店内はカウンター席とテーブルが2卓、座敷に2卓あります。
一品料理のメニュー。
そして麺類と御飯類のメニュー。
料理名は、なんと中国名が先で、日本名はカッコ書き。本格中華料理のお店ですね。
メニューには「梅月」のもう1つの名物料理だった「中華ちらし」が、「木須烩飯(御舟特製中華ちらし)」として載っています。
しかし「あんかけ焼きそば」の文字はない。
なので「あんかけ焼きそば、ありますか?」と聞いてみた。
そしたら、五目やきそばがそれです、と言われました。
おぉ、確かに湯麵(ラーメン)ばかりが並ぶ中に「什錦炒麺(五目やきそば)」があるじゃないか。
なので、五目やきそばをオーダーです。
◆五目焼きそば(什錦炒麺)
紅ショウガと洋ガラシが添えられています。
2つの薬味が添えられているのが小樽あんかけ焼きそばの特徴らしいですが、きっと梅月に倣ったものでしょうね。
モヤシが多く、汁気が少ない硬めのあんかけです。
麺は黄色く細麺の蒸し麺、それに焼きが入っています。
そして餡はほのかに甘みがある。
本格中華のお店では、あんにオイスターソースを使うところが多いのですが、ここは昔ながらの味なので、オイスターソースを使わずに、旨味を出しているようです。
具材は、モヤシ、ハム、ピーマン、木耳、白菜、玉葱。
モヤシのシャキシャキ感がとてもいい。白菜も細切りにしてあります。
豚肉、ホタテ。
エビ、イカ、インゲン、タケノコもありました。
味変で、酢と御舟自家製の具入りラー油をかけてみます。
まさに具の多い辣油。
このラー油がかなり旨い。これで餃子を食べるときっと旨いだろな。
餃子オーダーしとけばよかったぁ。
餡が硬めなので、最後になってもシャブシャブにならずにいただけます。
そして優しい甘さが長年、客を引き付けてきたんですね。
確かに美味しかったです。
ごちそうさまでした。
最後に、「小樽あんかけ焼きそば」とはどんなものか。改めて紹介します。
冒頭に紹介したように、小樽であんかけ焼きそばが愛されるようになったのは昭和30年代からですが、それが「ご当地グルメ」となったのは最近のこと。
2011年に「小樽あんかけ焼そばPR委員会」が発足し、翌2012年には「あんかけ焼きそば親衛隊」が発足。2013年には小樽商科大学江頭ゼミ編集『小樽あんかけ焼きそば事典』が発行されます。そして2014年にB-1グランプリに初出場。
なお現在、『小樽あんかけ焼きそば事典 2022』発行に向けて7月31日までの期間でクラウドファンディングを実施中。小樽に興味のある方、あんかけ焼きそばに興味のある方は協力しましょう。
⇒『小樽あんかけ焼きそば事典 2022』を出版したい!(7月31日まで!)
さて、そんな「小樽あんかけ焼きそば」とはなにか。
あんかけ焼きそば親衛隊HPによると、明確な定義はないけれど「よく焼いた麺と多めのあん」が多くの店でみられる特徴だそうです。
「よく焼いた麺」、実はこれが重大な特徴なのです。
そもそも「あんかけ焼きそば」には大きく2つのタイプがあります。
Aタイプ:細麺を油で揚げてパリパリにした揚げ麺の「かた焼きそば」。
Bタイプ:柔らかい麺をそのまま炒めたものや両面を焼いたもの。
Bタイプは広東料理のあんかけ焼きそば麺です。しかしAタイプはアメリカ発祥で横浜中華街を経由して日本に広まったもの。
そして全国的には、Aタイプのかた焼きそばを提供する店の方が多いのです。
ところが小樽市では、Bタイプの柔らかい麺を焼いたあんかけ焼きそばが広まり、Aタイプの揚げ麺のかた焼きそばを提供する店はほとんど存在しない。
柔らか麺が絶対的に優位の状況です。
しかも柔らか麺を炒めるのではなく「よく焼く」タイプというのが小樽あんかけ焼きそばの特徴なのです。したがって、全国的にみるとかなり特殊な焼きそばだと言えます。
実は、柔らか麺絶対優位の状況は、小樽市だけでなく、札幌市でも、そして北海道全体でもそうなのです。
北海道は、柔らか麺焼きそば王国だ!
だから北海道に行ったら、あんかけ焼きそばも食べてみようよ。ま、ほかに食べたいものがいっぱいあるから、焼きそばに行きつかないけどね。
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