当然です、食べられています。
このナマズ、体長が50cmを越え、最大で全長132 cmという話もある。デカイ!(*゚Д゚*)ェ…
食べるところが多いから養殖されるんでしょう。
その味は、アメリカ人好みの恐ろしく淡白な魚なんです。
私もアメリカでタップリ食べました。 (^∇^)
しかしそのアメリカナマズが、なんで日本の霞ヶ浦にいるかっていうと・・・ここが問題なんです。
霞ヶ浦では1971年に、アメリカナマズが食用目的で養殖され始めたそうです。
しかし養殖はうまくいかなった。目論見通りには売れなかったらしい。
その廃業した養殖池からナマズが湖に逃げ出した。(◎_◎;)
まぁ稚魚は小さいから、簡単に逃げますよ。
それで霞ヶ浦にはアメリカナマズがいっぱいいる。
ということらしい。
ところがこのナマズ、貪欲な食欲で、なんでも食べる。
霞ヶ浦名産のワカサギとかテナガエビを食べてしまうから霞ヶ浦の漁業に多きな被害が及ぶ。
生態系にも深刻な影響を与える悪者です。
(環境省「特定外来生物の解説」チャネルキャットフィッシュ)
その憎っくきナマズを駆除しないといけない!
駆除ついでに、そのナマズを食べちゃえ!
ということで、つみなさんも、どしどしアメリカナマズを食べちゃいましょう。
アメリカナマズは泥臭いという意見がありますけど、原因は皮のヌメリや内臓が臭いらしい。
それを除去すれば(まな板を介した間接接触も注意)、美味しくいただけるそうです。
とはいえ、いまもナマズの養殖は行われています。
お店で提供されるのは、養殖ナマズと思います。
アメリカナマズは流通していなくて、スーパーじゃ買えません。
こういうお店じゃないといただけない、魚なんですわ。
ごちそうさまでした。
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