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TVワカコ酒(1)鮭の塩焼き [ ワカコ酒]

 昨夜、ドラマ「ワカコ酒」の第2夜が放映されました。
ワカコちゃんは、期待どおりよく食べ、よく飲んでくれました。(*^^*)
しかし昨日の記事に誤りがあることもわかりました。(勇み足)
ドラマ全体が2部構成になっているのは確かです。
しかし、後半は必ず架空のお店「逢楽(あらく)」なのではなく、実在のお店も登場する。
そして前半・後半の2軒をハシゴ酒すると決まっていなくて、別の日にそれぞれ訪問する。
ということで、昨日の記事は少し修正するつもりです。


徳間書店の『コミックゼノン』連載中のコミック、新久千映さんの「ワカコ酒」
OLの村崎ワカコちゃんが1人飲みするという飲兵衛には楽しいお話。
そのTVドラマ版が、BSジャパンで毎週木曜日の夜に放映されています。

ドラマは2部構成になっています。
前半部分は、テーマとなっている料理を実在のお店で飲食。
この部分のドラマの筋やセリフは原作に実に忠実です。
後半部分は、第1夜は「逢楽(あらく)」という架空の店での飲食。

そんなドラマの内容とコメントを記事にします。
ただし、とんちゃん流にかなり偏屈にね。σ(゚ー^*)

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まずはドラマの内容から。

【前半部分】

◆鮭の塩焼き

TVドラマの第1夜は「鮭の塩焼き」
このテーマは原作のコミックでも第1話です。 

今回、鮭の塩焼きをいただいたお店は、杉並区和泉にある焼き鮭の専門店「しゃけ小島」
食べログ:http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131808/13095793/
2014年9月に福岡市の中州に2号店が開店しました。http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40037937/

ワカコちゃんはグラスに注がれた日本酒を飲んでから、今夜の主役「鮭の塩焼き」に向かう。

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・・・と、鮭の皮を剥がしはじめるんです。( ̄□ ̄;)!!

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皮をしっかり剥がして・・・皮だけを食べるんですよ

あれまぁ!そうやって食べるの!w(*゚o゚*)w
・・・って思ったら、実はこれ、原作そのまんまなの。

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原作も鮭の皮から食べ始めるんです。

「まずは香ばしく焼けた皮から。
日本酒を含んだ口の中に焼きたての熱々を迎え入れる。日本酒と鮭の皮はこたえられん!
ふた口目は身のところ。このフワフワ加減ときたら。
ほどよい塩加減に鮭の旨み。後から追いかけるように脂があふれ出てきて、身もまた格別の味わい。
ホクホク!噛むほどに旨みがジュワーっと口の中に広がる。飲み込むのがもったいない。
この香ばしい香りを口の中に、そしてその口の中に・・・焼き鮭には冷が合う
塩焼きなのに甘味があるなんて、こんな塩焼き初めてかも。
皮、身、かわ、み、かわ、み、かわ、み。」

「そして日本酒。」

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「ぷしゅー!」

さっきのワカコちゃんの独り言の中で、太字部分は原作にもある語り部分。
原作をベースに、ドラマではずっと多くを語っています。
その追加部分は、お店の焼き鮭を語っている部分がほとんど。(このことは後でもう一度。)

さて、鮭の皮のこと。
確かに旨いと思いますよ。
しかもワカコちゃんは、身より皮が好き
ワカコちゃん自身はそこまでは言わないんだけど、別の客が代弁している。

若い男のサラリーマン2人組がワカコちゃんの隣に座り、ワカコちゃんを見て鮭を注文する。
そして1人がこんなことを言うんです。
「オレ、鮭の皮、超好きなんだよね。」
「オレはむしろ皮食うために鮭食ってるね。」
この発言をワカコちゃんは身を乗り出して聞いている。
皮より身が好きなんだもんね。

ところがその男、酒をオーダーせずに「この鮭、ご飯セットにしてください。」なんて言っちゃう。
それでワカコちゃん、ガッカリ。

驚くのはそこでワカコちゃんがとる行動。 
グラスに残っているの日本酒を飲み干すや、会計をして店を出てしまうんです。
しかしこれも原作と同じなの。

 

