滋賀県大津市の夜のこと。
ホテルが京阪電鉄の浜大津駅の近くなので、その近くお店に２人で行きました。
浜大津駅から線路の南側を三井寺方面へ向かったところにあるお店。
「おでん」の提灯を掲げる「酒亭 おふく」さん。
かなりの老舗のようです。
- 近畿
店内は、右に長いカウンター、左にテーブル席。２階もあるようです。
入口近くには、大きなおでん鍋。
ここはおでん屋さんｄすからね。
おでん鍋の脇では、日本酒の湯煎器がついている。
飲み物は瓶ビール。やっぱりこれですね。
キリンラガーで、まずは乾杯です。
お通しは、ぶり大根。
関西の寒い季節は、ブリですね。
醤油の味が染みた、身の厚いブリ。
ブリの旨みをたっぷり吸い込んだダイコンが、うまいんですわ。
つまみは、おでん屋だから、おでんですよ。
居酒屋料理も色々あります。
鍋もいろいろあります。
おでん。
大根、お芋、じゃこ天、厚揚げ。
「このジャガイモは、メークインだよ。」
「えっ、なんで分かるんッスか？」
「男爵系のジャガイモは、煮ると煮くずれしてしまうんだよ。でもメークインは硬いから煮くずれないんだ。食べてごらん、硬いから。」
「あっ、ほんとだ！硬いッスね！」
「だから、初めはあまり人気がなかったんだよ。澱粉分が少ないからコロッケに向かないし、じゃがバターなんかつくっても、全く不味いからね。でもそれは売り方が悪かったんだ。カレーやシチュー、煮物用にいいよ、って本州向けに売ったら、今みたいに人気が出たんだ。」
「そうなんッスか！」
「メークインは煮物にはいいけど、硬いから、じゃがバターになんかして食べちゃダメだよ。じゃがバターは、絶対に男爵系、ネ。」
ちなみに品種名は英語で「May Queen」なんだけど、日本名は「メイクーン」じゃなくって、「メークイン」なんです。
ここに来たのは、実はおでんのためではないんです。
もっと別のお目当てがあったんですよ。
珍しい郷土の珍味をいただきました。
１つは、モロコ。
琵琶湖に生息する淡水魚。
素焼きと天ぷらがありました。
本来の風味を味わうなら素焼き、泥臭いのが苦手な場合には天ぷらがいい、っていうんで、素焼きをお願いしました。
モロコの素焼き。
とっても小さな、可愛いお魚です。
８センチらいの小さな魚。
成魚は10数センチになるそうです。
本来は庶民的な魚だったんでしょうけど、ブラックバスやブルーギルのせいで、すっかり漁獲量が減たため、今では高級魚になってしまった。
大きいほど値段が高いので、このお店ではこれくらい小さい、適度な値段のモロコを出しているそうです。
どのモロコは、ほとんど泥臭くないです。
美味しいのか？って問われても、実は味がよくわかんない。（笑）
もう１つの珍味は「鮒寿し」。
鮒寿司が出てきました。
本来はニゴロブナをご飯とともに漬け込んだもの。なれ鮨の１種です。
ニゴロブナが激減しているので、これはゲンゴロウブナかも。
ご飯が乳酸発酵して、発酵度が増すにつれて、すごい臭いがする。
すごい臭いの元は乳酸発酵だから、チーズと同じです。
好きな人には、その臭いがたまらなく美味しい香りですけど、嫌いな人にはたまらなくひどく臭い。（笑）
とんちゃんは当然、前者。
幸い、同行のＨさんも、チーズ大好き人間なんで、鮒寿司全くＯＫ！です。
卵が詰まっていて魚も美味しいですけど、乳酸発酵したご飯がこれまたチーズみたいで美味しい。
昔食べた鮒寿司は、かなり臭かったけど、この鮒寿司は臭いが柔らかい。
お聞きすると「これくらいが普通」だそうですけど、もっと臭いが強いものもあるそうです。
日本酒をいただきましょう。
いくつかあるんですけど、「浅茅生」（アサジヲ）の冷酒をいただきましょう。
１合瓶に入った純米。
最後におでんの「クジラコロ」をいただきました。
クジラの脂身を煮込んでおでんにしたものです。
プリンとした柔らかいコラーゲン。
これは、お肌にいいですよ、きっと。
ということで、ここはサックリと締めましょう。
もう１軒、行きたいところがあるんだ。
では、ごちそうさまでした。
食べログ： 酒亭おふく