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旧拓銀の荘厳なホテル ホテル・ヴィブラント・オタル@小樽 [温泉・旅館・民宿]

北海道ツアー初日は小樽です。札幌から実家の車を借りて、スキーとともにホテルにやってきました。

泊まるホテルは『ホテル・ヴィブラント・オタル』。

歴史を感じさせる立派な建物です。


ここは小樽市の歴史的建造物に指定されています。

元は北海道拓殖銀行の小樽支店で、なんと大正12年に建築されたものです。
その建物を利用して現在はホテルが営業されているのです。

「北海道拓殖銀行」って、今はなくなってしまいましたけど、札幌にあった都市銀行(!)でした。
元々は、明治政府が北海道開拓のために設立した国営の銀行です。だから設計者は、国会議事堂を設計したのと同じ矢橋賢吉です。

この旧北海道拓殖銀行小樽支店には、小林多喜二が勤めていて、『蟹工船』や『不在地主』などを発表したそうです。それもまた歴史を感じさせます。

そしてこの旧北海道拓殖銀行小樽支店がある周囲には、かつて多くの銀行が建ち並び、北のウォール街と呼ばれていました。この建物がある交差点だけでも、通りの南側には三菱銀行、はす向かいは第一銀行があり、他にも日本銀行、三井銀行、北海道銀行等の銀行がありました。

 

旧日本銀行小樽支店は、現在は金融資料館になっています。

そんな由緒ある建物に泊まるわけで、かなり嬉しいです。

交差点にある建物の入り口を入ると・・・。

エンタシスの柱が立ち並ぶ「喫茶室」があります。
ここはかつての銀行の窓口があったところです。

奥が喫茶室のカウンター。
この左にホテルのフロントがあります。

本来のホテルの玄関は建物の真ん中。

入り口を入ると階段があって趣を感じさせます。

この建物は、かつては地階~2階は銀行で、3・4階は貸し事務所になっていたそうです。現在はそのうち地階と3・4階の部屋をホテルの客室として使っているのです。

この建物、本来は地階から4階までの建物なんですけど、現在はそれらを1階から5階として使っています。地下(半地下)の客室ってイメージが悪いからかな?

私たちの部屋は最上階、現在の5階、かつての4階です。
エレベーターを降りると、板敷きのレトロな雰囲気の廊下が延びています。

客室内も板敷き。部屋はトイレとバスが別々です。
私たちの部屋は、ダブルベッドが1つ、シングルベッドが2つの4人部屋の仕様のようです。

客室の天井がとっても高い。さすがは明治の建物です。

部屋は通りに面していて、窓の窓からは通りの向かいにある小樽運河ターミナルが見下ろせます。ここは旧三菱銀行小樽支店。

夕食に向かうために子どもと階段を下りてみました。

階段はこれまた木製の手すりです。その手すりに青いボールがついています。

その青いボールをよく見ると、なんと!ガラス製の地球儀です!
白い陸地の部分は磨りガラス。こんなの始めてみました。
でもこれは古い物ではないと思います。北一ガラスの製造でしょうか。

ところでここは元は銀行ですから当然、金庫があります。
そしてその元金庫室も、現在は客室に使われています。

そんな金庫室部屋が1階と3階(かつての地階と2階)にあります。
ただし金庫室なので窓がないそうです。でも防音は完璧でしょう。(笑)


ホテルの朝食は7時から8時半まで、喫茶室でサービスされます。

フロントの脇に、パンとコーヒー、紅茶、コンソメスープが置いてあります。

パンは、クロワッサンとバターロール。ふんわりしたパンです。

4種類の角食(胚芽角食、ごま角食、ふつうの角食、よもぎ角食)が並んでいます。

ところで「角食」ってわかりますか?
北海道では食パンのことを「角食」って呼んでいます。意味は字を見ればわかりますよね。四角い食パンのことです。

じゃあ四角くないのはなんて言うのか?
「丸食」なんて言葉は聞いたことないですが・・。
実は角形食パンが「角食」で、これに対する言葉は山形食パンの「山食」のようです。

閑話休題。
パンは、1個すつビニールにパックされているので、乾燥していなくて、柔らかです。北海道は、夏もそして特に冬は乾燥しているので、これはいいかも。
コーヒーはけっこう美味しいです。

フロント側から見た喫茶室はこんな感じ。

テーブルがゆったり配置されているから、隣を気にせずに落ち着いて食事がとれます。私たちは昨夜買ったヨーグルトも持ち込んだりして、気ままに朝食をとれるのはいい感じです。

ところで喫茶室の床にある黒い模様。なんだかわかりますか?

反対側から見るとわかりやすいかな・・・。
日本地図です。ちょっとデフォルメしていますけど。

明治時代から、銀行の床にあったんだと思います。さすがは日本を見据えた商いをしていた北海道らしいデザインだって思います。

もう1つ。椅子の背もたれが変わっているのに気がつきませんか?
譜面代みたいな形をしています。これはどういう意味か、わかりません。

ともあれ、この喫茶室の調度品は、ほかにもいろいろ個性的です。
ここは元は「円舞曲 ワルツ」という名の喫茶室だったようですが、その名前はいまはありません。



 
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