◆1軒目のオリジナルシーン「上しゃけ」の説明

こうして1軒目は原作に忠実なドラマになっている。
でもそれだけには収まらない部分があるんです。

1軒目のお店は、実在のお店で実在のメニューをいただく。
それにあわせた展開があるんです。

さっき紹介した、ワカコちゃんの独り言がそれ。
お店自慢の料理をいただいた感想が、原作の独り言にプラスされています。

今回は、さらにありました。次のシーンです。

2015-01-14_19 1軒目のお店。壁に掲げられた木札に書かれたメニューのトップは【定食】。
「しゃけ」と「上しゃけ」の2種がありますよね。もちろんこれは実在のメニュー。
ワカコちゃんは、このメニューを眺めて・・・
「しゃけと上しゃけ。ここは迷わず上しゃけでしょう。」と心に決めます。

でも、「上しゃけ」と決定したにもかかわらず、ワカコちゃんはお店の女性にこう聞くんです。
「しゃけと上しゃけの違いってなんですか?」
店員さんの答はこう。
「種類はいっしょなんですけど、上しゃけの方は定置網で獲られているので、身が柔らかくて脂乗りがいいですよ。」

このやりとりは原作にはないところ
原作の居酒屋には「しゃけ」と「上しゃけ」の区別なんかなくて、たぶん「鮭の塩焼き」だけ。
舞台になったお店「しゃけ小島」ならではのセリフです。
だからこの選択はドラマオリジナル
”せっかくだから、「しゃけ」と「上しゃけ」の違いを言わせてほしい”っていうお店側の要望じゃないかな。

でも「上しゃけ」についての会話は、ドラマではこれだけでおしまい。
これで「しゃけ」と「上しゃけ」の違いがわかる人いる?
わかんないよね・・・ということで後ほどとんちゃんが説明します。

 

◆鮭の塩焼きに合わせる酒

「上しゃけ」に合う酒としてお店の女性が推したのがこれ。

2015-01-14_10
写真中央にある「國権」。
ラベルに銘柄の文字が全くないから、ドラマ用に作ったラベルかと思ちゃいました。

そしたら違うんですね。しっかり本物なんです。

特別純米酒國権夢の香

國権・特別純米酒「夢の香」。http://www.kokken.co.jp/products/pro6.html
福島県南会津町の蔵元・国権酒造のお酒なんですね。

 

【後半部分】

2軒目は架空のお店「逢楽(あらく)」さん。
では、まずはお店の人の薦める日本酒をオーダー。

◆お通しにアスパラのおひたし

そして出された料理は・・

2015-01-14_11
アスパラのおひたし

料理のオーダーはまだだから、これ、お通しです。
しかもそのアスパラが太い。アスパラは太い方が柔らかくて旨いんです。
いただいての感想は「シャキシャキしてみずみずしい!」です。
お通しにこんな料理が出てくるお店があったら、すばらしいと思います。

この「アスパラのおひたし」は原作には出てきません。
第2巻29夜に「アスパラの串揚げ」はありますけど、「おひたし」はない。
この料理は、まったくのドラマ・オリジナルです。

こういう質問していいですか。
なぜここでお通しが出てくるのか?
実在のお店では、原作どおりに1品の料理をいただく、という1品シバリがある。
でも架空の店「逢楽」では、そのシバリ無しに料理が出る、ということではないか、と推測しています。

 

◆アジのなめろう

ホワイトボードを見て「なに頼もうかな・・」と思っているワカコちゃんに、ご主人が・・
「いいよ。すきなもん、なんでも作るよ。」と微笑む。
前回紹介したように、深夜食堂の「できるもんなら、なんでもつくるよ。」と同じコンセプトなの。

そこでワカコちゃんがオーダーするものがすごい。
ネタケースの「アジ」とメニューの「もろきゅう(越中みそ)」をみつけて・・・
「アジと味噌があるなら、なめろうなんてできたりするんだろうか。」と思い、
「あのぉ、すいません。なめろうってできたりしますか?」と聞いちゃう。
もちろん、ご主人がニコッと微笑んでOKしてくれる。

常連風の客が「なめろうなんてあったっけ?」と驚いて、追加オーダーしちゃう、というオマケつき。

2015-01-14_22

「なめろう」は原作の33夜のテーマです。
それが2軒目のオーダー料理として登場しています。
原作ではワカコちゃんがなめろうについて色々と独り言をするんですが・・・
ドラマでは、なめろうをいただいて一言、「おいしい。」だけ。

なめろうって、日本酒のつまみのためだけあるような料理。
それをオーダーする女の子に「できる!」なんてご主人ならずとも思うんじゃないでしょうか。
店に入って、はなから日本酒の冷をオーダーして、次になめろうをオーダーするなんて、上級呑兵衛以外の何者でもないですもんね。(*^^*)

