三宅島は火山の島だ [旅行先]
三宅島に行った。
前回までは飲み食いネタばかりだったけど、三宅島の観光ネタを少し紹介しようかな。
三宅島の観光っていうと、釣り、ダイビングなんてのが本流だよな。
でも自然の営みの観察ってのもあるぞ。
三宅島独特の動植物を観る?
いやいや、もっとワイルドなこと。
火山を観るのだ!
ワイルドだろぉー?
三宅島の地下にはマグマだまりがあって・・・
そこに年々マグマが溜まって・・
約20年の周期で噴火を繰り返してるんだぞ。
ワイルドだろぉー?
2000年にも噴火したんだぞ。
全島避難で大変だったんだぞぉ!
噴火はまだ続いていて、火山ガスが出ているんだぞぉ!
有毒ガスだぞぉ!
ガスマスクしないと外を歩けないんだぞぉ!
それは大げさだぞぉ!
失礼しました。
三宅島の地下にはマグマだまりがあって、約20年周期で噴火を繰り返しています。
噴火は雄山の山頂で起こるわけではなく、毎回違ったところに突然火口ができて、溶岩が噴出します。
だから島内の至る所に火山活動の跡があるんです。
2000年8月の噴火では雄山が爆発して、全島民が島から避難しました。
2005年に避難が解除されて、島民が島に戻ってきましたけど、今も有毒ガス(亜硫酸ガス)が噴出し続けていて、居住を禁止されている地域もあります。
ガスの濃度はすっかり下がっているけれど、ガスマスクを携行せよなどなどの規制があって、その変更が進んでいません。
周期的に噴火を繰り返す三宅島ですけど、噴火活動の跡に案内板を設けて、火山活動の跡を観ながら火山活動を理解し、景観を楽しめるような整備がされています。
というわけで、三宅島の火山活動の痕跡などを散見したので紹介します。
こんな三宅島の観光マップを持ち歩きました。
「三宅島感動体験マップ」
「三宅島ジオMAP 体感!火山島 三宅島をあるこう!」
「ロック わんこの島 LOCATION MAP in 三宅島」
◆アカコッコ館
ここは最初に行くのがベストだと思います。
駐車場に車を置いて、歩いて行きます。
学芸員さんが野鳥などの説明をしてくれます。
私は火山に興味があったので、火山のことを説明してもらいました。
三宅島のジオラマ。
三宅中学校の生徒が作ったそうです。
平成2年につくって、その後手を入れているようです。
すごい! がんばれ三宅中学生!
三宅島の地下にはマグマだまりがあって、約20年周期で噴火を繰り返している、って最初に書きましたね。
これまでの噴火は、島のどこかに火口が出来てマグマが流出します。
どこで噴出するかはわからない。これってかなり恐いです。
でもその噴火が終わればお仕舞い、というパターンだったそうです。
ところが2000年の噴火は、地表に噴火口ができなかった。
実はマグマが地表に出ずに、地下(海底)を伝って移動したんです。
そしてマグマが地下へ流出したために、雄山の頂上の陥没が起こり、そこから火山ガスが出続けるという、従来とは全く違ったパターンになってしまったそうです。
おかげで、いまだに火山ガスが噴出し続けていて、被災が継続しているんです。
噴火のジオスポットをいくつか紹介しましょう。
◆三宅島南西部
◇阿古地区
中学校に仮住まいの三宅村役場の近くもジオスポットです。
全島避難のときに、飼い主と離れ離れになってしまった犬・ロックが、飼い主と奇跡的な再開を果たした。
その実話を元につくられた映画「ロック わんこの島」。
映画の中で、佐藤隆太・麻生久美子扮する飼い主が営んでいた民宿「たいよう」の跡地がありました。
モデルになった沖山勝彦さんが営む民宿は、夕景浜にある民宿「夕景」です。
実物のロックは、島に戻って元気に生きていたんですか、2012年に亡くなったそうです。
看板のところから見ると、更地が見えます。
行ってみましょう。
ここに民宿「たいよう」が建っていたそうです。
よくわかりませんけど、柱が2本立っていました。
何に使ったものでしょうかね?
