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ジモ専、観光客立ち入り禁止にしたい名居酒屋 魚菜@札幌 [ 北海道]

さて札幌の夜をどうすごすか。かなり作戦を練りました。

最初に向かったのはすすきのの雑居ビルに入っている、とある居酒屋。初めの店です。

場所は、三条三松ビルの4階。
南側のエレベーターで上がったので、店は一番奥。狸小路側から入ると、もう1つのエレベーターを出てすぐの位置でしょう。

「魚菜」と書いて「ぎょさい」よ読みます。

YIさんが、以前、知人に連れられて来て見つけられなかった店だそうで、ならばきっと良い店でしょう。
太田和彦氏の居酒屋紀行シリーズでも取り上げられたそうで、きっと名居酒屋のはずです。

店内は、8人程のカウンターと小上がり。小上がりは2人用卓が2つと4人用卓が1つ。こぢんまりとした店です。YIさん、Eさんと私の3人は、L字のカウンターの一番奥、ってことは店の一番奥に通されました。

カウンターの中では威厳のありそうなご主人が包丁を握っています。そして女将が、美人!接客もテキパキとしていて、素敵な女性です。

背中の壁には日本酒や焼酎のラベルがいっぱい貼られています。
この壁はほとんど焼酎ですね。

まずは生ビール。
ヱビスとサッポロクラシックがあります。ヱビスの生もいいですけど、ここは北海道限定のサッポロクラシックにしよう、ってEさんにも勧めました。

「カツカワの胡麻和えです。」と言いながら主人が突き出しを出す。
「マツマワってカレイの?」って聞き返すと、
「はい、マツカワカレイです。」だって。

カレイの王様とも呼ばれるマツカワカレイです。
道南の太平洋側、えりも町から南茅部で獲れるカレイですけど、すっかり獲れなくなって「幻のカレイ」と言われていたけど、放流のおかげで獲れ始めていると聞いていました。

そのマツカが唐突に目の前に出てきました。最初から驚きです。
その味ですけど、肉厚で脂がのって甘みがあります。締まった身の歯触りがいい。

これ食べるんならやっぱ日本酒だよね。
と言っている端から日本酒好きのYIさん、早速、三重の「而今(じこん)」を注文。どんなお酒?って聞いたら、フルーツっぽい酒です、だって。
ほぉ~っ、いいじゃん。

背中側の壁にある掲示板に「本日のお酒」の札が掲げられています。
つまみを注文したら、私も日本酒にしよ、っと。

メニューには、もう色々載っています。値段はリーズナブル。

カウンターの上の張り紙には、おまかせ料理、5品 2,200円、ご予算にあわせ承ります、というのがあります。これかなぁ?

壁に張られた紙にも、いろいろなメニューがあります。
「珍味 おまかせ3品盛り 780円」ね。

「何がいいですかね?」って女将に聞いたら、「店主におまかせ 酒菜の盛り合わせ、はいかがですか? 1,050円からです。」と勧められる。
「それって、どんな感じなんですか?」
「ひとり1つずつ、7、8品をお出しします」ですって。
1000円とはずいぶん安い。即決でそれにしてもらいました。

さてでは、私もYIさんに習って而今を注文しました。
「而今(じこん) 純米吟醸 千本錦火入れ」430円です。 

三重県名張市の木屋正酒造のお酒なんですね。

「過去に囚われず未来に囚われず今をただ精一杯に生きる 杜氏 大西唯克」と裏のラベルに書いてあります。「而今」って「今このときをただ懸命に生き抜く」という意味だそうで、杜氏の意気込みが酒の名前になっているんですね。

広島産の千本錦100%のお酒です。
アルコール分16%、日本酒度-2、酸度1.7、アミノ酸度1.2です。

女将が酒を注いでくれます。

吟醸香に加えて、かなりフルーティーな香りのお酒です。うまい。

酒にうなって「酒菜の盛り合わせ」の登場です。これで3人分。

手前から、たこのやわらか煮、牡蠣の山椒煮、枝豆、ホタテの梅煮、ゆで卵の燻製、浜茹で北海シマエビ、たら子の大吟醸粕漬、隠れて小梅があります。
これが1050円って、安い!

