「臘火腿」を勝手に解釈しないで [ 沖縄と食]
ラフテーの語源はよくわからない。
しかしその語源が「臘火腿」だ、という説が、かなり広まっていて、いくつものサイトで出てくる。そういう説もありえるので、それはそれでいいのだけれども、しかしその言葉の意味をほとんどが誤って書いている。それをここで斬ってみよう。
某作家が「臘はとろけるようなという意味があり、火腿は中国ハムのこと」という説明をしたというが説がある。これはなかなか権威のありそうな有力説だ。
しかし「臘」には「とろける」という意味などない。
「ラフテーの由来(1)」に書いたように、 「臘」は薫製や塩漬けにすることだ。
ワックスのことを「蝋」(ロウ)と言うので、混同したのかもしれない。
ラフテーの語源が「爛火腿」だという説もある。
こちらの「爛」は、とろけるまで煮込むという調理法のことだから、そういう説明もありえる。
しかし先の説明では、語源が「臘火腿」だとするのだから、全くの誤解だろう。
「臘」は「中国語でゼラチンの意味だ」と説明という説もある。これも某作家が言ったことになっていて、実はこれがネットではもっとも広まっている説だ。
その影響だろうか「臘火腿」は「ゼラチン質の多いハムだ」という説もある。
しかし「臘」にゼラチンという意味はない。ラフテーにゼラチン質が多いことから、逆に「臘」をゼラチンと思わせたのかもしれないが、誤りであることに変わりはない。
「臘」をゼラチンと解釈するから延長上に、「とろける」説がくるのかもしれない。
「臘」だけでなく、「臘火腿」がゼラチンという意味だという説まであって、これまたあちこちのサイトで見つかる。
これに至っては「火腿」が中国ハムであるということを完全に無視しているから、まったく論外の説と言ってもいい。
と、まあ悪口を書いてますが、ラフテーの語源って、ほんとわかんないんですよ。
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