ビクトリアンパブで南欧風料理とエール The Rose & Crown@西新橋 [ 東京飲みある記]
すこし涼しくなってきましたね。
これは暑い盛りに、会社の人たちで暑気払いをしたときのことです。
場所は西新橋の「The Rose & Crown」という【ビクトリアン・パブ】。
「The Rose & Crown」とはどういう意味なのか?
とんちゃんの私見は最後にご紹介します。
暑いですから、ここでビアパーティーってところです。
【ビクトリアン・パブ】と謳っているように、内部はビクトリア調。
「ビクトリア調」っていうのは、イギリスのビクトリア女王の時代の文化様式のことです。
ビクトリア女王が在位したのは1837~1901年。
当時のイギリスは、産業革命が終わり経済が発展して帝国の絶頂期でした。
そのビクトリア時代に作られたパブが、ビクトリアン・パブで、ゴシック様式の豪華な内装が特徴です。
ところでイギリスは階級社会。
当時は、1つのパブの中が壁で仕切られていて、中産階級以上は「saloon bar(サルーン・バー)」、労働者階級は「public bar(パブリック・バー)」のスペースで飲んでいた。当然、入り口も別だったそうです。
壁には絵が飾られていたり、クラシックな照明があったり。
さて、今夜の料理は・・・。
「『肉と魚のダブルメイン』が嬉しい♪」が謳い文句の「夏限定コースコース」らしい。
フリードリンクのリスト。
ビールは通常はサントリーモルツです。
でも今夜は500円プラスして、プレミアムモルツやカールスバーグなどもOKだって。
ということで、生ビールはプレモル。
ピッチャーから思いっきりグビグビといただきました!
ってのはウソだけど、プレモルってのはウレシイね。
料理がやって来ました。大皿に6人分載っています。
3種類の料理が載ってる。
一番奥の白い器に入っているのは・・ロミロミサーモンのココット。
「ロミロミサーモン」って、新鮮なトマトとサーモンを使用したサラダのことで、白い耐熱性の容器が「ココット」。
だからココットに入ったロミロミサーモンってこと。
名前から想像できるように、これは元々はハワイ料理です。
赤いケチャップがワンポイントの料理は・・夏野菜のフリッタータ。
「フリッタータ」って、フリッター(洋風天ぷら)のことじゃなくって、オムレツみたいな卵料理のこと。
フリッタータはイタリア料理です。
塩鱈「バッカラ」のブルスケッタ。
「バッカラ」は鱈の塩漬けの干物のイタリア名。
塩鱈は、スペイン(バカラオ)やポルトガル(バカリャウ)で食べられているけど、イタリアでも食べるんだな。
その塩鱈をマヨネーズで和えて、バゲットに載せてブルスケッタにしてある。
フェンネルがトッピングされている。
「バッカラ」って言うからイタリア風の料理ってことですね。
どの料理もビールより、ワインがほしいなぁ・・・。
ハウスワインをいただきました。
さくさくビアチップス。
要するにフライドポテトなんだけど、サクサクのポテトで、それが皿にたっぷり。
ビール酵母をつけて揚げた?その味は・・・わかんない。o(^▽^)o
トマトとバジルの「サラダカプレーゼ」。
レタスの上にサイコロ状のトマト、ベーコンそしてバジルとパルメザンチーズ(粉チーズ)が散らされている。
「カプレーゼ」って「カプリ島の」って意味で、トマト、モッツァレッラチーズ、バジルの3つでつくるサラダのこと。
モッツァレラの白、トマトの赤、バジリコの緑の3色はイタリア国旗の色です。
というわけでイタリア料理ってところ。
盛り方はどうあれ、モッツァレッラチーズが・・・ないんじゃない。
まぁ、美味しいからいいけど、カプレーゼという名前はちょっと・・・。
タコと青唐辛子のおつまみピザ。
これもイタリア料理です。
タコと青唐辛子がチョコチョコッと顔を出しています。
プレモルは飽きてきたので、オリジナル・ハウスBeerのローズビアをオーダー。
やっと来ました。
ローズビアの名前のとおり、赤味がかった琥珀色のビールです。
忙しいようでなかなか来なくって、何度か催促しました。
味は、甘いのかと思ったら、苦味が強くて旨い。
このビールは、サントリーの武蔵野工場で醸造されている上面発酵ビール(エール)。
なんと、その工場とこの店でした飲めないものだそうです。
もっと早くにこのエールを飲めばよかった!