民宿「たいよう」の跡地がある所は、ジオスポット「メガネ岩」が見えます。
1643年にコシキ火口から噴出した溶岩が今崎海岸をつくり、その溶岩が浸食されて洞穴「海食洞」を作ったんだそうです。
元は2つの穴があったそうですけど、1959年の伊勢湾台風で右の天井が落ちて、いまでは穴は1つになっています。右の亀裂が、天井が落ちたところでしょう。
1983年の噴火で埋没した阿古小学校跡。
阿古集落跡。
1983年の噴火の溶岩が阿古集落を襲い、400戸の民家を埋めてしまった。
かつては、漁業と観光で賑わった阿古。
いまでは溶岩の台地が残っているだけです。
◇薄木地区
1983年の噴火は、粟辺集落の一部も襲いました。
1983年の噴火は、二男山(じなんやま)付近で始まり、火口は90ヶ所に及んだ。
噴出したマグマは溶岩流となって谷を流れ下り、海岸に達した。
今も溶岩流の流れた跡がそのまま残っています。
◇牧場跡と七島展望台
観光名所の「七島展望台」へ向かいました。
富賀神社の近くから雄山林道に入ります。
道路脇に溶岩の壁。
シラカバじゃありません、立ち枯れた木々が立っているんです。
なかり異様な風景です。
どんどんと林道を進んでいくと、突然、牧場に出ます。
公園にもなっていたこの牧場では、東京都の三多摩地区の乳牛をかつては預かっていたそうです。
いや、かつての村営牧場の跡地です。
噴火のせいで廃業です。
埋没した事務所。
埋没したトラクタ。
放置されたサイロ。
ここの牧場から「七島展望台」に向かいます。
赤茶けた火山灰の上にある展望台。
展望台は整備されているんですね。
三宅島は伊豆諸島の真ん中にあって、天気の良い日には、北の伊豆大島から南の八丈島までの伊豆七島を見渡すことができるんです。
この看板は2000年の噴火前に立てたもののようです。
展望台からは島が見えます。
これは大島でしょうか。
式根島かな。
三本岳。
海底火山の頂上の一部が海面に露出して、波に浸食されたものだそうです。
三本岳という名ですけど、9個の岩礁があります。
魚がたくさんいる釣りのスポットだけど、潮の流れが速くてダイビングは上級者用みたいです。
こうして眺める海の景色は綺麗です。
振り向くと溶岩。
そして廃墟となった牧場です。
◆三宅島北西部
◇大久保浜
神津島、式根島、新島、利島、大島が見えるビュースポット。
◆三宅島北東部
◇赤場暁
1940年と1962年に山腹割れ目噴火が起きて、2度目の噴火で山腹を流れ下った溶岩が「赤場暁湾」に流れ込んで、溶岩台地「赤場暁」を作ってしまった。
かつては湾だったところが、溶岩の台地になってしまっています。
あの奥から溶岩が流れてきたようです。
◇ひょうたん山
1940年の噴火で一夜にして誕生した山です。
噴火は集落を埋めて、死者行方不明者11人、負傷者19名、埋没焼失家屋51戸の被害を出しました。
もとは2つの山があったので「ひょうたん山」と呼ばれたんですけど、1つの山が浸食されて、今は1つの山しかありません。
残っている山の火口跡。
◇三七山(さんしちやま)
1962年の噴火で隆起した場所に火山灰(スコリア)が降り積もってできた山です。
噴火が起きた昭和37年に因んで「三七山」と呼ばれました。
もっこりした黒い山。
ひょうたん山を眺めるのに良い場所です。
ところで「スコリア」とは、火口から放出される、ガスが抜けて穴が多数ある暗黒色の軽石のことです。
これが「スコリア」です。
ひょうたん山の近くにある「サタドー灯台」
映画「ロック」にもチラっと出てきます。
サタドー岬付近の崖。
◆三宅島東部
◇三池地区
三池浜への橋「三池浜橋」。
三池浜が見えます。
三池地区は、かつては海水浴場やテングサ漁で賑わった地区ですけど、2000年の噴火以降、火山ガスの濃度が高くて、今も居住が制限されているところです。
三宅島は西風が多く吹くため、雄山の東側は火山ガスの濃度が高いことが多いのです。
◇三宅島空港
空港があります。
しかし道路は閉鎖。
ヘリコプターが着陸したようです。海上保安庁のヘリでしょうか?
◇坪田地区
坪田地区の一部も高濃度地区に指定されています。
原則立ち入り禁止、ガスマスク常時携帯、ってことになってます。
今ではせいぜいレベル1なので、ガスマスクの必要はないようです。
坪田中学校跡。
帰島後、三宅島の小中学校はそれぞれ1校に統合されていて、坪田中学校は廃校になりました。
でもまだ校舎が残ったままです。
◆大路池(たいろいけ)
三宅島南部にある大路池に行きました。
東京都の古い案内板。
2000年以上前の水蒸気爆発でできた火口湖です。
アカコッコなどの野鳥やタイロ藻などがいるそうです。
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