原作では、ワカコちゃんがメニューにある「なめろう」を見つけてこう独り言しますよ。
「ひとりで、他のメジャーなおつまみをさしおいてなめろうなんて、「通(つう)気取り」とか思われないかしら?でも好きだもの。」
ひとり飲みでなめろうなんて・・・やっぱり「通」といえる上級者のオーダーですよ。

 

◆お店お勧めの日本酒

ワカコちゃんが料理をオーダーする前に、オススメのお酒としてお店が出したのがこのお酒。

2015-01-14_12
銘柄が画面にしっかり登場します。

 

城川郷尾根越えて1800.jpg
「城川郷・尾根越えて」という純米酒。愛媛県西予市城川町の蔵元・中城本家酒造のお酒です。
番組の最後にも紹介があります。
主演の武田さんは、このお酒が飲みやすくて、お気に入りになったそうですよ。

 

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さて、次はとんちゃん目線の重箱の隅をつつくような細部コメント

◆赤星登場

ワカコちゃんが1軒目のお店に入ってすぐのシーン。
店内を店員さんが横切るときのこと。
手にビール瓶を持っている・・・オッ!(◎_◎;)

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そのビール瓶は・・・赤星! o(*^▽^*)o
サッポロラガーです。「しゃけ小島」さんには、赤星があるんですね。
さすが!とお店に感心。
でもね、これ、演出じゃないかな?
わざとラベルが見えるように歩いている。

だって、これだけじゃありませんから。

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後半の「逢楽」で、なめろうをオーダーした常連さんが飲んでいるビール。
これも赤星ですよ!(*^^*)
ロケに使ったこのお店にも赤星があるのは確かです。
でも、これも演出じゃないかと思うんです。
監督か誰かが赤星ファンなんじゃないのかな?

 

◆グラスからしたたる酒の滴

1軒目の店で、ワカコちゃんが鮭を食べる前に冷やの日本酒をいただくシーンでのこと。
日本酒を注いだグラスに口から迎えに行って、酒を一口いただく。
そして鮭を食べる・・・じゃないんですよ。

今度はグラスを持ち上げて・・・二口目をいただくの。

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と、グラスの底から日本酒の雫が滴り落ちる・・・
これが原作と同じなの。

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すっと持ち上げたグラスから「シタッ」と雫がしたたってる。
ここまで原作に忠実だ、と感心しました。(*^0゚)v

 

◆いただきますって、いつ言うの?

ところで・・・。
この酒を飲むシーンでのこと。
「まずは一口」と言って、グラスの日本酒を口から迎えに行ってツッと1口飲んだあと。
グラスを引き寄せて・・・

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「よし、はじめるか。いただきます。(合掌)
そう言ってから、グラスを持ち上げて今度はしっかり酒を飲むんです。 そして「ぷしゅー!」

お酒を1口飲んでから「いただきます」。
これがワカコちゃんのマイルールなんだろか?

でも後半ではこうなの。

ワカコちゃんは、猪口に注いだ日本酒を2口すすってから、
「さ、日本酒とアスパラの相性は」と言って・・・

2015-01-14_18
「いただきます。」(合掌)

やっぱり日本酒の味見をしてから「いただきます!」がマイルールみたい。
ただしここでは2口いただいてから。

みなさんはどうでしょうか?
とんちゃんの場合は・・・はて?・・・・今度、自分を観察してみよっと。

ちなみに「孤独のグルメ」の五郎さんは、醤油を料理にかけたりした後に、背筋を伸ばして、「いただきます!」(合掌)です。


◆上シャケとシャケは?

「しゃけ小島」さんで、「上しゃけ」と「しゃけ」の違いについてお店の人がこう説明しました。
「種類はいっしょなんですけど、上しゃけの方は定置網で獲られているので、身が柔らかくて脂乗りがいいですよ。」
ごく短い説明だけ。このドラマではウンチクは語らない、ということなのでしょう。
けど、これだけじゃよくわかんないですよね。
「種類はいっしょ」、「定置網で獲られている」ってどういう意味よ!

