秋田料理で日本酒 蘇州@秋田市川反 [ 東北]
秋田に来ました。秋田市の夜と言えば、まずは川反です。
場所は川反のやや南側。
蔵のように漆喰を塗り込めた白い壁、裾はナマコ壁という立派な造り。
その右端に店の入口があります。
店の名は「居酒屋蘇州」。
その建物の中央には、立派な入口もあります。
そこは「割烹蘇州」の入口。
しかし今は割烹は店を閉めて、その脇にある居酒屋だけの営業になっています。
日本酒の揃えがいいので、ここにしました。
川反からすこし外れた「ん。」というお店に行きたかったんだけど、今夜の予約がとれなかった。それで次善の策として、ここに飛び込みでやってきました。
丸に下がり藤の家紋が染め抜かれた暖簾をくぐって蔵の扉を開けます。
Hさんと同行です。
店内はL字型の長いカウンターのみ。
元気で愛嬌がある女将(いや洋装だからママかな)が迎えてくれます。
日本酒が入ったクーラー前がママの定位置。
その前には先客がいたので、その奥の席に腰をかけました。連れはHさん。
このお店はカウンターだけだというので、狭い店だと思って予約しなかったんだけど、カウンターにはそれなりの人数が並べそう。
これなら予約もできますね。
まずは生ビール下さい!
「うちはヱビスしかないですけど、いいですか?」
おぉ!ヱビスですかぁ!そりゃもういいですよ。お願いします。
ヱビスのジョッキに注がれたヱビスビール。旨いね。
突き出しは、オクラのお浸し。
ミョウガとモロヘイヤ。
割り箸の箸袋は至って普通のもの。
あれ?この箸置き・・・
可愛い黒猫ちゃんですね。
メニュー票は2つあります。
1つは郷土料理中心。
開きホッケ、ミガキにしん、ハタハタ一夜干し
とんぶり、ギバサ、いぶりガッコ、くじらかやき
などなど。
ここから数品お願いしました。
三角揚、とんぶり、くじらかやきを注文。
もう1枚は、普通に居酒屋料理。
くみあげ豆腐、厚焼たまご、なす焼き、なんてのもいいかも。
さて、日本酒をいただきましょう。
お酒は、銘柄を指定してもいいけど、好みをママに伝えても良いです。
私は「刈穂」をお願いしました。
すると刈穂大吟醸、吟醸六舟、山廃純米超辛口の3種類をカウンターに並べてくれました。
「どれになさいますか?」ってそれぞれのお酒の特徴を簡単に説明してくれます。
でもどれがいいかって、飲んだことないのはわかんないよね。
でも大丈夫。
なんと、杯にそれぞれのお酒を少し注いで、試飲させてくれるんです!
飲み比べてみてから、好みの酒を決めるんです。
うーん、決めかねるなぁ・・もう1回!なんてことも、たまにはできます。
今回は山廃純米超辛口にしました。
縦長のワイングラスにお酒を注いでくれます。
ぉぉおおっと、というところまで注いでくれます。表面張力!!
「グラスを持たずに、口を近づけて召し上がってください。」
そりゃもう、当然ですね。
日本酒度+12で、かなり辛口ですけど、旨みもある。さすが刈穂。
先客も同じ酒を飲んでいて、山廃ってなんだろね、なんて話しています。
山廃ってね・・・と割り込みたくなったけど、やめときました。(笑)
さて料理は「三角揚」。
「三角揚」ってなに?って聞いたら「厚い揚げです」だって。
厚揚げ?
そうじゃなくって、揚げですって言うんで注文してみました。
厚揚げみたいな感じ。
なんで三角なの?
三角に切ったのではなくて、もともとが三角なんですって。
それに九条ネギ、大根おろし、わさび、おろし生姜が添えられています。
まずは食べてみると・・・
厚揚げとはかなり違った食感です。
厚揚げのように充実してしていなくて、スカッ、サクッとして。
断面をよく見ると、豆腐の中に穴がいっぱいあいています。
三角揚げって、厚揚げじゃなくって、確かに厚いお揚げなんです。
低温でゆっくり揚げたから、内部の水分が飛んで、空洞になっている。
このスポンジ状のおかげで不思議な食感になっている。
なんていうか、しっとりしたパイ、とでも言ったらいいでしょうか。
これ気に入りました。
ついで、〆サバ。
自家製だっていうので、注文しました。
お醤油は・・・へのへのもへじの醤油差しに入っています。
酢の締め方がかなりしっかりしています。
ところで〆サバにつけたわさび。けっこう辛いんです。
改めてわさびだけちょっとつまむと。
ネットリしていて、本わさびを擦ったものなんです。でも辛さが強い。
これ本わさびですか?
そうですけど、辛さを増すために粉わさび練ったものを加えています、だって。
ほう、なるほどね。
「Hさん。とんぶり」って知ってる?
知りません、っていうんで、注文しました。
短冊切りの長芋にとんぶりかけたもの。
この小さなツブツブがトンブリだよ。
何の卵だと思う?
もちろん初めて見たHさんには、想像が付きません。
実は、ホウキグサっていう植物の実なんだよ。(笑)
って言っても、そもそも箒を使わないから、実感がわかないよね。
夏だけど鍋物。くじらかやきです。
「かやき」は「貝焼き」がなまったもの。元はホタテの貝殻を使った鍋ものだけど、1人用の鍋物をかやきと呼ぶようになってます。
「くじらかやき」だから、クジラが入ってます。
取り皿に取り分けました。
クジラとナスが入っています。
頭の黒いキノコ。ではありません。
これがクジラです。
鯨のホンガワ(本皮)を塩漬けした塩鯨で、黒いのが表皮、白いのが皮下脂肪。
ネットリした感じです。
黒っぽいナスに混じって緑の野菜が入っています。
これは?・・ん?このシャキ、ヌルは・・・おっ、ミズですか!
「はい、ミズです。」
東北地方ではよく食べられている山菜です。
これすきなんです。
酒が進みますねぇ・・。
この続きは次回に
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