摂社と古宮趾 香椎宮(2)@福岡市 [ 神社仏閣]
昨年9月に福岡に行ったときに、香椎宮に観光に行きました。
仲哀天皇と神功皇后を祀っているところです。
前回書いたように、まぁその実在性は否定されているんですけどね。
本殿を見学してから摂社を見学します。
香椎宮本殿のすぐ右側に位置する香椎宮摂社。武内宿禰(たけのうちのすくね)が祭神となっています。
武内宿禰は300歳まで長生きして5代の天皇(景行・成務・仲哀・応神・仁徳)に大臣として仕えたとされる。
それが1人の人物だったはずはないのですけどね。
武内宿禰は紀・巨勢・平群・葛城・蘇我氏などの中央諸豪族の祖とされているのですが、百済系の渡来人なのでしょう。
左が「稲荷神社」、右が「鶏石神社」。ともに香椎宮の末社です。
稲荷神社は元々は秦氏の氏神です。秦氏は新羅系の渡来人です。
もう1つの変わった名前の鶏石神社。
ここは鶏を祀った日本唯一の神社、ってことになっているそうです。
でも鶏を祀る神社は実はかなり多いんです。(鶏の神(ニワタリ神社)のページ)
福井県や島根県、秋田県そして新潟県には、鶏肉を食べないという伝統が残る地域があります。
新羅は鶏を神聖視して、国号まで「鶏林」だった時期があります。きっと、それが由来だろうと思います。
そういうことから、ここは新羅系の渡来人と関係がある神社じゃないかと思います。
こうして鶏石神社も新羅系の神社だとすると、新羅系の摂社が2つ並んでいるわけです。
これは何を意味するのかなぁ。
「不老水」の案内板があります。ここまで行ってみましょう。
境内の裏手を出たところに「古宮趾」があります。
実はここはここが仲哀天皇の皇居「橿日宮」の跡で、神功皇后が自ら仲哀天皇の神霊を祀られた本来の香椎宮創建地ということになっています。でもどっちも日本書紀が創り出した伝説上の人物です。
以前は仲哀天皇の神廟があったので『古宮』と言うようです。
前回書いたように、ここは奴国の中心地で、宮殿があったところです。
大きな椎の木。
仲哀天皇の御棺を掛けたと伝える棺掛椎が六角の玉垣の中にあります。
亡くなった仲哀天皇の寝棺を立てかけた椎の木から異香(くしきかおり)が四方にに薫ったので以降、この木を香椎と名づけ、地名をこの文字に統一したということです。
しかしここはそれ以前から「橿日(かしひ)」と呼ばれていたところで、「香椎」はその後に当てられたもの。椎の木の話は後世のものでしょう。
石段を上がって、林の中をしばらく進みます。
仲哀天皇の居(橿日宮跡)。神功皇后はここに天皇を祀られたわけです(ということになっています)。
「古宮趾」を出て「不老水」へ向かいます。
「古宮趾」を後ろから見ると、こんな崖になっていて、住宅建設が進んでいます。
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