その一部を皿にとりました。どれもこれもまさに酒のアテにいい。
酒がどんどん進むなぁ。

2杯目は、これもYIさんに習って「貴 夏純米 発泡にごり」420円。

山口県宇部市の永山本家酒造場のお酒。
山田錦100%、精米歩合60%、アルコール度16~17度しか書いてません。

盃に注ぐと、まさに発泡しています。
米の香りに加えてフルーティーな香り。旨みがあって、でもキレがいいです。
こういうのって、危険だなぁ(笑)

残りのつまみを皿にとりました。

あっ、小梅があったんですね。あんまり酸っぱくなくて、口直しにいいです。

ここらで燗酒をもらいましょう。

升に入った猪口から自分の好きなものを選びます。粋ですね。

私はぐい飲みじゃない、広口の盃にしました。
こういうので酒を呑むのが素敵だよな、って思います。

「ぬる燗です」と女将。ぬる燗!さすがだ。いいねぇ~。
正1合の酒が入ったチロリが小型の湯煎器に入っているので、保温がいい。

何の酒だったか忘れたけど、ぬる燗がとっても旨い。
隣のEさんと呑んだんだけど、旨くて呑みやすいから、ピッチが早くなってしまうじゃないか!こりゃ、いかん。

1品のつまみを注文しました。
ニシンの切り込み。米麹と塩で漬け込んだ塩辛ですね。好きなんです。
売っているものは甘くてマッタリしているのが普通だけど、この切り込みは、すっきりした味です。

「この切り込み、旨いですね」と主に言うと
「添加物が入っていないんです。普通は甘いでしょ?甘くないものを青森から取り寄せているんです」とのこと。へぇ、そうなんだぁ。
ともかく、確かに旨い。

次の酒は栃木の「大那 特別純米 那須五百万石」。これも初めての酒です。

栃木県大田原市の菊の里酒造の酒。
那須の五百万石100%。しかも農薬や化学肥料の使用を通常の半分以下に抑えた契約栽培農家のお米です。「減農薬・減化学肥料」の米が原料です。
精米歩合は57%。

旨みとキレのある酒です。

九州生まれのEさんが「コマイって、干した物しか食べたこと無いけど、どんな魚ですか?」っていうんで、コマイの一夜干しを注文。

最近は北海道でも普通に食べられるようになったけど、昔は売っていなかったものです。高価だからじゃないです。安すぎて、運賃の方が高くつくから流通しなかったんです。その旨さが知られるようになって、流通し始めたってわけ。

「コマイの干したのはどこにでもあるから!」って言ったら、「うちのは普通に売っているのとは違うよ」ってご主人が言うんで、そっちも注文した。
しばらくして出てきたのがこれ。

違いって、あんまりわかりませんが・・(笑)。
でも塩味の具合がいいのと、魚自体が旨いかも。普通は醤油マヨネーズなんかつけるけど、つけなくても旨かったモンね。

ほっけバーだったなか?棒状にして干したもの。
シマホッケかな。旨いですよ。
でも普通の「開き」とどこが違うのか?ヒレなんかの余計なところがなくて、食べやすいのかな?

お酒は、「而今」をもう1杯呑んだと思います。

すっかり気分がよくなりました。
酒が旨い、アテが旨い、そして手頃な値段。気さくなご主人、気っ風が良い美人女将。とても良い店に来れました。
ごちそうさまでした。

ここは地元の酒好きが酒を愉しむ店です。
金払いがいいだけの観光客たちには荒らされたくない。
と、いまや観光客となっている道産子の私は思います。


 
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