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炉端焼きの大衆居酒屋、北海道産海産物もいいじゃないか 大衆炉ばた十二番倉庫@根津 [ 東京飲みある記]

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4月末のころのこと。
東京メトロ千代田線の根津駅近くに新しい店を発見しました。

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「大衆炉端焼 十二番倉庫」さん。
赤提灯縄暖簾が下がる、まさに大衆居酒屋の雰囲気です。
入り口わきに酒樽が積まれ、外壁が石造りの倉庫みたいです。

後で知ったことですが。
ここは2016年2月22日にオープンしたお店らしい。
2014年5月に本郷でオープンした「三十六番倉庫」、五反田の「十三番倉庫」(2015年3月オープン)に続く3店舗目だそうです。
オーナーが釧路市出身で、釧路市にあったレンガ造りの倉庫を使ったライブハウス「浪花町十六番倉庫」(2010年4月閉館)に因んだ店名らしいです。

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店内は広くはなく、囲炉裏を囲んだカウンター席にテーブル席が4卓ほど。
大正・昭和初期のポスターが貼られていてレトロな雰囲気があります。

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椅子が丸いパイプ椅子。なんと年季の入った茶箱も椅子代わりに使われている。
「茶箱」と言われて分かる人はどれだけいるでしょうか?
茶箱はお茶を保存するために杉板で作られた木箱で、お茶屋さんが使う業務用の箱です。

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裸電球が下がっていたりして、場末の大衆居酒屋の雰囲気です。
メニューは壁に貼られた短冊。
おや、じゃがバター塩辛のせなんてのがある。
じゃがバター上級者の料理ですよ。(^∇^)

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おや、「釧路発 元祖サンギ」だって!(◎_◎;)
ここはザンギがあるんですか!

ザンギってどんな料理かご存知でしょうか?
ザンギ」と聞いて、どんな料理か理解できる人は、かなりの北海道通ですよ。
ザンギとは、鶏の唐揚げのことですが、醤油、生姜、ニンニクなどでしっかり味をつけた唐揚げです。
しかも北海道では、鶏の唐揚げをすべて「ザンギ」と呼びます。
逆に、居酒屋などで「鶏の唐揚げ」なんてオーダーすると、すぐに「あぁ、内地から来た人かぁ!」なんてバレてしまいます。
おっと、これまた説明が必要ですね。
北海道の人たちは、北海道以外の日本のことを「内地(ないち)」と呼びます。
そんなわけで、居酒屋でザンギを知っているかどうかは、北海道在住者か北海道に無知な内地の人かの試金石です。

そんなザンギがあるってことは、ここは北海道に通じたお店であるってことの証です。

ホワイトボードには本日のおすすめ。
北海道直送の北寄貝だって。
なるほど、ここも北海道なのね。

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焼き物は「炉端焼き」ってことになっている。
店内の囲炉裏はあくまでもデザインで、実際には厨房で焼いているから、本来の「炉端焼き」じゃないですが。
同行者が、北海道なら鮭ハラスだね、とオーダー希望。
道産子のとんちゃんが、いや北海道ならその隣の「干し鰊」ですよ!と横やり。
結局、両方オーダーしました。

日本酒もいろいろあるようです。

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「樽酒」そして「二級酒(大関)」なんてのもあって、レトロなオヤジの食指が動きます。

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お通しはコンニャクの刺身。
酢味噌でいただくコンニャクなんて、ヘルシーです。

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◆二級酒
お酒は二級酒!大衆的ですね。
しかもコップに注いでいただきました。
いかにも大衆酒場って感じでしょ?