ということで、「しゃけ」と「上しゃけ」の違いをとんちゃんが説明します!
(もちろんあくまでも推測ですが・・・)
※以下、説明が長いので、飛ばしてもらって結構です。

とんちゃんの答えを言う前に、まずはサケについて説明します。
ひとくちにサケと言っても、いろいろあるんです。
まず、サケとマスは魚の種類として区別されません。
(サケの種類については「サケとマスの違い」を参照下さい。)

日本のサケ・マス類の自給率は20%程度です。
そして輸入の7割はチリ産、15%はノルウェー産。
どちらも養殖鮭で、チリ産はギンザケとトラウトサーモン(大型ニジマス)、ノルウェー産はタイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)です。

天然鮭は国産の一部とアラスカ産。(国産にも養殖物のギンザケがあります。)
天然物の国産には3種類あります。
 1つめは日本沿岸の定置網で漁獲されるもの。
 2つめは日本近海(排他的経済水域内)での小型船による流し網漁によるもの。
 3つめはロシア200カイリ内の北洋での中型船による流し網漁によるもの。
サケの種類は、日本沿岸は主にシロサケ、近海はシロサケとカラフトマス、北洋はシロサケと紅サケ、カラフトマスです。
昔から日本で「鮭」と呼ばれてきたのは、そのうちのシロサケです。

で、この店の「しゃけ」と「上しゃけ」は何なのか?

ヒントはこれ。

2015-01-14_20 
ワカコちゃんがお店に入って店内を見渡したときにチラッと見えたポスターです。
【釧路定置トキシラズ 厳選された春のサケ】

「トキシラズ」とは・・・
鮭(シロサケ)の旬は秋(10月から11月)。これが「秋鮭」と呼ばれます。
これには2種類あって、ほとんどは「ブナ」と呼ばれる成熟して体表が赤黒いもの。
もう1つは、成熟度が低くて体表が銀色の「銀毛」で、これは値段が高い。

ところが春から初夏にかけて獲れる鮭があるんです。
これを「時知らず(時不時)」と言います。 時期を間違えた鮭っていう意味。
最近では省略されて「時鮭」なんて呼ばれてます。

以前は北洋サケマス漁業でとれたその時期の鮭のことをトキシラズと呼んでいました。
トキシラズは故郷の川に戻る前の若い鮭だから、卵巣(筋子)、精巣(白子)がまだ成熟していない。
そのおかげで、身肉に脂があって大変に美味ってわけ。
北洋で獲れても日本で水揚げするから、国産の鮭です。(ただし塩蔵品)
しかし北洋のサケマス漁は、公海での禁漁、200海里の影響で縮小して、今はロシア200カイリ内のみ。

それに変って近年の国産鮭の多くは定置網で獲るようになってきています。
そして北海道沿岸の定置網で獲れるトキシラズがあるんです。
これは僅かしか獲れない貴重品。
釧路ではそれをブランド化しました。さっきのポスターにあったものです。

上シャケは「定置網で獲られている」と店員さんが言ってましたよね。
そう!「釧路定置トキシラズ」、これがこの店の「上しゃけ」でしょう。

ではこの店の普通の「しゃけ」は何?
「種類はいっしょ」、でも「定置網」じゃないもの。
種類はいっしょだから「シロサケ」。
しかも「定置網じゃない」とすると流し網漁によるもの。
北海道近海や北洋での流し網によるシロサケは、生のトキシラズとして流通しています。
このうちのきっと北海道近海ものなのでは。

ということで「上しゃけ」は釧路定置トキシラズ、「しゃけ」は近海流し網トキシラズでしょう。
なお、鮭が獲れる時期は限られているんですから、生がいただける時期はわずか。
それ以外の時期は当然ですけど冷凍物です。
正確にはお店の人に聞かないとわかりませんけどね。
※結論部分を修正しました。

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第2夜は、原作では第4夜の「焼き餃子」
その記事はまた後日。
ヘンテコな記事を楽しみにしてくださいませ。(*^^*)


 
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式守錦太夫

国権酒造さんには以前、単独で見学に行ったら、
ソースカツ丼をご馳走になりまして(笑)
すっかりいい思いをさせてもらいました!
赤星のご指摘!私も気がつきました!
でも翌週はプレモルだったんで、
本当にモデル店の使用銘柄を使っているのではないでしょうかねえ。
by 式守錦太夫 (2015-01-20 23:31) 

とんちゃん

> 式守錦太夫さん
単独で見学!さすがですね。
会津にもソースカツ丼がありますからね。
それはよかった。
ビールは「モデル店の使用銘柄」みたいです。
ただし、しゃけ小島では、あのシーンで店員さんが横切る、ということに意図があると思ったんですよね。
by とんちゃん (2015-01-22 07:24) 

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