めしばな刑事タチバナ:第10話 韮沢スペシャル [ めしばな刑事タチバナ]
テレビ東京の深夜のB級グルメ番組「めしばな刑事タチバナ」。
第10回は「東京みやげ一斉調査」でした。
その本編は昨日の記事にしました。
今日は、ドラマの最後にあったスートーリー「韮沢スペシャル 課長のアフター5」のことです。
これは原作の第75ばな「韮沢スペシャル」のテレビドラマ版です。
中間管理職の悲哀、別居中の家族への思い、しかし1人身の寂しさ。
そんな韮沢課長の姿が描かれている原作の「韮沢スペシャル」は哀しく同情を誘う。それがドラマになっていて、感動しました。
ドラマではこんなストーリーです。
被疑者の尋問中にテーブルを叩いて脅したことを副署長から叱られる。
しかもテーブルを叩いたせいで、韮沢は右手をねんざしてしまう。
オフィスで1人残業していると、副署長から携帯へ呼び出し。
スナックで上層部の接待に付き合わされる。
副署長達をタクシーに乗せて見送り。
コンビニで買い物をして帰宅。
ガランとした家に入ると、別居中の妻から「荷物を送れ」の留守電。
そして1人淋しく夕食を食べる。
昼間はヤクザのような韮沢課長の辛く哀しいアフター5です。
◆原作とドラマのの違い
原作でのストーリーを紹介しましょう。
原作は完全にサイレントで描かれています。
でもドラマでは台詞が少しあります。
完全サイレントはドラマでは難しいんでしょうね。
原作にあって、ドラマにはないシーンにはこんなのがあります。
書類の字がかすむのでメガネをかける。
このメガネきっと老眼鏡です。
実際になってみるとわかりますけど、老眼鏡は哀しいです。
しかしドラマでは、メガネをかけません。
「上様」と書かれた領収書を持ってきた部下の先輩刑事に、これは無理ですよと、困りながら断る。
連行されて騒ぐ被疑者に、メガネを外して、にらみをきかせて大人しくさせる。
取調室で大声を出す万引き犯の主婦に、麦茶を差し出しにっこり笑って改悛させる。主婦は市議会議長の妻で、内聞にして欲しいと頼むのは断る。
部下が覆面パトカーにつけた傷にスプレーして修理する。
以上のことはドラマには出てこない。
オフィスに戻ると【副署長から連絡あり 方面本部の方たちとの会合の時間が早まったそうです】のメモ。慌てて会場へ。
料亭での一次会、スナックでの2次会。
飲めない酒を無理に飲む韮沢課長。
韮沢課長は、実は下戸だったんです。
この意外性に驚きますけど、ドラマの韮沢課長はシッカリ酒飲みです。
副署長をタクシーに乗せ、ふらつく足で公園のベンチで一休み。
家に帰って、トイレで「オエエ」とゲロ。
下戸の韮沢さん、可哀想・・・。
カレンダーに記された娘(亜矢)の誕生日を見つけて、慌ててメモ帳に「プレゼント」と記入する。
水槽の金魚のことに気がついて、餌をやる。
家族とのかかわりを今も大切にしている家族への愛情を感じます。
ドラマでは別居中の妻から留守電があって、かなりストレートだけど、それとは違う設定です。
1人で卵かけご飯を食べて、一言。
「んめ」
サイレントストーリーの中で、最後にこの一言だけ。
ここもドラマでは、違っている。
「やっぱ、うまいわあ」
と、言葉が長い。
◇韮沢流レシピ「オリジナルご飯」
韮沢課長が自宅で食べる夕食です。
ドラマは無言なので、レシピは「オリジナルご飯」と命名されています。
・器に卵を割割り入れる。
・しょうゆを垂らして生卵を撹拌する
・茶わんに盛ったごはんのトップに穴を開けて、卵をかける
・歌舞伎揚を砕いて散らす
・味付け海苔を揉みほぐしてかける
歌舞伎揚は「天乃屋の歌舞伎揚」です。
そして味付け海苔は「無添加」と大きく書かれた、白子のりの「無添加味のり」を使っていますよ。
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◇卵かけご飯の流儀
このレシピは、原作と全く同じ。
しかし原作とは細かなところ、いや重大なところが違うんです。
原作での韮沢課長の作り方を紹介しましょう。
・「サトウのごはん」をレンジでチンして茶碗に入れる
・そのご飯に直接に卵を割り入れ、醤油を垂らしてかき混ぜる
・「歌舞伎揚」を砕いて散らす
・味付けのりを揉みほぐしてかける
まず、原作のご飯は「サトウのごはん」です。
ドラマでは、パックご飯なのか自家製なのか、その正体は出てこない。
いやそれよりも・・・
ずっと重大なことが違う!
何が違うかっていうと・・・
卵かけご飯の作り方が違っている!
ドラマでは、器に卵を入れて醤油と撹拌してから、ご飯にかける。
しかし!
原作では、ご飯に生卵を落とし、そこに醤油をかける。
手順がまったく違う!o(^0^)o
ここは卵かけご飯の流儀の問題です。
容器撹拌派か、直接落下派か、は人によって流儀が完全に分かれるところ。
原作の韮沢課長は、直接落下派。
しかしドラマの韮沢課長は、容器撹拌派。
両者は相容れない。
もしも原作の韮沢が、ドラマのこのシーンを見たら・・・
バーン!
と、テーブルを叩いていることでしょう。(*^▽^*)
しかし、なぜドラマは原作とこのように違うのか!
きっと、韮沢課長役の小沢仁志さんが容器撹拌派で、その流儀で食べたってことでしょう。
シナリオには、韮沢流レシピ「オリジナルご飯」のレシピの指示はあるけど、卵かけご飯の作り方までは指示が無くて、役者さんのアドリブで行ったのでしょう。
そうだとすると・・・。
タチバナが「餃子の王将」で、餃子を酢だけつけて食べる、という原作通りの小技があることを記事にしました。
めしばな刑事タチバナ 第9ばな:中華チェーン緊急配備(1):http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
あれもきっと、シナリオにあったわけではなくて、佐藤二朗さんのアドリブだったんですね。
だからあのシーンで「酢だけで食べる」という説明もないし、酢の皿にパンすることもなかったんでしょう。
◆韮沢課長の驚きのシーン
ところでこのドラマで、
ぉお!
と思ったことが2つあります。
◇小沢仁志さんの驚きの技
1つめの「おぉ!」は・・・
韮沢課長が生卵を割るシーン。
なんと!片手で卵を割っているじゃないか!
これはドラマとも役とも全く関係なく、ただただその技に驚いたんです。
これ、正確に言うと韮沢課長の技、じゃなくって小沢仁志さんの技ですよね。
◇再び登場「鯖味噌煮」
2つめの「おぉ!」は・・・
韮沢課長が、帰宅途中にコンビニで鯖の味噌煮缶を買います。
ここでまず、おっ!なんです。
そして帰宅して・・・
その缶詰を湯せんして、テーブルに置きます。
その缶詰は「あけぼの さば味噌煮」です。
第3話「カンヅメ大舌戦」で韮沢課長のオシ缶でしたね。
第3話の脚本は、今回と同じく小峯裕之ですから、そこはしっかり押さえているわけです。
ちなみにさば缶を買ったコンビニは「スリーエフ」の笹塚3丁目店です。
そのサバ缶の中身を皿に移さずに、缶詰のままおかずにして食べる。
ここは原作にはない部分です。
この一連の行動が、おぉ!
いや、ぉぉぉぉぉ!だな・・・。
だって侘びしいですもんね・・。
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