雪まつりと自衛隊 [ 北海道と食]
札幌の第60回雪まつりが先日終わった。自衛隊基地内の真駒内会場は今回が最後だから来てみれ、と実家が誘うので、子どもと行ってきた。
雪まつりと自衛隊との関係について改めて考えてみた。
雪まつりは1950年に札幌市や観光協会などの団体が第1回を開催した。
初回は地元の中・高校生が大通公園に雪像をつくったりした。
自衛隊の参加は1955年の第10回からで、札幌市長の要請による。
雪まつりがテレビ、新聞でも紹介され、本州からの観光客が増え、雪まつりは冬の札幌の観光資源となるし、自衛隊の参加はその必要条件になります。
そして1965年には自衛隊基地内が真駒内会場として雪まつり第二会場になる。
しかし2005年度からの中期防衛力整備計画で第11師団が旅団に縮小される計画らしい。
ロシアが仮想敵ではないのだから、遅すぎた対応と言えるだろう。
7,000人規模の師団が旅団だと4,000人程度になり、物理的に協力が難しくなるそうだ。
縮小は06年から始まるだろうから、キリのよい今回で真駒内会場を廃止にしたようだ。
国民に愛されることを目指していた自衛隊にとって雪まつりは格好の参加場所だったのだろう。
いまではえっ?と思うだろうけど、1950年代当時、自衛隊という軍隊は国民に愛されていなかったんです。服で基地の外を歩くことすらできず、いまのように制服で市街を歩くようになったのは、ずっと後のことです。
そんな時期に、街のど真ん中で市民に自衛隊の姿を示すことができる場として、雪まつり参加は自衛隊にも都合がよかったでしょう。
さらに第2会場となった当時は、基地内の何カ所かに雪像が設置され、市民が基地内を見て回れるようになっていた。自衛隊が市民により身近に感じられる絶好の機会になっていたわけです。
現在はどうかというと、自衛隊という軍隊の存在は国民に当然のものとなってしまっている。
ということは自衛隊の側からすると雪まつり参加は自衛隊の宣伝のためには重要な役割を果たさなくなってきているだろう。
第11師団がイラクへ派兵されたことに象徴されるように、戦争への荷担の仕方が議論になる段階になっています。
実際に昨年は市長と自衛隊との間でイラク派兵をめぐって問題が起こっていました。
自衛隊イラク派兵師団のある北海道で今何が起こっているのか?
派兵反対で行き過ぎたデモがあれば雪像作りは中止する、という発言を自衛隊がしたのだ。そんな恫喝が許されるような状況になっているということだろう。
一見平和な祭りは、実は戦争に荷担する軍隊によって成り立っているっていうことは見落とせない。
「雪ダルマを一目見るために8千人がやってきて、アナ・ローザ駅近くまで100メートル以上の行列ができた」
http://www.nikkeyshimbun.jp/2019/190614-71colonia.html
ブラジルのニュース....
by サンフランシスコ人 (2019-08-04 05:27)
> サンフランシスコ人さん
北海道安平町からの雪ダルマだったんですね。
安平町は北海道胆振東部の震源地で、甚大な被害を受けました。
ブラジルから安平町震災支援があって、それが雪ダルマの決断につながった。そんなことがあったんですね。
by とんちゃん (2019-08-04 07:09)