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◆菜の花のおひたし
季節のものですから。花かつおがいっぱい載っています。

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◆ポテトサラダ
胡椒が利いていてかなり旨いです。

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◆つぶ貝わさび
わさびを添えたつぶ貝の刺身、じゃありません。
つぶ貝に、山くらげ、茎わさびを加えて漬け込んだ既製品です。
大根おろしを敷いた上にそれを載せています。

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コリコリしたつぶ貝の食感、そしてツーンとくる辛さが特徴。日本酒に合います。 

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◆あさりの唐揚げ
天ぷらみたいな感じですけど、このあさりの唐揚げはかなり旨い。
日本酒にも相性がいいです。

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◆焼き空豆
完全にブレていますけど、空豆をサヤごと焼いたものです。

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空豆もこの季節だけの旨さですね。
みなさんは空豆の皮はどうしますか?
食べない派、食べる派がいることと思います。
とんちゃんは食べる派。

ところで、なんで「空豆」っていうか、ご存知ですか?
大きな豆の入ったこの大きな「サヤ」が、茎からぶら下がるのではなく、なんと茎から空に向かってついているからなんです。

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ネイチャーToshiさんのブログから
こうやって大きくて太いサヤが空に向かっているんです。この写真、天地が逆じゃないんですよ。
そして実が充実するにしたがって、だんだんと下に向いてくるんです。
時を経るにしたがって、上向きからだんだんと下向きになってくるって、なんだかアレみたい。
男性にはわかる、アレの経年変化に似ています・・・。

閑話休題。
居酒屋の話へもどしましょう。

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◆厚切りハムカツ
こいつは確かに分厚いわ!
3センチくらいの暑さのハムカツ。中にチーズをはさんであります。

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チーズをはさんだ分厚いハムカツ。
ハムカツのハムは、ロースハムやボンレスハムのような高級なというか、本来のハムを使うものではない!
プレスハムやチョップドハムでなければいけない!
くず肉を成形した太いソーセージとも言える、この安いハムを旨く食べるよう工夫した料理がハムカツと思います。
ちなみにプレスハムとチョップドハムについては、かつて詳しい記事を書きました。
 →プレスハムとチョップドハム:http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2014-02-04-2

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◆鮭ハラス
鮭のハラスを焼いた「炉端」料理。
脂がのっていて旨い部分ですよね。

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◆干し鰊
干したニシンを炙ったもの。
北海道なら、と勧めた料理なんですけど、実は初めて見る料理です。
というのも、身欠きニシンと勘違いしていたんです。
初めて食べましたけど、これまた脂がのっていて旨いですわ。

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◆氷下魚の一夜干し
この魚の名前、読めますか?
「コマイ」です。
コマイというと、干したカチンカチンのものをご存知かもしれませんね。
これは生のコマイを一夜干ししたもので、東京でこれを置いてあるお店はかなりレアものです。
コマイはタラの仲間だから、一夜干しのコマイは独特の香りがして、淡白な味。
日本酒との相性がいいですよ。

ところで、なんでこの魚をコマイと呼び、 氷下魚と書くのか?
タラ科の小さな魚だから「コマイ」という名になったんです。

・・・・ってのは間違い。
アイヌ語で、地域によってコマイ(komay)とかカンカイ(kankay)という名なのです。
なので北海道では、コマイとかカンカイと呼んでいます。
「氷下魚」は冬期に根室湾などで結氷した氷を割って穴を穿ち、氷の下に網を入れて獲るためについたもの。

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◆クリームチーズ味噌漬け
クラッカーといっしょに出されました。

クリームチーズの味噌漬けって、日本人の考案した実に旨いつまみです。
シンプルなクリームチーズがマッタリした濃厚なチーズに変身しちゃいます。

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それをクラッカーとともにいただきます。
赤ワインがほしくなりますなぁ。

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◆フワフワ焼き厚揚げ
炙った厚揚げに花かつおがたっぷり。
アツアツで、外がしっかり、中がフンワリした厚揚げです。

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◆漬物盛り合わせ
そろそろ〆なので、漬物で、ってところ。
大根、人参、茄子などの自家製の浅漬けです。

炉端焼きもいいし、それ以外の料理もなかなか旨いですよ。
しかも北海道産の食べ物があるのは道産子としてウレシイお店です。

ごちそうさまでした。

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