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「臘火腿」はハムです-ラフテーの由来(2) [ 沖縄と食]

ラフテーの語源が「臘火腿」だとしても「臘腿」だとしても、それはいったいどういう料理だったのだろうか。


まず、材料は何だったのか。ラフテーの語源が「臘火腿」でも「臘腿」でも、どちらも塩漬け肉(ハム)のことだ。とするとラフテーは生肉ではなくて、ハムを煮た料理だったことになる。
実は、中国料理では「火腿」も「臘肉」も、何かといっしょに炒め物にするのが普通で、煮込み料理にも使う場合でも何かといっしょに煮込んで相手に味を付けるために使われる。それ自体の肉(ハム)を食べる料理はないようなのだ。ハム自体を食べるというのは中華料理のハムの調理方法としては変則的だ。それを煮込んだ料理があるとすると、かなり独特な料理法だったことになる。

 

もしそうだったとすると、かつてはハムの煮込み料理だったラフテーが、いつのまにか生肉の料理になって現在に至っているということなのだろうか。

ところでラフテーに別の字を当てているのもあった。
「爛火腿(ランフオトゥイ…「爛」は、とろけるように柔らかい、「火腿」はハムの意味)」(「ちゅらさん」のページ)というもの。「爛」は中国料理の調理法のひとつで、煮込んで「とろけさせる」というもの。ハムをとろとろに煮込んだ料理ということで、これはラフテーの語源だとするとかなりいい線だ。もちろんこういう名前の料理もないが。

材料についてはもう1つ不思議なところがある。「臘火腿」にしても「臘腿」にしても、それに使われた部位は名前のとおり「腿(もも)」だ。しかしラフテーはもも肉ではなくて、3枚肉、バラ肉を使う。だとするともも肉の料理がいつのまにか三枚肉の料理になったことになる。

枝肉をベーコンにした「臘肉」を材料につくられた料理ならば、わからなくもないが。どうも音が違う。

こうしてラフテーの語源が「臘火腿」にしても「臘腿」にしても、それが語源だとすると、どうもすっきりしないところが残る。ラフテーの語源が「臘火腿」だ、と書いてあった引用中に、「この種の言葉が、沖縄方言の中で意味が変わって利用されてきた言葉かもしれない」とかなり遠慮がちに書いているのは、こういうふうに現在の料理と語源とがしっくりこないからだろう。


 
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