三元豚とマテ茶チキンのBBQブロシェット。
「ブロシェット」はフランスの串焼料理のこで、串焼きのBBQ。
「三元豚」って3種類の品種を掛け合わせた豚のことで、オリジナルの品種じゃないです。
「マテ茶チキン」はマテ茶を飼料に配合したブラジル産の鶏のことで、飼料は100%植物性だそうです。
鶏肉、豚肉、ベーコンが金串に刺してあって、先にトウモロコシ、途中と手元にタマネギも刺さっている。
金串のままかじりつく・・・おっと、食べにくいから、バラしました。(笑)
豚も鶏も旨い。まぁ、BBQってことだけで、旨いに決まっているよ。
魚介の旨み「灼熱のパスタパエリア」。
魚介のパエリアに螺旋形のパスタ「フジッリ」が入っている。
スペイン料理とイタリア料理の融合ってところかな。
エビやムール貝、アサリが入っている。
ところで、ムール貝(ムラサキイガイ)はヨーロッパ原産の貝ですけど、日本には在来種のイガイがいるんです。
よく似ていて、どっちもムール貝として流通しているから、区別できないです。
終わり頃になるとだんだん強い酒が飲みたくなってくるのが呑兵衛の悪い癖。
バーボンを飲みたいのだ。
メニューには「ハイボール」しかないんだけど、「ロックで」とオーダー。
もちろんOKですよ。
バーボン。
ちゃんとロックで持ってきてくれました。
しかもグラスにしっかり入っている。
バーボンを飲みながら・・・イギリスのパブなんだから、ここはやはりスコッチか?
などと思うのだけど、2杯目もバーボンにしてしまった。
料理はどういうわけか、イタリアやスペインの南欧料理が多いけど、まぁそんなことはこの際どうでもいいでしょう。
旨ければいいんです。
そして気持ちよく飲めれば良いんです。
ごちそうさまでした。
さて、最後に「The Rose & Crown」という店名について。
HP(http://www.dynac-japan.com/rose/)にはこう書かれています。
「「ROSE=市民」から「CROWN=貴族」まで、「飲む歓び」「食べる幸せ」そして「語り合う楽しみ」をすべての人たちと分かち合いたい。英国ヴィクトリア朝時代から市民の社交場として親しまれてきたパブの楽しみを特製ハウスエールビールとトラディショナルなフードメニューで提供いたします。」
あれ?
「市民」とは中産階級(資本家階級)のことで、彼らが貴族階級といっしょに飲み食べするの?
いや、そんなことはないですよ。
「市民」はパブに行くけど、貴族はパブには出入りしない。
(と、イギリス在住者がキッパリと言っていました。)
しかも「Rose=市民」と「Crown=貴族」ってのも変だよ?
Crownは王冠だから、貴族じゃなくって、王のことですよ。
そしてRoseが市民だって?さっぱりわからない。
ということで回答。
実は、「The Rose & Crown」とはイギリス王室を意味しているんです。
1455年から1485年まで、イギリス王室を巡る内乱がありました。
ランカスター家とヨーク家の対立による戦争で、ランカスター家が赤薔薇、ヨーク家が白薔薇を紋としていたとされるため、「薔薇戦争」と呼ばれています。
戦争は、ランカスター家のヘンリー7世の勝利で終わり、彼はヨーク家のエリザベスと結婚した。
そしてヘンリー7世はテューダー朝を開き、ヨーク家の白薔薇とランカスター家の赤薔薇を結合した【テューダー・ローズ】の紋を採用する。
王室のテューダー家はその後、エリザベス1世で途絶えるのですが、テューダー・ローズはイギリス王室の紋として今も使われているらしい。
この図柄は、ヘンリー7世以来代々のイギリス君主が用いたテューダー・ローズ紋だそうです。
どうですバラと王冠ですよね。
こういうわけでバラと王冠とはイギリス王室のことなんです。
店名の「The Rose & Crown」とはイギリス王室を意味している、って素直に言えばいいのにね。σ(゚ー^*)
いろいろな国のお料理があるんですね。
これが流行りの「多国籍料理」っていうのでしょうか。
パエリアなのに、パスタにしちゃうんですね。
おコメが美味しいのになあ・・。
by 式守錦太夫 (2013-09-14 20:40)
> 式守錦太夫さん
イギリス風のパブだと思っていたら、料理は「多国籍」でした。
パエリアにパスタは驚きです。
スペイン人が見たらびっくりでしょうね。(笑)
by とんちゃん (2013-09-15 04:55)