懐かしさと居心地の良さの中で　おばちゃん＠盛岡：とんちゃん日記1：So-netブログ

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種市産ホヤを食べるだけでも価値がある　三.. ｜なぜかトリスハイボールと魚肉ソーセージで.. ブログトップ

懐かしさと居心地の良さの中で　おばちゃん＠盛岡　[　東北] [編集]

盛岡の夜。
「三陸居酒屋きりや」で新鮮なホヤを食べたあと、もう１軒行きました。

そこは小さな居酒屋。
「おばちゃん」という店名で、おばちゃんがやっている小料理屋風のお店。
静かなオーラを放っている。

【お魚のおいしい店】【ふる里の味・炭火焼】と行灯に書いてあります。
いいぞ、いいぞ！

紺地に白く「おばちゃん」と染め抜かれた暖簾をくぐって店に入る。
「よくおでんした。」
ゆっくりしたテンポの盛岡弁でおばぁちゃんが迎えてくれる。
そうだ、このことばだ・・・盛岡人の実直さと温かさ、盛岡時代の懐かしさの思いがこみ上げてくる。

店内はL字のカウンターは８席。
カウンターの左に先客、そして右の端には声をかけてくれたおばぁちゃんが陣取っている。
空いている真ん中に座わろうと思ったら・・・・
遠慮しないでこっちさ座りなさい、とおばぁちゃんが隣を指定する。
恐縮しながら、おばぁちゃんの隣にすわらせてもらう。
厨房に１人のおばちゃん、そして隣にはもう一人おばぁちゃん。
「おばちゃん２人でやっているから、「おばちゃん」って店名なんですね？」
「いや、わたしは、おばちゃんでねくて、おばぁちゃんだ。」

さっそく日本酒を冷や（常温）でいただきました。

大きく「辛口」と書かれた日本酒。

「あさ開」の辛口。

日本酒度5度の普通酒の辛口です。
辛口の普通酒を常温で。これでいいんです。

突き出しで出てきたものは、なんと！カレイの煮付け。
かなり大きなカレイを輪切り（筒切り）にして煮付けてある。
身が実に柔らかくて、醤油味は控え目。
いやぁー！おばちゃん、これ、すっごく旨いよ！

箸袋を見ると「炭火焼き　おばちゃん」とある。
これが正式名称なのでしょうか。

「焼きナス食べるすか？」
確かこう言われたと思う。

突き出しがさらに供された。
嫁に食わせてはいけない秋ナスだ。
やはり文句なく旨い。

何か注文しようか、と思って店内を見回すが、メニューなどない。
そうそう、この手のお店にはメニューなんてものはないんです。

カウンターにあるガラスのネタケースの中に並べられた魚たちそのものが本日のメニューなのです。
その中から好みの魚を選んで焼いたり煮たりしてもらう・・・それがこういう小料理屋の流儀なんです。
ここは畏まらず、気取らず、普段着の気持ちでいただくお店です。

ネタケースの中に、旨そうなサバとサンマが並んでいました。どちらも今が旬。
同行のYさんがサンマ、とんちゃんがサバをお願いしました。

サバは味噌煮という手もあるでしょうけど、焼いていただきました。
なぜか？

理由はこれ！
炭火で直焼きしてくれるからです。
カウンター越しにのぞき込むとこの様子を眺めることができます。

高温の炭火で焼くのとガスで焼くのとでは魚の焼き上がりが大違い。
しかも炭火は、魚から落ちた脂が炭火で焦げて、その香ばしい香りが魚に着くという効果まである。

ほら、サバの模様がグニャグニャしているでしょ。
これは日本のマサバである証拠です。きっと三陸産でしょう。

日本酒をもう１杯いただいて、焼き上がりを待ちましょう。

いい色に焼き上がったサンマ。

そして三陸のマサバ。
どうです？このサンマの焼け具合。
表面は茶色に焦げているけど、中はふっくらしたサバです。

実にうまい・・。

とんちゃんたちオヤジ２人は、隣に座わるおばぁちゃんと世間話をしながら、子どもの頃に世話になった近所のおばちゃんと話しするかのような懐かしさと安らぎを感じていました。それは年老いたお袋と話しをするのとも少し似ている。
居心地が良くていつまでもこうしていたい気持ちになる。
もしも盛岡に単身赴任したら、きっとここに入り浸るだろうなぁと思う。

おっと、そろそろおいとましましょうか。
おばちゃん、おばぁちゃん、また会いに来ますね。